わたしの話
まず私達の過去を少し話そうと思う。
数年前の話だ。
私達二人は買い物帰りに事故にあった。
小説やラノベだとここで転生や転移をするのだろう。
だけど私達は普通に病院に運ばれて普通に手術を受けて生還した。
お互いの鏡合わせの様な場所にある目の皮膚に傷を受けて。
ここから少し可笑しくなる。
普通なら顔に傷があるだけで生活に戻れるだろう。
だがそうはならなかった。
その日の内から私達は傷を負った目、眼球が痛み出した。
これまでは何も無かったのに事故をしていきなりだ。
親に相談して検査を受けた。
面白いほど早くに原因が分かった。
お互いの目が拒絶反応を起こしているらしかったのだ。
まるでお互いの眼球が入れ替わっているみたいに。
そこからは早かった。
お互いの目を移植し合うと言う事をやってしまったのだ。
何を馬鹿な事をと思うだろう。
だけど世界で始めて眼球を移植し合うと言う手術が成功してしまう。
「有り得ない事」「選ばれた子達」「ロポットではないのか」と色々言われた物だ。
私達は生きているし事故に合う子供が全員が選ばれた子になる可能性が出てしまう。
話が逸れた。
そうして私達はお互いの目を移植し合った。
それからだ。
もう一人が見ている光景が見えてしまう。
そんな力を持ってしまった。
もてはやされてうんざりしていた私達はこの力の事を隠した。
隠して普通に生活を送っていたはずなのに、いつの間にか異世界に居た。
ここからは私の話。
始めて飛んだ異世界で最初に経験したのは死だった。
魔物の居るファンタジー世界だった。
そんな世界で始めに居た村で普通に生活を始めて安定して来た時に村が盗賊に襲われた。
盗賊達は魔物を誘導し村を襲わせて疲弊した所で襲ってきたのだ。
私達を守る為に戦った。
だけど最初に殺されたのは私が守りたかった人だった。
私をかばって死んでしまった。
そして絶望している間に私も死んだ。
気がついたらまた始まっていた。
そこからは全てがゲームの様に見えた。
オープンワールドのゲーム。
どうすればクリアなのか分からない酷いゲームだと思って心を保った。
そこからは簡単だった。
幸いだったのはこの世界がファンタジーだった事。
剣も魔法もあり魔物も居た事だろう。
次に目が覚めてから最初にしたのは経験を得る為の狩り。
当然だが二人でだ。
狩りを始める前に私達にループした事を打ち明けた。
すぐに信じてくれて安心したのを覚えている。
流石は私の……。
話をしてすぐの事だった。
また私達は死んだ。
この辺りに居ないはずの大狼の魔物が居たのだ。
良く考えれば盗賊が魔物を誘導していたのだ。
1匹や2匹が群れから逸れる事もあるだろう。
私の馬鹿が!
こんな事を
繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返してく繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返してく繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返しっ……。
途中で無意識に行動をして居て気がつくと知らない世界に居た。
話を聞いた所によると魔王が倒されたと世界中に布告された途端に別の世界に来たらしいかった。
私達は世界中を旅していたのだとか。
そんな調子で数回、狂っては世界を渡り狂っては世界を渡る。
まだ数年程度しか時間は経っていないはずなのに、私は数百年かはたまた数千年を生きていると錯覚する。
それだけ繰り返し続けたからか。
心は鍛えられた様だった。
そしてようやく少し前に始めて狂わずに世界を渡れた。
と言っても世界が荒廃したせいでなのだが……。
そこから更に数回、とある発見をする。
2回目のループの時と同様に話しまったのだ。
結果は話をした人を含めて死亡した。
思いついた事を確かめる為に試した。
数回の死と引換に一つの条件を知る。
ゲームで言う所のバッドエンド確定ルートがある。
今の所は二つだ。
まずはありがちな「ループの事を話す」
ド定番過ぎて気がついた時に気持ち悪い笑い方をして気持ち悪がられたのを覚えている。
次に「相方が死ぬ」
相方の範囲が広すぎて仲間を集めると言う事が出来ない。
必然的に二人で旅する事になる。
ゲームよろしくギルドや酒場で仲間にならないかと声を掛けられたりするのだがリスクが多き過ぎてそんな場所を避ける様になっていた。
気がついた所でまた世界を移動していた。
更に○○回……。
既に100以上の世界を渡っているはずだ。
そこでもう一人の方に意識を向ける。
そして気がついた。
常に楽しそうにしているのだ。
まるで始めて異世界に来たかの様に。
この子も狂っているのではと思ってしまったのではないか?と。
100を越える程の世界を渡って気が付かけない自分にゾッとしたのだ。
罪滅ぼしにもならないかも知れない。
この曇の無い笑顔を曇らせない為に。
きっとこれは自己満足なのだろう。
だけどこれからは自分の事よりももう一人を本当に守ろうと思うのだ。
だからこの言葉は誓いだ。
世界を移りループする度に心の中と口で一度ずつ言うのだ。
「さあ、私達の冒険の始まりだ」と。
この話は「わたし」の主観です。
当然思い違いもあります