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「えーと、君は僕のストレスで落とした雷が山に当たって起こった落石に巻き込まれて、死んじゃった♪」
「はあ、そうですか」
死んじゃった♪ とか軽く言ってくる、俺の目の前にいる金髪で耳にピアスをしている、いかにもチャラそうな人は神様らしい。
だが、死んだのはしょうがないことだとは思うが、こんな人(神様?)に言われても説得力が無い。
というか今、俺がいるのは淡い金色のした雲が漂う空間にいる(神界と言うらしい)。簡単にいうと南蛮貿易の絵のような感じだ。そしてさらに言うと、神とお茶をしている。
「あ、そうそう。君には申し訳ないんだけど、地球とは違う場所に転生してもらうよ」
「は? 何故ですか?」
意味が分からない。あれか? 異世界転生ってモノか?
「そうそう、君が思ってる通りだよ」
······心を読むなチャラ神。
「なんで俺がそんなことをしなければいけないんですか?」
「いやー、僕のせいで君を殺しちゃったから、その罪滅ぼしなんだよ」
「まあ、そういうことならいいですけど······」
そうか。チャラ神なりに反省してるんだな。
「で、悪いんだけど、君にはある力を授けた。そして、その力で今から転生してもらう世界で、七体の魔王を倒して欲しい」
「具体的にどんな力を授けてくれたんですか?」
チート的な何かだろうけど。あれかな、勇者になって聖剣授けるとか?
「えー、どうしようかなー?」
······ウザい。さっさと言えよチャラ神。
「ちょっ、そんなに睨まないでよ······。ちょっと興奮するじゃん」
······殴りたい。殴りたいけど一応神だから殴れない。
「さっさと言ってください」
「分かった分かった。睨まない睨まない。はあ、······君に授けた力は、邪神竜ウロボロス。生と死を操るモノ。輪廻転生の枠組みから外れはモノ。不死のドラゴン。無限のカオス・ドラゴン。君のボロボロだった身体に混ぜたんだ」
「······」
··········マジですか。
「? どうしたの?」
「いや、意外にヤバい力を貰ったなーって思いまして」
ヤバいどころじゃない。頭がおかしいレベルだ。
「まあ、そうだよねー。でも、君ぐらいの歳の男の子なら嬉しがる気がするんだけど?」
「俺はそういうことは疎いというか、関わりがなかったもんでして。名前は知ってても、内容までは知らないんですよ」
「そっかー。君の家は世界的に有名な周防財閥の跡取りだもんねー。知らなくってもしょうがないかもね」
財閥跡取りだから色々とやって、社長代理までやらされたしな。
「頑張ってみますよ。魔王を倒せばいいんですよね? それなりに楽しみながら倒していきますよ」
異世界に行くんだから、楽しまないといけない。魔法あるし。
「じゃっ、そろそろ行ってもらおうかな。こっちも仕事たんまりだからね。あーお姉さんたちと遊びたーい」
······本当にチャラかった。
「じゃあ、行ってきます」
俺は席を立って、チャラ神に言った。
「ああ、行ってらっしゃい。周防彩斗君」
チャラ神の声が背後から聞きながら、神界を出ていった。