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ある恋のうた  作者: せりざわなる
はなの章
1/11

はな①

そのお兄ちゃんとは、よく近所で目があった。



いつも、見かけるときは制服で。

まっしぐらに前を向いて歩いていたのだけど、なぜかよく目があった。


お母さんと一緒にいるときに会った事もあって

『高柳さん家の涼くんよ』

と教えてくれた。


たかやなぎ、というお家は。

とっても大きな病院を持っているお金もちで、お兄ちゃんのお父さんもおじいちゃんもお医者さんで、お兄ちゃんもとっても頭がいいからやっぱりお医者さんになるんだろうとお母さんは言っていた。


『近所といってもあまりお話したことないのよ。お医者さんだから、とっても忙しいの。はなが病気になったらお世話になるかもね』


ふうん。


その時はちょっと良い子になってそう言ったけど、本当は、お兄ちゃんの『お家の事情』とやらはよくわかんなかった。



それからも、お兄ちゃんをよく見かけた。

何度も何度も見かける内に、お兄ちゃんと会える場所と時間が何となくわかってきた。

気づいたら、私はほとんど毎日そこへ通ってる。

どうして、こんなにお兄ちゃんがきになるんだろう。

まっすぐ前を向いて、お家へ歩くお兄ちゃん。

お母さんは

『アイドルのオカダくんに似てカッコイイわね』

と言っていた。


でもね。

なんだか、お兄ちゃんは寂しそう。

とってもキレイなお顔だけと、なんだかその目はお人形さんみたいなの。

そんなお兄ちゃんが、私と目があった時、ほんの少し見開いて、優しい形になった気がしたのだけど、次に会った時は、お人形さんに戻っていて。

……とっても哀しかった。

だからかな。

あの優しい目のお兄ちゃんは、もっとカッコよくて、また見たいと思った。

だから何度も見に行ったんだと思う。

そんな私に、お兄ちゃんも気づかないわけない。

最初は驚いてるようだったけど、いつだって優しい目をしてくれた。

そうなると今度は私がなんだか恥ずかしくなって、お家に走って帰ってしまっていた。

でも、とっても、ほわほわした気持ちで。


そんな事を繰り返し。

初めてお兄ちゃんとお話したのは。

私が8歳で、お兄ちゃんが17歳の時だった。

正直いいまして。

黒歴史になりかけている作品ですが、せっかく私の頭から生まれたものなので、開きなおって出しちゃいます!


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