暗い宇宙の片隅で
暗い宇宙の片隅で、ひとり食べる食事は、さみしくて味気ない。いくら好きなものを並べても、かつては高級ともてはやされていたものをそろえてみても、やっぱり、ひとりでは…
―いくら高級と言っても、こうなってしまうと… 意味なんてないな
ひとりの食事はむなしい。誰かと話しながら食事をしたい。簡単なことだった。そんなこと、以前は当たり前にやっていた。それこそ毎日のように。しかし、仲間と一緒に、なんて、いまでは無理なこと。到底、望むことはできない。かつて暮らしていた星は、いまとなっては住めるようなところではなくなってしまった。脱出した人たちもいるのは知っている。けれど、どこでどうしているのか、それを知る方法はまったくない。
はああああ
小型宇宙船の狭い船内に、ため息が充満する。人前では躊躇われていたそのことも、いくら大きくついたところで咎める者の影はない。
―ちょっと、ため息なんてやめてよね
―すまない、気をつけるよ
―ほんとにもう、まったく
そんなやり取りすら望めない現実に、またしてもため息が。
宇宙に出て、何日が経ったのか。それを数えることに意味はない。
あと何日、こうやっていればいいんだろうか。それを思うことにも、やはり意味はない。
そう考えていた。昨日までは―
その日、はじめてのことが起こった。
…そうで …った …れたものは …もどら …なの …しまえば …っている
どこかからの通信をキャッチした。途切れ途切れの言葉。何を言いたいのかはわからない。どこから発信されているのかもわからない。わからなくてもいい。けれど確実に誰かはいる。それは確かだ。
おおおおおおおお
その日、僕はわけもなく叫び続けた。ただ、ひたすら、声が枯れるまで―
暗い宇宙の片隅で、ひとり食べる食事は、さみしくて味気ない。いくら好きなものを並べても、かつては高級ともてはやされていたものをそろえてみても、やっぱり、ひとりでは…
でも、いまもひとりではあるけれど、ひとりじゃないんだと実感できたから。どこかに誰かはいるのだから。そう思えたら、ひとりの食事も、あんがい悪くなかった。
ふふ




