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「やっと「森羅聖霊師」が適応されたか」


「ご主人様はどんな職を目指されているのですか?」


「ああ、「(サン)()()()(ゴン)」だよ。足が早いんだよね」


「サンドドラゴン? 地竜ですか? って、ドラゴンが職業なのですか?」


「当て字シリーズは面白いよね。五文字だと集めるのが大変だよ」


「口からブレスも吐けるのです?」


「んー。使ってみないと何とも言えない。俺の情報は微妙にズレてる。もしかしたら転職しても意味のないバグ職で、無駄な努力になるかもな」


 ここまでは上手くいってる。疑問に思ったこともない。が、微妙なズレが意識させる。本当にゲームの情報は、この世界に適応されているのか? 不安は尽きないが、まあ、試すだけならタダだ。


 狩りを続行する。



  ○  ○  ○



「もしかして、お疲れなのですか?」


「ぱぱぁーっとやっつけてたのにな」


 今はコボルトをロングソードで地道に斬ってる。といっても一撃必殺。スキルは使わない。自分の持ちうる技術で敵を一刀に伏す。コボルトの首と胴が全て亡き別れる。


「いやまあ、四文字職の解放条件なんだよ。「怒髪剣士」は、モンスター千匹を西洋剣で一撃連続討伐。「斬首執行人」は、五千の首を斬って討伐。地味だがとりあえず五千の首を飛ばすまではこのペースだな」


 地味に五文字職は数を求められるし、怒髪のつく職業は一撃で連続を求められる。ゴブリンやコボルト相手なら仕損じる事はないが、グレムリンは空飛ぶからな。千はここのコボルトで稼ぐ。


「それでも、そこまで、ペース落ちてない」


「まとめて倒すか、コロコロ倒すかの違いですよ。流れるように首切り死体が量産されてます」


 まあ、密度がおかしい。三歩歩いて二匹切る。そのくらいにコボルトの行列がある。今までは一気に吹っ飛ばして歩きながら拾うって感じだったが、今は歩いてる側から拾うって差だ。ホント誤差。


「片手杖のコボルトって魔法使うのね。初めて見たわ」


「白魔法の強化だから誤差だけどな。ギリギリの戦いなら使われると辛い状況になるから早く倒したいね。支援職ってやっぱり役立つって実感するよ」


 今までが即戦滅だったので魔法を使わせる時間を与えなかったが、片手斧や片手剣のコボルトがステータス上昇する。片手杖のコボルトだけになったら自身にかけて殴ってくる。ゴブリンよりランクが数段上がる。ゴブリンと比べる時点でお察しの強化だがな。


 日が傾き、ダンジョンの光が弱まった所で終了。



  ○  ○  ○



「ゴブリンが簡単なんて嘘じゃん!」


 まだみんなが一層に居るかなって覗いたら、新人冒険者の少年に文句言われた。おーおー、顔にコブつくって頑張ったんだな。


「ゴブリンは簡単だ。とでも思えないとウルフに一噛みだからな。最弱モンスターに苦戦する方が弱いだけだ」


「いーや。遠くからズガーンで終わりの方が楽だ」


「まあ、それがいいなら、そうすればいい。助言はした。「魔術師」でもズガーンは無理だけどな。四文字までゴブリンで頑張れよ」


「マジかよ! 何でだよ!」


「モンスターの方が先に見つけるし、モンスターの方が足が早い。いつでも遠くにいる敵だけ狙って、今すぐ噛みつく敵を放置するのか? すごい防御力だな。相当な金持ちだろうな。これを買えるくらいのな」


 いつものゴブリンフルアーマーとグレムリンカイトシールド。隠す必要がないからな。だって、末端の新人冒険者にすら金持ちなんてバレてるんだぞ。何処から漏れてるのかな?


