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第8話 2-4 「治安機構」

20141015公開

   挿絵(By みてみん)


4.『治安機構』 西暦2005年10月23日(日) 午前9時45分


 黒山警察署はこの段階で署員の非常呼集を加速していた。日曜日の朝という事もあり、事態の対応には当直の人員では限界があったが、自主的に出勤して来る署員も多く、十分に満足出来る初動段階であった。

 ただ、現場付近の交番(半田・茱萸木・池尻の各交番)勤務の警官とは連絡が取れず、新たに現場に急行させるべく北野田・狭山南両交番に現場に向かう指示は出したものの、到着は未だであった。

 110番は切れ目無しにかかって来るが、役に立つ情報は生中継を続けている民放ヘリコプターの中継のみという苦しい状況が続いていた。


 午前9時50分。大阪府庁の危機管理室からの要請により、八尾空港内にある陸上自衛隊中部方面航空隊へ方面隊総監部からの命令が下り、対戦車ヘリのようなデザインの観測ヘリコプターと映像中継用の汎用ヘリコプターが離陸した。少し遅れて、八尾空港に同居している大阪府警航空隊にも大阪府警本部より偵察命令が下った。

 その頃、大阪狭山市上空は2機のヘリコプターが飛行していた。大阪市消防局所属の消防ヘリコプター『なにわ』が防災訓練の為、到着したところであった。『なにわ』機上ではパイロットが八尾空港官制に実況していた。

 彼は1月にインドネシア・スマトラ島沖で起きた地震による津波被害の救助に派遣された程のベテランであったが、目の前でいきなり展開された惨劇に心の動揺を抑える事が出来そうになかった。調査員3人が血の海の中で死んでいた。見物客と偶然通りかかった住民の内、池に近い所に居た者は逃げようとしたが、後ろから押し寄せる野次馬で身動きが取れないようだった。

 彼の眼下では、最初に出てきた巨人達20人の内15人が悪い足場の中、円状に広がっていた。次々と穴から出て来る巨人達は合同調査団が設置した通路を使って岸に向かって走った後で、通路の端を中心とした半円陣を組んだ。その動きはプロのものだった。数分間だが、巨人側は後続を待つ為に半円陣を維持していた。辛うじて、群集がその時間を使って、さやか公園に後退した時に巨人達が動いた。

 すごい速度だった。自転車並みの速度をあっと言う間に出して、観察の為にさやか公園に残っていた消防署員・警察官・自衛隊員・市役所職員を次々に虐殺していった。さやか公園に残っていた野次馬の集団にもう一隊が突っ込んで行ったのはその直後だった。


 午前9時55分。大阪府警本部長並びに近畿管区警察局長を長とする二つの「大阪狭山市事件対策本部」がほぼ同時に設置されて、急ピッチで出動計画の調整が始まっていた。

 まずは阪神大震災の教訓から交通規制の実施を黒山警察署に命じる。更に周辺警察署(堺北・堺東・堺南・泉北・高石・和泉・羽曳野・富田林・河内長野・松原の10警察署)に所属している特別機動隊員(名前のイメージとは異なりパートタイムの機動隊の為、錬度は低い)の編成及び交通課職員の召集を行い、黒山警察署の支援を実施する命令を発する。

 千僧駐屯地の陸上自衛隊の第三師団と連絡を取るが、この事件はあくまで警察マターであり、警察サイドは解決に自信を持っている事、前線指揮所を設置する予定地、連絡担当官の交換等を話し合う。

