表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

暗い宇宙の片隅で

掲載日:2026/04/19

暗い宇宙の片隅で、ひとり食べる食事は、さみしくて味気ない。いくら好きなものを並べても、かつては高級ともてはやされていたものをそろえてみても、やっぱり、ひとりでは…


―いくら高級と言っても、こうなってしまうと… 意味なんてないな


ひとりの食事はむなしい。誰かと話しながら食事をしたい。簡単なことだった。そんなこと、以前は当たり前にやっていた。それこそ毎日のように。しかし、仲間と一緒に、なんて、いまでは無理なこと。到底、望むことはできない。かつて暮らしていた星は、いまとなっては住めるようなところではなくなってしまった。脱出した人たちもいるのは知っている。けれど、どこでどうしているのか、それを知る方法はまったくない。


はああああ


小型宇宙船の狭い船内に、ため息が充満する。人前では躊躇われていたそのことも、いくら大きくついたところで咎める者の影はない。


―ちょっと、ため息なんてやめてよね


―すまない、気をつけるよ


―ほんとにもう、まったく


そんなやり取りすら望めない現実に、またしてもため息が。


宇宙に出て、何日が経ったのか。それを数えることに意味はない。

あと何日、こうやっていればいいんだろうか。それを思うことにも、やはり意味はない。


そう考えていた。昨日までは―


その日、はじめてのことが起こった。


…そうで  …った  …れたものは  …もどら …なの …しまえば …っている


どこかからの通信をキャッチした。途切れ途切れの言葉。何を言いたいのかはわからない。どこから発信されているのかもわからない。わからなくてもいい。けれど確実に誰かはいる。それは確かだ。


おおおおおおおお


その日、僕はわけもなく叫び続けた。ただ、ひたすら、声が枯れるまで―


暗い宇宙の片隅で、ひとり食べる食事は、さみしくて味気ない。いくら好きなものを並べても、かつては高級ともてはやされていたものをそろえてみても、やっぱり、ひとりでは…


でも、いまもひとりではあるけれど、ひとりじゃないんだと実感できたから。どこかに誰かはいるのだから。そう思えたら、ひとりの食事も、あんがい悪くなかった。


ふふ







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