「「「すっげー!」」」


「白で九枚ちょいだ。黒なら七枚位じゃないか?」


「普通に買えるじゃん! 売ってくれよ」


「あのな。銅貨じゃないんだぞ。王様が買うんだ。白金貨だって。売ってやるから出してみろ」


「白金貨ってなんぼだ?」


「一枚100万ルークだよ」


「「「げっ!」」」


 触ろうとしていた少年達が飛び退いた。まあ、高級品だよな。


「これが買えないなら、自分を鍛えろ。ちなみに俺のわがままでこのメイドさんはゴブリン退治してるが、コボルトもい行けるんだぞ。グレムリンも行けるんじゃないかな。俺がゴブリンソードが好きだから集めてもらってるんだよ」


「ご主人様には過大な評価ですが、あの群れは難しいです」


「あー、正常化させてからだよ。三歩歩いて二匹会うような状態は考えてないって」


「そうですか」


「三層ってそんなに多いのか?」


「これなんだと思う?」


 五枚の冒険者証を見せる。


「それくらい知ってるぞ! 冒険者証じゃんか」


「そうだな。無謀にも三層に挑んで死んだ冒険者の証だ。お前らが死んだら拾っといてやるよ」


 少し圧を込めて言ってやる。


「「「ひぃ!」」」


「お前らならゴブリンでもそうなるって事だ。死にたくないなら鍛えろよ。俺らがいつまでもここにいると思うな」


 この辺のサポート体制はアリエッタさんに確認だな。ボランティアじゃないんだから。食材をくれているようだが、俺の従業員である。本来の目的はポーション作りだ。あ、ポーションってどのくらい売れてるんだろ?


 今回から褒賞金には頼らないことにした。あれは借金だしな。だが、支所には寄ろう。どうも未熟な新人冒険者を流してるっぽいし。



  ○  ○  ○



「えー。指導してくれないんですか?」


「なんで指導すると思ったの? 従業員ですら未熟なのに」


「食料の支給して……」


「では断りましょう。立ち上げ時の食料支援は、これまでのうちのメイドが新人の面倒を見たので相殺ってことで。もし、不足があるなら支払いますから請求をお願いします」


 どうも、どこでも利用するのが横行してる。薬師男衆は報酬の確認もしたし、娯楽の提供になった。これはこれで互いに利益があるので落ち着いただろう。


 戦闘メイドの方は完全にお守りだ。薬師男衆の作る料理も、調理の手間と調味料の消費、こちらの負担も十分にある。食料支援だけで投げていい内容でもない。相手の命を勝手に預けるな!


「も、もう少し考えさせてください!」


「いや、微妙に冒険者ギルドに不振がありますから、ちゃんとした回答を用意してくださいね。なんで、新人が俺の資産を知ってるんですか?」


「い、いや。情報の出所は王都です。あそこのギルドマスターが嘆いているのが商人や冒険者の耳に入ってまして……すみません」


 ランバルトさんか。現状で問題は湧いてないが、なんか嫌だなぁ。詳細は知られていないようだが、「200万以上」と「複数の鎧と盾」という情報から数百万ルークを持っていると流れている。商魂のある商人はそれを元に調べたっぽい。んー。


「出来れば、このまま、冒険者の指導はして欲しいですねぇ~」


「あのー、無給でうちのメイドを使わないでください。目立たぬようにしていたメイドに持たせている武器の性能が露呈しています。このままでは、ポーションは卸せなくなりますよ。折角隠れて作ってたのに」


「いえ、この辺は認知されつつありますので、全く問題ないです」


「欲しがる人は?」


「……多数です」


「うちのクランメンバーは基本的に物は貸与です。全て俺のもの。それで害が出るようなら、持たせないか、もっと慎重に動きますよ。あと、近い内にその欲しがる人ってのが来るんじゃないですか?」


「そう言われましても」


「責任の取り方は考えてくださいね。では」


「あぁ~」


 これでアリエッタさんにも伝わるだろう。ついでに死んだ冒険者の証は置いてった。んー、情報規制から、情報統制に移行しないとな。ユーリナお嬢様に頑張ってもらおう。

ごめんなさい!


これは一年前に書いていた小説です。

完結させたと思って投稿してたらエタッてました。

ストックが切れて気付く愚か者です。


ネタが思い出せたら続きを書きたい……



一度、完結設定にします。


本当にごめんなさい!

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