第一次新世界大戦編 プロローグ
20140114公開 2/2
「敵が動き出しました! これまでに見た事が無い兵器を視認!」
特に視力の良い兵が声を上げた。
ネキフィス・ラキビィス・ラミシィス第3王子は、声を張り上げた兵士が目を向けている方向を確認した後に、新狭山市から贈られた双眼鏡をその兵の視線の先に向けた。
肉眼では分からなかった木造の物体の姿が目に飛び込んでくる。
視認した瞬間に嫌な予感が背中を走った。
「何だと思う?」
双眼鏡を副官に渡して、自分は今見た兵器の用途に思考を振り向ける。
高さ2グツ(約1㍍)、幅4グツ(約2㍍)の台座に取り付いて操作していた兵は5名程だった。
その挙動は『バリスタ』を扱っている兵に近かった。
もしかすれば、『バリスタ』と同じ様な原理の兵器なのかもしれない。
「兵の動きを見れば『バリスタ』とよく似ています。となれば厄介ですね」
副官から双眼鏡を返して貰い、再度、敵の兵器を見詰める。兵たちの作業が終わったのか、彼らは兵器の横に移動した。
突如台座から腕が生えた。
そして、何かが放たれる。
急いで双眼鏡を降ろして肉眼で飛来物を探す。丸い物体が放物線を描いて、こちらに向けて飛んで来ているのをかろうじて捉えた。
球体は展開している前衛部隊の1グマ(約50㍍)手前の仮設型『テツジョウモウ』の手前に落ちてしばらく転がっていたが、突如爆発した。
「報告に有った『テツハウ』か?」
「その様ですね。予想していたよりも威力は小さいですが、このまま撃たれ続けると『テツジョウモウ』を破られる可能性が出て来ます」
「しばらく様子を見たいところだが、次の段階に進もう」
こうして新狭山市でいう所の『第一次新世界大戦』が開幕した・・・・・・
1日に『新狭山市編 エピローグ』と『第一次新世界大戦編 プロローグ』を時間差で公開しています。御注意下さいませ m(_ _)m