 阪神大震災後に交流はあったが、大阪府公安委員会からの圧力もあり、その態度は仕方なく連絡をしたという雰囲気であった。


 同時刻。府庁舎に到着した大阪府知事を目ざとく見つけた張り番の記者たちの質問に一言だけ応えて、彼女は急ぎ足で府庁舎内に入った。後に何度もテレビで流れたコメントは

『府民の安全を最大限に考えてあらゆる対応をします』であった。


 知事が真っ先に向かった先は『大阪府危機管理室』だった。入室すると、大きな声で室内の人員に問い掛けた。


「みんな集まった?」


 公安委員会も含めて、未だ3分の1が来ていないとの答に憮然とした顔で毒づいた。


「爺さんたち、女の私に負けてどうするのよ」


 自宅でテレビを見ていて、驚きのあまりに何をすればいいのかさえ判断が付かなかった知事に、電話でアドバイスと根回しの承諾を求めてきた、危機管理室を取り仕切る元自衛官が近付いてきた。彼女は20分前に交わした電話でのやり取りを思い出した。


『いいですか、『大阪府国民保護計画』の「ゲリ・コマ攻撃」準拠として『府災害対策本部』の緊急招集及び「事態認定」、屋内への避難勧告を大至急発令する許可が要ります。許可を頂けますね?』


 電話の背後では怒号が飛び交い、電話が鳴りっ放しだった。呆然としながら許可を与えると、彼は鼓膜が破ける様な大声でその事を皆に伝達した。

 次に警察・自衛隊の治安出動要請、可能ならば防衛出動要請を総理に行う為に府庁まで至急来てもらう事、陸上自衛隊八尾駐屯地の観測ヘリと府警航空隊のヘリによる偵察要請、信太山駐屯地の陸自普通科連隊の出動準備の根回しへの承諾を叩き付ける様な口調で彼女に迫った。許可を貰うと、最後にうって変わった様な口調で言った。


『府民の被害を少しでも減らす為には、知事が断固とした姿勢を保つ必要が有ります。自分達もお手伝いしますので、毅然とした態度を崩さないで下さい』


 彼のおかげで、致命的な遅れも無く、初動は上手く立ち上がった。


「この後はどうするの?」

「例の国民保護法の実施マニュアルは未だ使いモンになりません。来年度作成予定でしたから。先月、堺の金岡公園でやった合同防災訓練を土台にしたい所ですが、想定が違い過ぎます。臨機応変で行きましょう。大阪府警は全機動隊とSATを準備中です。近畿管区警察局も傘下の機動隊を召集中です。警察はやる気満々ですよ。まずは首相官邸に自衛隊の出動命令を要請する為、府の公安委員会と協議して治安出動の合意を取って下さい。その間に私の方で、対処項目を作っておきます」

「判ったわ。出来る事を一つずつね」


 そこで、室内の者全員に聞こえる大声で叫んだ。


「みんな、判っているわね? 府民を助ける為、あらゆる手を使います。倒れてもいいけど、許可を貰ってからにして頂戴! 私もそうするから」


 大阪府の対応は満足出来るほど、素早く始まった。この時点までは。


 午前10時10分。会議室から出て来た府知事は明らかに怒りに満ちていた。結局、公安委員会は自衛隊の治安出動に賛成せず(5人の内4人が反対であった)、機動隊で十分鎮圧出来るという結論であった。


「いいわ、こうなったら機動隊に期待しましょう。次は? 何するの?」


 興奮状態でありながらも、思考を切り替えられる人間はまれである。ましてやそれが政治家なら、奇跡的な確率だな、と思いながら元自衛官は次善の策を伝える。十中八九、駄目だろうとは判っていたが、これをしておかないと寝覚めが悪くなるからだった。

 自衛隊出動に反対した公安委員会の一人は後に、特別に開かれた府議会の公聴会で証言している。


『いきなり自衛隊を出す前例を作れば、何でもかんでも自衛隊を出せという事になる。それは日常の治安を維持して行く上で、著しいマイナス効果を招く。ましてや銃火器を使用していない正体不明勢力に『武力の行使』は「警察比例の原則」を越えてオーバーキルになる。その為に、自衛隊を最初から出動させる事は不可能と判断した。結果論で言えば間違えた選択で有ったが、あの段階では致し方無かったと今でも信じている』


