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竜記伝~その竜たちは晦夜(かいや)に吼えて~  作者: Win-CL
黒の竜と月の蜜

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35/63

 その少年は、夜の世界に思いを馳せる。


 物語で語られる月に

 暗い世界を照らす、眩しくも冷たい光に


 とても興味を持ったから。


 ――もう一度でいい。

 この世界に顔を出して、夜の世界を照らして欲しかったから。


 子供用の絵本に書いてあるような、そんな眉唾ものの話だけれど――

 それに縋って、世界中の荒野という荒野を渡り歩いた。


 そして、永い時間をかけて、厳しい暑さに耐えて。


 ――ようやく昔見た物語に出てきた、黒の竜に会うことができたのだった。


「……なんだ? 人間がわざわざ、この荒野へ何しに来た。

 食糧になりにでも来たのか?」


「……月を返して貰いにだ」


 それを聞くなり、空気が震えるほどの音量で。

 ゲラゲラ笑い出す黒の竜。


 口の端から炎が漏れ出す。


 鼻先を少年に近づけ息を吐き出すと――

 少年は目を開けるのも辛そうにしていた。


                         ~『黒の竜と月の蜜』~

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