表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

終わり《はじまり》

前々からこちらも考えていたのですが、書いてしまった物です

更新は未定ですがちまちまと書こうかなぁと思ってます

割りと短編にしたい欲はあります

さあ、私達の冒険の始まりだ!

そう思っていた時期が私にもありました。


暑い。

私達は今、砂漠を歩いている。

「お姉ちゃん暑いよぉぉぉぉ……。」

そう言いながら私こと(なつ)は姉である夕貴(ゆき)に愚痴を零す。

「そうは言うがな妹よ。 砂漠とはそう言う物だと思えと言っただろう?」

暑いには理由はあるが今は会話が億劫で夕貴は簡単に会話を立ち切った。


改めて自己紹介と私達が置かれている状況を説明するとしよう。

姉は上代 夕貴、モノクルを付けた物知りでちょっとした変人。

黒髪の長髪でどの世界でも美人と言われる部類に入ると思う。

妹は上代 捺、姉の妹とは別ベクトルでの美人。

姉とは変わって白髪で短髪にしている。

現代日本の一般人……だと思う。

一般人の定義なんて分かんないから思うだけだけどね。

次に状況をなんだけど、何も難しい話じゃない。

俗に言う異世界転移。

別の世界に体ごと飛んできたのだ。

それだけ。

いや、一つだけ。

一つだけ変わった事があった。

それはここが数回目(・・・)の異世界になると言う事。

私達は文字通りに世界を渡り歩いている。

世界を渡る条件?

そんなの分かる訳がない。

ある時はどこかの魔王が倒された瞬間に飛んだし、ある時はいきなり世界が荒廃して飛んだ。

これだけを見たら世界が救われるか滅びるかすると飛んでしまうのだけど、何もない時にいきなり飛ぶ事もある。

流石に意味不明としか言えないよね。

それとラノベや小説に良くある転移時や転生時に貰える異能やチート能力なんて物もない。

あ、貰ってないだけで一つだけ変わった事が出来る。

今は言わなくても良いから省こうかな。

そんな訳で分からないなら今を楽しもうと思う訳ですよ!


「あづいいいいぃぃぃぃ」

捺が再び愚痴る。

夕貴は反応を示さない。

暑いのを暑いと言ったからといってそれが和らぐ事はないのだからとその言葉すらも話したくない。

つまり夕貴も暑いのを我慢しているのだ。

食料や水分になる物は多めに持ってきているが暑さを凌ぐ物は羽織っているマントだけだった。

今は砂漠にあるオアシスを目指している。

道は岩壁に挟まれた場所で砂漠の暑さ。

迷う事は無いのだが暑さが凄く鬱陶しい。

それもこれも捺が「この世界、オアシスがあるんだって! 行こうよ!」なんて言い出すのが悪い。

いや、それに頷いて準備をしだした私も悪いか

夕貴は一人で納得してしまう。

「あづいよおおおぉぉぉ……。」

「……妹よ。 暑い暑いと喋ってると体力を奪われて砂漠で熱中症になるぞ?」

「あづ、うぐっ……。」

こんな所で倒れられると面倒だと思って助言をする夕貴。

そう言って歩き出そうとしたその時だった。

「お姉ちゃん!!!」

捺が大声と共に後ろからタックルして夕貴を押し倒した。

「~~~~」

顔から思いっきり地面にぶつかり咄嗟に捺を退かす様に夕貴は横向きになる。

と、同時だった。

シュッと風を切る音が聞こえた。

横向きになった夕貴の目の前だ。

二人の頭があった場所に矢が刺さる。

怒るつもりで動いたのが良かった。

動かなければ訳も分からず二人とも死んでいたのだろう。

それだけでは二人は動じない。

既に何回も死にそうな目にあっているのだ。

盗賊と戦った経験すらある。

そうしないと生き残れなかったのだから仕方ない。

実の所、捺が気がついたのは偶然に過ぎなかった。

姉に忠告されて目を逸らした場所に弓を構える人が映っただけである。

そこからは体が動いた。


夕貴は現状を考えた。

弓を構え矢が既に番えられている。

いつ矢が放たれても可笑しくないのだ。

相手は恐らく一人の弓使い。

他の場所からの追撃も無く一人で出てきた。

こちらが女性二人だと思って強きに出たのだろうと推察する。

距離も遠からず近からずの良い距離。

こちらが近づけば撤退し隠れるまでの時間もあるだろうし、逃げて身を隠すにしても岩壁に挟まれて居るせいで直線的で狙われ放題だ。

最悪の展開。

護身用の短剣はあるが逃げながら矢を捌ける訳がない。

普通ならだ。

選択は逃げの一手のみ。

ここで倒せても怪我を負えばそれまでになってしまう。

だから。

「捺! アレをやるよ!」

「えー。 あれ疲れるから嫌なんだけども!?」

「ここで死ぬよりかは疲れるだけで済むならマシでしょ?」

「はぁい。 夕貴に従いますよー。」


弓使いは目を疑った。

黒髪の女性が後ろを向き、白髪の少女がこちらを向いたまま走り出した。

そんな姿を見て後ろ向きで逃げている黒髪の女性に向けて矢を放った。

白髪の少女からはかばうにしても間に合わない位置を狙う弓使い。

そしてもう一度だけ目を疑った。

黒髪の女性が後ろ向き(・・・・)のまま短剣で矢を叩き落として見せたのだ。

そんな有り得ない事を見ていながら状況を読む事に長ける弓使いは一つ気がつく。

岩壁に挟まれて居るこの場所は落石などで足場が悪い。

つまずいてしまう様な大きめの岩だってあるし溝が出来ている所もある。

しかし白髪の少女はこちらも後ろ向きで、さも道が見えている(・・・・・・・)かの様に走る。

倒せない。

いや、勝てない。

そう思って追撃する事を辞める弓使いだった。


「捺、後ろはどう?」

少し前から追撃の矢が飛んでこない事に気がついたが安全と思えるまでは走る事を辞めない二人。

生き物の気配に敏感な捺に夕貴が聞く。

見えてる(・・・・)んだから聞かなくても分かるんじゃないの?」

「捺の方がそっちの感覚は敏感なんだから仕方ないじゃない。 で、追撃や追っては居そうなの?」

「んーん。 今の所は来てないかな。 あ、前も居ないと思う。」

その言葉を聞いて走るのを辞めて歩きに切り替える。

それが悪運の終わりだった。

それはただの落石。

大きな岩が頭上から降ってくるだけに気付きようもない。

気がついた時は遅すぎた。

ズンっと鈍い音に何か嫌な音が聞こえた気がして二人の意識は途切れた。


ああ、またこの感覚だ。

ちょっと運が良すぎだなと思っていたんだ。

どうすれば良い?

……。

いや、簡単な事か。

弓使いは巻けた。

似た様な事をすれば良い。

問題は落石の方だろう。

あの大岩はあの場所に落ちてくるのか?

それとも歩き出すと落ちてくるのか?

ゲームで言う回避不能なイベントなのかスキップの出来る物なのか。

回数が足りない。

初見殺しも良い所だ。


そして考えを辞めて次に向かうとしようか。

これは一人(ふたり)の少女を導く物語り。

(さあ、私達(わたし)冒険(もういちど)の始まりだ!)

(さあ、私達の冒険の始まりだ!)

ここまで読んでいただきありがとうございます。

1話目なので色々とぼかしてますが、まあ読んだままの力です。

最後が呆気ない?

ははは、何を御冗談を。

人、何をしても呆気なく終わると言うじゃありませんか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