 この発言は、物議をかもしたが、結果及び感情論抜きで考えれば納得出来る意見でもあった。残念ながらマスコミによる感情的な報道が元で、その公安委員会の家族は迫害を受けたが、一切報道されなかった。

 首相官邸に電話で直接要請した自衛隊の治安出動要請も却下された。なんとか、国家公安委員会の招集と自衛隊の治安出動待機命令の準備を口約束させただけだった。


 その頃、新宿区市谷本村町にある市ヶ谷駐屯地内の防衛庁庁舎地下にある中央指揮所ではどよめきが起こっていた。八尾駐屯地から離陸したヘリコプターの映像はとんでもない事態を映し出していた。

 大阪狭山市の状況は『事件』を超えて『事変』にまで進みつつあった。少なく見積もっても200人以上が狭山池の穴から出て来ており、未だに途切れずに巨人が一定のテンポで増えていた。陸上自衛隊で言えば1個中隊に匹敵し、この調子なら連隊規模に膨れ上がるのにそう時間は掛からない。

 巨人達は20人ほどの小グループで、橋頭堡のさやか公園からさやか通りまで出た後、南・東・北に分かれて侵攻した。東に向かった先鋒は南海高野線に当たると北に折れて、大阪狭山駅まで北上し、そこで更に左に折れてもう一度狭山池に戻るコースを取った。

 北に向かった巨人達は東池尻三丁目で南海高野線に当たるとトンネルをくぐらず、もと来た道を引き返していた。

 さやか通りを南に向かった巨人達は森屋狭山線まで出ると北に向かったグループと同じ様に来た道を戻っていた。急速な占領地域の拡大は、逃げ遅れた見物客と市民を新たな拉致被害者に替えていった。


 午前10時25分。 総理と国家公安委員会の協議はもめた末に、自衛隊の治安出動待機命令は流れてしまった。理由は大阪府公安委員会と全く同一のものだった。


 同時刻。 近畿管区機動隊第二大隊(集結済み237名)が大阪狭山市に出動。少し遅れて近畿管区警察局機動警察通信隊と大阪府機動警察通信隊が出動。更に5分後、大阪府警第二機動隊(298名)及び大阪府警特殊部隊(俗称SAT。50名)が大阪狭山市に向けて出動した。


 午前10時40分。 近畿管区機動隊第三大隊(263名)、大阪府警第一機動隊(309名)が大阪狭山市に向けて出動。この段階で集中して投入出来る警察組織は近畿管区機動隊の第一大隊及び大阪府警第三機動隊を残すだけになった。両部隊は現在も集結中であり、近畿管区機動隊第一大隊は終結が完了次第に前進する予定(前進地点は策定中。戦略的予備とする予定)だった。

 ただし、大阪府警第三機動隊は関西国際空港の警備に必要な為、最後の予備戦力として残される予定であった。

 現在出動中の機動隊員は総勢1157名となり、思い切った戦力を投入していた。

 しかも昨今の国内・国際情勢からゲリ・コマ対策で新たに「銃器対応班」を新設するなど質的にも大幅に向上し、自衛隊に対し冷ややかな(軍事面と云う意味だが)関西における治安維持装置としての、確固たる地歩を築くという警察機構の隠れた目的を果たすには十分な戦力であった。

 それに対する巨人達は280人以上が展開し、さらに今も、ペースが落ちたとは言え(資材を運び上げている為)、まだ穴から出て来ていた。

 しかしこの段階では、池の底からこれだけの人員が出て来た事態の異常さに深い疑問を抱く者が居なかったのは不思議でもあった。


 午前11時05分。 狭山池から北西2kmの位置にあり、国道310号線沿いと云う交通の便の良さで、前進基地として選ばれた堺市立登美丘南小学校には、いかつい機動隊の輸送用大型バスや特殊車両が続々と到着していた。校内は第一陣の前進基地としての機能を早急に立ち上げる為に殺気立った雰囲気に満ちていた。

