表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/106

028

「腰が痛い♡ でも、癒されてく♪」


 俺もバグ職「強癒」欲しいな。結構なハッスルで眠いし怠い。


「水浴びすっか」


「はい。背中流しますね」


 冷たい水で目を覚まそ。



  ○  ○  ○



 水浴びの後に声をかけて俺の部屋に集合。今日の予定を考える。


「えっと、ミーディイ「はい!」、サロワナ「はい!」、エフェロナ「はい!」、覚えた。では、今日の予定は相変わらずのゴブリンでレベル上げだ。目指せ、装備」


「「「?」」」


「動きはフィーリアが骨布集め。ロザンナはスローイングナイフの強化。俺は討伐。ミーディイ、サロワナ、エフェロナ、体調の回復を優先。以上」


「「「えっ!?」」」


「残念だが、ロザンナの経験上、体調が万全になるまで戦力とは考えない。なので落ちてるゴブリンこん棒とゴブリンソードを拾ってくれ」


 三人が「これでいいの?」みたいな顔でロザンナを見る。ロザンナも「これでいいのよ」みたいな顔でうなずく。


 まあ、習うより慣れろだな。ん? ミーディイが挙手。促す。


「あの、暖かい寝床、ありがとうございます。出来ることは、全てやります」


 続けて、サロワナとエフェロナも。


「食事、久し振りにあんなに食べたよ。ありがとうございます」


「それに、職業まで授けてくださいました。ありがとうございます」


 いちいち土下座だから困る。今日はこっちに椅子を6脚用意しないとな。テーブルセットを2つ重ねれば、みんなで座れるだろう。


「土下座はいらないって。体が治ったらちゃんと働いてもらうから。フィーリアの支えにもなってほしい」


「「「はい!」」」


「じゃ、朝食だ」



  ○  ○  ○



 食費が地味に食うが、これでも節約してるんだよな。毎食60ルーク。直ぐに尽きることはないが、金策は早めに確立しよう。


 「村正」以外での初戦闘。「剣射」の投剣専用スキル『投剣』、まんまの名だがスローイングナイフの威力もあって、初手は爆散してしまった。


「「「すごい!」」」


「「もったいない」」


「うぐっ! ゴブリンは尽きないよ! っと、ナイフを失くさなくて良かった。やっぱりこれも地味に強いな」


 ゲームと違って投擲武器が回収できるのは地味に嬉しい。ゴブリンソードは店で売ってあるのは確か50ルーク。材料費だけでスローイングナイフは300ルークするからな。


 3匹爆散させて、ようやく最低の威力でもスキルだと爆散すると理解した。普通に投げても殺せる。スローイングナイフの威力で一投で殺せる。スキル補正がないと難しいが、元々が「村正」で無理矢理投げてたから狙いは上手になってる。『投剣』のスキル補正モーションを参考に練習。


「練習してるだけでゴブリンが簡単に倒れてるんだけど、どうなの?」


「ご主人様は一人で戦力過剰ですよ。私達の役目は邪魔をしないことと素材の回収です。皆さんは慣れることからです。周りを見て、ゴブリンとご主人様の間に挟まらないように立ち回って、ご主人様の手を煩わせないことです」


 何か言ってるが、まあそうしてほしい。先ずはダンジョンに慣れてほしいかな。無理に動かず、ちゃんと安全を確保して素材集め。それが一番助かる。


「ロザンナさん、先に骨布集めて良いですか? 血が付くのが心配です」


「そうね。その手順でしましょう」


「この杖、すっごい魔法が楽ですよ♪」


「それは楽しみね♪」


 そうだ。守るものが増えた。こちらも手数を増やさないとな。


「フィーリア、あの元気なゴブリンに『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』だ」


「はい。『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』!」


 動きが鈍く……威力結構あるな。膝をついたぞ。攻撃や妨害の魔法でもないのにゴブリンを無力化できた。まあ、骨が軋めば、いや、あれは複数のヒビが入ってるんじゃないだろうか。動けてないな。


「フィーリア。魔力は常に半分は残せ。俺の手が間に合ったとしても、フィーリアの判断でみんなを守れ。骨布は諦めてもいいと思え」


「勿体ないですが、はい!」


「ロザンナも同じだ。俺を抜けてフィーリアで対応不可能と判断したら『肉皮剥ぎ魔術(ミートセパレーション)』だ。実際にここではそこまで危険ではないが、2層の練習だ。心掛けるだけでも練習になる」


「分かりました。そのように心掛けるわ」


 これで二重の守りになるだろう。今は守りだが、2層のゴブリンの数であれば攻めに使うだろう。無力化すればゆっくりと止めを刺せばいい。


 ここからは少し俺の攻めを緩めてゴブリンを近づける。フィーリアの練習になるように。ロザンナが魔法を使うほどにはさせないが、フィーリアにはちょこちょこと攻撃として魔法を使わせる。


「むふー! やらせ感はありますが、私は戦ってます!」


「そうね。ご主人様は演技が下手だわ。ゴブリンを流すとバレバレね」


「いや、普通に怖いよ。ゴブリンって最弱だと聞いてたけど、怖いよ」


「うん。大袈裟に逃げちゃうわ」


「確かに、足を引っ張らない、練習が必要ね」


 後ろが軽く俺をディスってるが心配だからな。常に構えてしまう。演技が下手とか言われても、構え無しで必中とかまだ無理。慣れた「村正」だったらもう少し自然だと思うぞ。


 傾向として、新入りにダンジョンの状況説明にはなったかな。


 午前の戦果、こん棒102、ソード6、骨布62。マジックスタッフの能力がすごいらしい。レベルアップのステータス恩恵もあるだろうが、魔力運用が劇的に違うそうだ。


 昼食休憩を挟んだら、もう一度潜るか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