表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたを好きでいた僕へ

作者: Soraきた

あなたを好きでいた僕へ


あなたと出会った頃

季節は春で、ゆったりと時間が流れていましたね

あなたは秋から冬へと移り変わる季節が好きで

僕はというと

冬から春へと移り変わる季節が好きでした

だから、秋の季節には

あなたの行きたいところを優先して

そして

春へと向かう季節の中では

僕の行きたいところをあなたは優先してくれましたね


あなたと出会って何ヶ月かして

偶然に

あなたの降りるバス停の3つ先が僕の降りるバス停であったことに

とても驚いたこともあったね

あなたと仲良くなって

同じバスで帰ったときに

僕はあなたと同じバス停で降りては

そのあと少しでも二人だけの会話ができることに

幸せを感じていました


今日、僕はこの街に久しぶりに訪れています

あのバス停も昔と変わらぬ同じ場所にあって

ほっとしました

残念だったのは、周りの景色がずいぶんと変わってしまったこと

僕は車で追い越しながら

ふと思うことがあって・・・


あのとき、もしあなたの家まで車で送りに行くことがあったのなら

もし、あなたの家の近くまで車で迎えにくることがあったのなら

もっとあなたとの会話もできて

僕は多少、大胆になって

あのとき言えなかったことも言えたんだろうなと

そして、

あなたの言えなかったことも言えたのかもしれないね

たしかなことは、今感じているこの風は、今の風であること

だから今となっては、ずいぶん過去のこと


僕が好きでいたあなたへ

あなたは今、何をしていますか

あなたの夢だった小さな庭で、太陽に届くような花の数々を

育てていますか

いつもと変わらぬ素敵な笑顔で周りの人たちを安心させていますか

少し勝気な性格はそのままですか

洗い物が苦手なところを、少しは直すことができましたか



あなたを好きでいた僕へ

あれから、あなたに似た女性をどこか求めていませんか

たとえ、あなたに似ている女性にめぐり逢えたとしても

それは残念ながらあなたに似た女性であって

あなたではないのです

昔、好きでいたあなたの存在をこれからも認めることが

必要でしょうか


あなたを好きでいた僕へ

心配しなくても

昔、好きでいたあなたは

きっと幸せに暮らしているはずです






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