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第77話 自由の矛編3-09 「王都到着」

第77話を公開します。



20150721公開

   挿絵(By みてみん)


あらすじ

 巨人から奪った砦での生活が始まって23日目。

 取り残された現代人は、異世界での生き残りの為にラミス王国への外交団を派遣する。

 そして遂に外交団は王都に到着した。



10-09 『王都到着』 西暦2005年11月18日(金)夜



「シズさん、ちょっと前の方を見て下さい。今ならシズさんにも王都が見えますよ」


 佐藤静子三等陸佐は隣を歩く守春香の言葉で、暗い夜道の先に視線を移した。

 かなり先だったが、灯りと思われる光が水平線上で連なる様に等間隔で並んでいる。

 今はちょうど丘の頂点を歩いているから見えるのだろう。


「ちなみに光の間隔は100㍍くらいかな? 多分、城壁の上に居る兵隊用に焚かれているじゃないかな?」

「よく分かるわね?」

「視力だけはいいですから」


 いや、そういう問題では無いと思うよ、ハルちゃん・・・・・

 このにとって、夜間であるとか、距離とかは余り意味の無いものかも知れなかった。


「それで、距離は分かる?」

「あと、20.2㌔ってところかな?」

「あと5時間も歩くの・・・・・」

「ドンマイ!」


 いや、そこはガンバ! だろう・・・ という心の呟きは言葉にならなかった。

 彼女が同行者たちに状況を説明する為に離れて行くのをぼんやりと見た後で、視線を道に戻した。

 多少はでこぼこしているが、立派な石畳の道だった。

 旅行で訪れたローマ時代の有名なアッピア街道よりもむしろ歩き易い。平らに近い大き目の石を敷いた後で隙間をセメントの様な素材で埋めている。水捌けの為に中央から端に掛けて僅かに傾斜が付けられていた。

 こんな立派な道を造った理由は軍事的なものだというくらいは彼女でも分かった。

 王子自らが軍隊を率いる王国・・・

 巨大な砦を造る事の出来る技術力と国力・・・

 その場面に立ち会った訳では無いが、初めて我々の砦に訪れた時にアラフィス第5王子が言い放った言葉、『ならば戦争だ』(彼女の下に届く頃にはかなり歪んでいたが言っている内容は同じだった)から考えても、はっきりと言ってラミス王国は軍事国家だろう。

 そんな相手にこちらに有利な外交が出来るのだろうか?

 出発前にはイメージ出来なかったラミス王国そのものに触れる事によって、佐藤三佐は自分達が持っている現代の知識で渡り合えるのか? という疑問を抱いていた。

 だから、再び戻って来た春香に自然と言葉が出た。


「ハルちゃん、私たち大丈夫かしら? 上手く交渉出来るかしら?」


 右横を歩く春香がニヤリと笑った様に感じた。ニコリでは断じて無い。


「ま、大丈夫でしょう。第一、貴ニィが団長ですよ。意地の汚さでは我が一族筆頭の貴ニィが簡単にやり込められるのはちょっと想像出来ませんね。なんせ、私に『白ハル』をやらせたのも布石の1つですからね」

「ああ、あれね・・・ あれが布石になるの?」

「彼らの宗教観、人生観、価値観に深く関わる特殊な脳波に関して、相手の罠を破るのと同時に私が化け物だと無意識レベルで植え付けたんですよ。卑怯なのは私がそうするであろうと分かった上で、けしかけたって点ですが」

「そんな狙いが有ったのね・・・」

「安心してもらう為についでに言うと、これまでの所、ほぼ貴ニィの想定内に収まっている筈ですよ」

「あんたら兄妹が味方で良かったわ」

「シズさん、間違っていますよ。味方でなく、仲間です」

「あ、なんか、今、ちょっと感動したかもしんない」

「いや、感動されても困るんですけど・・・ ゲームやマンガ風に言い直しただけですから」

「返せ、私の感動!」

「ははははは」


 このと話していると心が軽くなる。

 もしかすれば、これもこのが持つカリスマ性って奴かも知れない。




 道から少し離れた所から始まる草原か畑か分からないが、とにかく広大な平野を抜けて現れた王都は巨大であった。

 城壁がずっと先まで左右に広がっている。

 一見コンクリート造りに見える50㍍四方の2階建ての建物の門は開いていた。

 深夜にも関わらず、人の気配が濃い。

 多分、私たちの到着を待っていたのだろう。


 手続きが終了し、王都内部に入る為に架けられている2つの橋を渡ったが、合わせると数百㍍の長さだった。

 とんでもない所に来たと緊張していると、隣から独り言が聞こえた。

 


「やっぱり攻城戦用に鉄球を造って貰おうかな・・・・・」


 



  


如何でしたでしょうか?


 おかしい・・・・・・

 予定では、宿泊シーンまで書ける筈だったのに・・・・・

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