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 昼なので一度ダンジョンを出た。定番の5ルーク定食。


 フィーリアには出る前に『骨布変化術』をあと3回してもらい、骨布は12枚となった。アイテムボックスが三文字職業適応で追加の3つの5つもあれば余裕がある。ゴブリンこん棒はロザンナに集めてもらうことにした。


「思った以上に魔力の消費が多いです」


「私なんて魔力が回復したらすぐ減り始めるからお荷物でしかないわ」


「ロザンナは気にしすぎだ。フィーリアも気にするな。これは俺も予想外に魔力を食う。三文字職のレベルを上げてステータス向上でどうにか対応しよう。四文字職になればぐんっとステータスが上がるだろうが、今は今ある状態で考えていこう」


「でも、早くスポーツブラしてみたいです!」


「そうね。憧れるわよね」


 俺の記憶にあるのは色気のない下着って感じだが、出来上がるのはどうなるやら。ボクサーショーツとあるので動きやすさ重視だろうな。ぶっちゃけ俺のボクサーパンツを優先して欲しい。


 が、言わない。言ったら確定で俺のになる。気になるのは商品価値があるかだ。俺はあっちの服を知っているから、違和感を覚え難い。フィーリアやロザンナの意見の方がこっちじゃ重みがある。ので、言わない。


 別件だが、一つ気になったので問う。


「ロザンナ、食事足りてないだろ」


「いえ、足りてますよ」


「食べ方が丁寧すぎる。体が欲しているだろ。我慢してたらいつまでも体調は治らないぞ。戦えないことを病むのなら、ここで遠慮するな」


「……私も女性です。配慮をお願いいたします」


 追加で大皿の肉野菜炒めを頼み、()()()()()()()()()。ちゃんと命令したが「演技くさいですね♪」と笑われてしまった。



  ○  ○  ○



「数倒しても実にならんのは寂しいな」


「コボルトに行きますか?」


「俺が言って俺が愚痴ったら格好つかんな。いや、これが最善だ」


 ロザンナはこん棒とソード拾い、フィーリアは最初の4体で魔力枯渇の兆候で骨布集めはお休み。俺はただ黙々とゴブリンを倒す。そこら中に死体が転がってるよ。


「ん? もしかして2層目もゴブリンか?」


「そう言うことでしょう。予想はゴブリンソードマンが増えるのか、純粋に数が増えるんじゃないのですか?」


「様子見るか」


 案の定、ゴブリンだったが。


「撤収!」


「「はい!」」


 一面がモンスター溜まりの状況で余裕がない。俺だけならいいが、2人に敵が回るのは不味い。せめて武器を持たせて殴り倒せるか、俺の攻撃まで耐えるかしてもらわないと無理だ。数は暴力だな。


「美味しくはありそうだが、もう少し余裕が欲しいな」


「「すみません」」


 よく理解している2人だ。無駄な動きは一切せずに直ぐに撤収できた。バラけただけでどっちかは怪我してたな。ダンジョンって階段じゃなくって魔方陣のワープだから様子見でも覗くだけってのは無理。魔方陣すら陣取られる密度だったよ。


「職業選択を間違えたとは思ってないが、装備がないのが辛いな。買うのもアリだけど、俺のお眼鏡にかなうものが無いんだよね」


「だから自分で作るのですか?」


「フィーリアのスキルが下着なのも予想外だが、もしかしたら職業レベルで品も増えるかもな」


「私もフィーリアちゃんと同じ職業になりましょうか? 効率は上がりますよね」


「いや、それもアリだが……んー、ロザンナ、またちょっと無理させるがいいか? 魔法の威力を見ておきたい」


「どうぞ、お使いください」



  ○  ○  ○



「『肉皮剥ぎ魔術(ミートセパレーション)』」


 魔法の範囲が知りたくて3匹固まってるゴブリンを見つけて放ってもらった。パーティには不発になるとは思うが、回復手段が無いので範囲外へとフィーリアと一緒に移動……したつもりだった。


「だ、大丈夫ですか!」


「俺の知ってる情報と効果範囲が違ったな。不慮の事故とはいえパーティには効果がないことが分かって良かったよ」


「何かそよ風が抜けたような感覚でしたね」


 俺の知ってる『肉皮剥ぎ魔術(ミートセパレーション)』は前方に扇状に広がる範囲魔法だったが、こっちでは術者を中心にドーム状に広がるようだ。ロザンナの隣なら大丈夫と思っていたらの不意打ちにビックリしたよ。肉離れしたらどうしようって感じだった。


「効果は強いようだが、ロザンナの魔力消費も大きいな」


「すみません。ちょっと立てないです」


 ゴブリンは生きているが苦しみ悶えている。肉を生きながらに剥がそうとする魔法だったかな。八百万(ゲーム)だと物理攻撃力と物理防御力の低下だったが、説明文通りに効果が発揮されると身動きとれないよな。これって魔力が強かったら雑魚なら死ぬんじゃね?


「これを使えば2層の攻略もいけるか?」


「ご主人様! 私がハブられてます!」


「そういう訳でもないんだがな。フィーリアは鈍器で殴ってもらおうかと思ったが『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』を使ってみる?」


「殴るのは武器と練習がいりそうですね。『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』」


「ちょ!?」


 不意打ちだぞ! フィーリアは使う時に照準指定があったので手を突き出して撃ったようだが、二度目でも不意打ちは心臓に悪い。


「あ、仕留めました。威力あるのかな?」


 肉を剥がされる苦痛に、骨を砕く苦痛。ショック死じゃね? あのゴブリンは今までで一番苦しんだだろう。南無。


「フィーリア、この魔法は本来は『骨布変化術(ボーントゥクロース)』の下拵え用らしい。魔力に余裕があるなら試すといい」


「はい。『骨布変化術(ボーントゥクロース)』。あら、すごい楽です」


「よいしょ。こっちは『骨布変化術(ボーントゥクロース)』のみ。あっちは『骨下拵え術(ボーンスピードワーク)』の後に『骨布変化術(ボーントゥクロース)』。魔力、いけるか?」


「うん。いけます!」


 条件を同じにゴブリンには止めを刺した。フィーリアは両方のやり方で試している。が、魔力枯渇してる。無理すんなって。


「ひー。後の方が楽でした」


「フィーリアには悪いことしてたな」


「でも、魔法で攻撃も出来ます! ご主人様の役に立てます!」


「程々にな。少し休んだら帰ろう。ちょっと早いだろうけど、撤収」


「「はい」」


 午後からはこん棒が92とソードが5。ロザンナのアイテムボックス4つで80個のこん棒が埋まったので俺の方に流れている。1つは女の子のエチケット用だから使わない。レベルが8にもなったし、きりも良いだろう。


 さて、宿でアイテム作成といきますか。

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