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第四話 雪の下の真実

お待たせいたしました。第四話です。


第三話の父と子の対話。あの静かな決意の先に、

安東家が隠し続けてきた「雪の下の真実」の正体がわかります。


そしてこの回から物語の歯車は全く予想もしなかった方向へ回り始めます。

安東の家督を継ぐのは、一体誰なのか。

そもそも『謎の男の正体とは?』

その目でお確かめください。

 大広間には、重苦しい空気が漂っていた。  家臣たちはざわめきながらも、上座に立つ若き当主の姿を見つめている。


「あれは……若様だな」 「では、いよいよ代替わりか」


 低い声が重なる。


 そのとき。


「――静粛に」


 玲夢の一声が、場を断ち切った。  ざわめきは一瞬で消え失せる。


 前に立つ“若様”――それは、ゆっくりと顔を上げた。


「皆に、伝えることがある」


 静かな声だった。


「私は、安東の者ではない」


 空気が凍りつく。


「どこの誰とも知れぬ農の子だ。戦火で家族を失い、行き場をなくした私を拾い上げたのが――そこにいる玲夢殿だ」


 視線が一斉に玲夢へと向けられる。


「安東家には、秘密があった」


 玲夢が一歩前に出る。


「この家は、ある事情により“影”を必要としました。それが、彼です」


 家臣たちの間に動揺が走る。


「では……本物の若様は?」


 その問いが落ちた瞬間、障子が静かに開いた。


 現れたのは、一人の女性。


 凛とした立ち姿。しかしその瞳には、明らかな戸惑いがあった。


「まさか……」 「おなご……?だと」


 驚愕が広間を満たす。


「わ、私は……」


 彼女は一歩踏み出すが、言葉が続かない。


「私は当主など、務まりません。影に任せればよいのです」


 はっきりとした拒絶だった。


 そのとき、奥から低い声が響く。


「――何を申すか」


 家臣たちが振り向く。  支えられながらも姿を現した大殿が、広間を見渡していた。


「やはり、こ奴では駄目か。わしが、まだ立たねばならぬか」


 そう言い切った直後――


 大殿の身体が大きく揺らいだ。


「殿ッ!」


 ざわめきと共に、膝が崩れ落ちる。


 家臣たちは動揺し、広間は混乱に包まれた。


 玲夢は即座に声を張る。


「お静まりを! 殿の御前である!」


 場が再び静まる。


 倒れ伏す大殿は、かすれた声で言った。


「……家を、頼む」


 その視線は、娘へ向けられていた。


「逃げるな。安東の名を継げ」


 女性は唇を噛む。


「……ずるい」


 小さな呟きだった。


 そしてか細い声でこう宣言した


「わかったわ父上。

 私はこの家を継ぐわ」


 すると倒れていたはずの

 大殿が勢いよく立ち上がった


「今の言葉聞いたな」


「え?」

 

 玲夢と影武者が一歩前に出た


「大殿と一芝居打ったのだ」


「そ、そんな・・・」


 だが、すでに流れは決していた。


 家臣たちもまた、ゆっくりと膝をつく。


「新しき当主に、忠誠を」


 雪はなお降り続けている。


 だがその下で、確かに何かが動いた。


 こうして安東家は、新たな当主を迎えたのである。


 玲夢は、新たな当主を見つめる。


 その目には、わずかな安堵と――


 まだ消えていない不安があった。

第四話、お読みいただきありがとうございました!

……おい、親父(大殿)!!お前容態悪いんじゃなかったのかよ!!(笑)

しんみりした第三話を返してほしいレベルのタヌキ親父っぷりですが、

これが安東の血筋なのかもしれません。


そして明かされた新当主の正体。

覚悟を決めた(嵌められた)彼女が、これからどう家を導いていくのか。


次回、第五話。タイトルですが

「はたらきたくな~~い」です

不穏ですね……


まああの先代(大殿)ある所に

新当主アリが体現できる内容になります

来週の火曜日までお待ちください


1~4話

動画版⇒https://youtu.be/D4rB8pWMG0Q


「……あんなにかっこよく登場した新当主が、次回であんなに豹変するなんて。

書いている私も、彼女のやる気のなさに少し引いています(笑)」

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