新狭山市編プロローグ
新章「新狭山市編」プロローグを公開します。
20150918公開
20151018一部修正
『小倉よりベース、斥候からアルファの規模の推測が報告された。前衛だけで500を超える規模だ。これより撤退に移る』
『ベースより小倉キャンプ、了承した。可能な限り痕跡を残すな』
『小倉よりベース、了解。ブービートラップは設置済みだ』
『ベースより小倉キャンプ、貴隊の幸運を祈る』
『小倉よりベース、現在、キャンプより4㌔ほど進んだ。現在のところ、巨人との接触はない』
『ベースより4031。了解した。そうそう、プリンセス3が支援の為に先ほど離陸した』
『小倉よりベース、この1時間で1番の朗報だ』
『ベースより4031、絶対に無事に合流しろ、いいな』
『小倉よりベース、もちろんだ。フラグを立てない為に言わんが、無事に帰りたい理由が有るからな』
『ベースより4031、頑張れよ』
想定外の侵攻は、「新狭山池」と呼ばれる湖沿岸の鉄鉱石の採掘現場を飲み込もうとしていた。
採掘現場から砦までは十数㎞しか離れていない。
主にグザリガの再侵攻に備えて設置されている各監視トーチカからの戦力抽出及び、総予備戦力として砦に駐留していた特殊作戦群2個小隊の内、関根2尉が率いる1個小隊とアメリカ海兵隊増強1個小隊が採掘現場と砦の間に阻止線を設けるべく移動中であった。小倉キャンプを撤退した第40普通科連隊第3中隊第1小銃小隊もまた、彼らと合流すべく移動中であった。
「プリンセス3よりベース、配置に着いた。これより嫌がらせを開始する」
『ベースよりプリンセス3、了解。決して無茶をするな』
「プリンセス3よりベース、当たり前よ。私の辞書に無茶という言葉は無いもの」
『ベースよりプリンセス3、その代り無敵って言葉が有るってか?』
「ははははははは、四条2曹、いいセンスしてますね。では、無敵の双剣士の実力を彼らに見せ付けてやりますか」
その日、ダグリガと呼ばれる巨人部族の前衛部隊は、たった1人の矮人の少女に振り回された。
両手に剣を持ったその少女は、見通しのきかない森の中で神出鬼没の機動を見せ、主に指揮官を狙って斬り込んで来た。
その少女が現れてから3時間の間に斬り殺された木隊指揮官は4名、鉄隊指揮官が1名だった。
指揮官以外では27名の槍兵と剣兵が斬られていた。
異常なほどの強さを誇る少女は、満足気な笑顔を見せ付けた後、森の奥に姿を消した。
ダグリガ軍は日が暮れた事も有り、夜襲を警戒して進軍を止めた。
彼らが少女に付けた呼び名は『森の黒き死』であった。
如何でしたでしょうか?
春香嬢はこれでも抑え気味に戦っています。
敵としては地形も把握していない森の中での戦いという事、生い茂る木が邪魔で弓兵の投入が難しかった事、指揮官を狙い撃ちされた事で指揮系統に混乱が発生した事など、予想外の事態に陥ってしまいました。
ちなみに巨人たちには死神と言う概念は有りません。
ですから、直接的に春香嬢を死そのものと結び付けています。
どんだけ恐れてしまったんだよ・・・・・・・
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