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第97話 新狭山市編1-03 「サイナラ!」

第97話を公開します。


 第98話も同時投下します(^^)



20150928公開

       挿絵(By みてみん)



あらすじ

 巨人から奪った砦での生活が始まって5ヶ月が経とうとしていた。

 取り残された現代人は、異世界での生き残りの為の足場作りを進めていた。

 そして遂に、その中の最大のピース、移民団が到着した。



12-03 『サイナラ!』 西暦2006年3月15日(水)昼



 もしも発掘したラミシィスの骨を日本の警察に届けても、ごく普通に現代人の骨として認識してしまうだろう。

 現代日本人の特徴の一つである虫歯の治療痕(国民の9割以上が虫歯になっている)が無い、東洋人の骨格ではない大きな骨格、前頭葉の発達に伴ってホモ・サピエンスよりも若干出っ張ったおでこのラインと脳容量の増大など、いくつかの特徴は見られるものの、一個体特有の特徴として処理される程度の差異であろう。

 ただし、生きているラミシィスに出会うと、印象は一変する。

 握手をしようものなら、きっと気圧されてしまうだろう。

 なにせ、プレッシャーが凄いのだ。

 穏やかな表現で言うとオーラが出ているとか、カリスマ性が溢れているとなるが、状況によっては殺気が凄いとなる。

 勿論、個体差も有り、彼らのラミス王国では、周囲に与えるプレッシャーが多い程、思考力と理性が高いとされていた。



「プリ-チャン、アル、あそこで一旦全員を停めるわよ」


 『主神の加護を強く受けし一族ケリャカイス・ラミシィナ』のハルカ様が私と兄上に声を掛けた。

 その先には、ハルカ様の兄上、タカシ・モリ様を含んだ十数人の集団が待っていた。

 タカシ様を除き、全員が『主神の恩寵ケリャク』を持っていない。

 見た目だけなら奴隷階級の矮人と変らないが(1人だけ私たちに近い容貌の殿方が居るが、その方も『主神の恩寵ケリャク』は持っていない)、彼らの知識と技術は私たちを遥かに凌駕している事は短期間で学んだ。


 到着した私たちを歓迎する言葉を述べる『新現部族ユニヴァル』代表の言葉を真剣に聴く。

 ちゃんと、ハルカ様が私たちの言葉に言い直してくれるのだが、出来るだけ早く『新現部族ユニヴァル』の言葉を覚えたい、という思いからだった。

 彼の挨拶が終わって、私も何か返礼するという流れになった。

 これは、ハルカ様から教えられていた式の進行通りだったので、スムーズに挨拶を切り出す。

 発音は少々難しいが、何度も練習したせいで上手く言えたと思う。

 静まり返った広場に私の声が染み透る。


『モウカリマッカ? ウチハボチボチデンナ。ホナ、サイナラ!』


 目の前の『新現部族ユニヴァル』の十数人が呆気にとられた顔をした。

 もしかして、私はどこかを間違えたのだろうか?

 一番最初に反応したのは、タカシ様だった。顔をハルカ様に向けて、苦い顔をして何かを言った。

 ハルカ様は何か不思議な踊りを踊っていた。

 誰が最初に噴き出したのかは分からないが、1人が反応すると、それは連鎖的に周囲を巻き込み、気が付けば笑い声が巻き起こっていた。


「えーと、ハルカ様、これはどういう事なのでしょうか?」


 ハルカ様は子供の様な笑顔を浮かべていた。


「プリ-チャン、みんなはこれだけの数の『主神に導かれて認められし一族による信徒ラミシィスたち』に慣れていないの。歓迎する気持ちが強いけど、緊張も強いられるので、敢えて笑いを起こしたのよ。ちなみに挨拶に使った言葉は商家の言葉を誇張して使ったわ。ほら、挨拶の続き」


 そう言って、ハルカ様は『新現部族ユニヴァル』の言葉で何かを言い、何故か爆笑を誘った後で、再度言葉を発して周囲のざわめきを抑えてくれた。

 再び話し始めた私の言葉をハルカ様が『新現部族ユニヴァル』の言葉に言い換えてくれるが、時々私が話した量と合わない時が有った。きっと、解説も入れてくれているのだろう。

 途中で、みんなの私を見る目が挨拶前と違っている事に気付いた。

 

 挨拶前に感じていた、彼らの緊張感が霧散していた・・・・・・


如何でしたでしょうか?


 引き続き第98話も公開します(^^)

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