 その光景には校歌に歌われる、『愛と平和の 風をよぶ 登美丘南小学校』の面影は微塵も無い。機動隊員達の動作や怒号はむしろ、戦場に近いとしか思えないものであった。

 また、第二陣の各機動隊は富田林市立高辺台小学校に前進基地を設ける事になった。

 ほぼ同時刻に予備戦力の近畿管区機動隊の機動隊第一大隊(283名)及び大阪府警第三機動隊(306名)、合計589名の終結が完了した。すぐさま、近畿管区機動隊第一大隊は第二陣の東方方面隊と合流すべく、高辺台小学校に向けて出発した。本隊出発に間に合わなかった第二大隊の2個小隊(51名)も本隊と合流すべく、登美丘南小学校に出発した。最終的に戦略予備戦力は大阪府警第三機動隊だけとなった。

 前線に投入しつつある戦力を加えると、今回の作戦に動員された機動隊員の人数は1797名と、緊急に出動した事件では過去に無い戦力であった。警察庁は余りの戦力集中で近畿地域の治安が崩れかねない為、周辺府県の機動隊の召集、及び警視庁所属の機動隊の増援を決定していた。


 警察は本気であった。警察が前のめりの姿勢にならざるを得ない状況が発生していたからだ。犯人たちは拉致被害者を狭山池の穴から連れ去り始めていた。この時点で、警察は犯人の早期制圧方針を取らざるを得なくなった。

 北朝鮮による拉致事件発覚以降、急速に高まった拉致事件への嫌悪感が警察に向く事を恐れたのだ。

 ましてや、三桁に達する被害者が殺害される瞬間を生中継で見られてしまったのだ。警察庁長官の首だけで済む筈が無い。今以上の威信の低下を防ぐ為には、これ以上少しでも後手に回る事は警察に許されなかった(これだけの規模の作戦を行なうには計画の刷り合せの時間が徹底的に足りなかった。犯人たちの声明も要求も無く、狙いが全く分からない状況では、通常ならば持久戦に持ち込んで時間を稼ぐ事も対処方法の一つ)。


 早くても午後1時以降に予定されていた市民救出作戦の1時間前倒しが各機動隊に伝達された。



 この時点で巨人達の支配エリアは狭山池を中心に、北から時計回りで「狭山池博物館」「狭山東小学校」「さやか通り」「森屋狭山線」「亀の甲交差点」「国道310号線」「池之原中交差点」に囲まれた内側の800メートル四方に及んでいた。


 更に、巨人達は周辺の地理を探る行動に出ていた。支配エリアの外部に、5人1チームによる強行偵察行為が活発に行われ、支配エリア内及び周辺の住民は息を潜めている状態になっていた。

 ただし10時頃から始まったテレビ・ラジオによる被害軽減対策用放送(大阪府庁からの細かい要請を基にしていた)により、初期に被害に遭った住民以外の被害は最小限度に抑えられていた。


 その放送内容は以下の通りだった。


・テレビ放送は音声を入れない文字・イラストによる放送

・ラジオは可能な限り声を抑えた音声で放送する

・姿を隠してカーテンなどを使用して戸外から姿が見えない様にする

・物音を立てず、なるべく静かにする為の諸注意

・固定電話・携帯電話は回線がパンク状態だが、万が一の為に音量を最小にするか、マナーモードにする

・災害時用携帯電話伝言メールサービスの開設告知

・現在、警察が犯行グループと交渉準備中であるので軽率な行動は慎む事

・近畿地方の受信者に対して交通規制の案内及び、電話連絡の自粛要請

・大阪府・日本政府は全力を尽くすので、パニックにならない様に重ねての要請 

等であった。

 それと平行して、テレビ局は何とか取材する為に、FAX番号(不通だが)とホームページアドレスを画面に入れて、住民からの情報提供を呼び掛けていた。


 午前11時25分。 巨人達は偵察行動を止めていた。同時に占領エリアを、さやか公園を中心とした新興住宅地周辺のみに縮小していた。


 午前11時30分。 第二陣の機動隊が高辺台小学校に到着しだす。

 ただし、第二陣は司令部を残し、浦之庄交差点まで20分後に前進する命令が出る。

 また、ラジオ及びテレビ画面を通じて、避難準備が伝えられた。内容は現在犯行グループと交渉する準備中であるが、機動隊が救出活動を行う場合に備えて、すぐに退避出来るように全員準備だけはしておく様に云う内容であった。

 本当の計画は犯行グループの傍受を恐れて、緘口令が引かれていた。


 午前11時45分。 第三陣の近畿管区機動隊第一大隊と第二大隊の2個小隊が、それぞれの前進基地に到着していた。北方方面隊は時間を置かずに池の原交差点への前進を開始した。

 これで、前線に展開中の制圧任務の機動隊は、北方方面は近畿管区機動隊第二大隊(288名)、大阪府警第二機動隊(298名)、府警特殊部隊(50名)の計636名となり、東方方面の近畿管区第一大隊(283名)、同第三大隊(263名)及び大阪府警第一機動隊(309名)の計855名を加えると、1491名となった。

 各機動隊の装備は銃器対策班のサブマシンガンを筆頭に、短銃もしくは催涙ガス筒発射器(ガス銃)・防弾盾・防弾チョッキという重武装であった。


 鎮圧手順は機動隊得意技の防弾盾を前面に押し立てて封じ込めて行く事が基本となっていた。小規模な抵抗の場合は人数で圧倒し、大規模な抵抗に遭った場合には催涙ガスで敵対勢力を混乱させて防弾盾の壁で一気に突破し、鎮圧面を拡げていくと云うものであった。

 ただし、上空の大阪府警航空隊ヘリから、それまでに確認された弓を持った犯人達とは別に、新たに出て来た犯人全員が弓を持っている事が報告されていた。その為、犯人が弓矢を使用してきた時は銃器の使用も許可されていた。


 亀の甲・浦之庄・狭山中学校前・狭山池博物館北・狭山池北・池之原の各交差点は、かき集めた特別機動隊が固めていた。元々機動隊としての訓練も練度維持くらいしかしていない為、鎮圧後の犯人達の逃走を防ぐと云う任務であった。機動隊主力による作戦が始まった後は安全を確保した地域からの住民の救出に従事する予定であった。

 更に大きく囲むように各警察署から応援で来ている交通課員達が交通規制を掛けていた。

 民間のセスナ機を借り上げ、犯人に向けて投降を呼びかけるテープを流す工作も開始されていた。後日発生するかも知れない強行策に対するバッシングを回避する工作だった。


 午前11時50分。 北から310号線沿いに南下して来た近畿管区機動隊第二大隊、大阪府警第二機動隊、大阪府警特殊部隊は池の原交差点に到達した。

 ほぼ同時に東方から近畿管区第一大隊、同第三大隊と大阪府警第一機動隊が高辺台小学校を出発した。

 警察庁上層部の焦りは最後の時間調整と隊列を整える事を飛ばす事に現れた。この時点で突入命令が下った。


 北方方面隊は、前進してきたそのままの勢いで北東に曲がり、狭山池の北端から狭山池周遊路に入った。ここで近畿管区機動隊第ニ大隊の第三中隊と大阪府警特殊部隊が分かれて、狭山池西岸に向かった。万が一、犯人達が狭山池を横断しての逃走を図った時の抑えと、狙撃準備の為であった。それ以外の部隊は周遊路を東南東に向けて走った。

 東方方面隊は東西に走る森屋狭山線を浦之庄交差点に向けて、駆け足で駆け抜けていく。

 最初に犯人の姿を視認した部隊は北方方面隊から分かれた近畿管区機動隊第一大隊第三中隊と大阪府警特殊部隊だった。



 そして、彼らは最後まで戦力を維持出来た数少ない部隊となった。



お読み頂き、誠に有難う御座います m(_ _)m

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