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ちょびっと場面集~なんかネタ帳みたいなもの~  作者: ひととせ そら


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2/2

■悲恋01■

私は血で赤く染まった彼の体をぎゅっと胸元に抱き寄せた。


「なぁ…俺…間違ってなかったよな…? お前のこと…守れたよな…?」

彼の手が震えながらそっと私の頬を撫でる。


「うんっ…うん…っ!」

力なく発せられた彼の声に、私はボロボロ泣き崩れながらコクコクと頷いた。


「…ははっ…そっ…か…。…よかっ…た…大事な…お前のこと…守れて…」

苦しそうに息を吐きながら、彼がふっと微笑んだ。


「レイっ…レイ…」

彼がどこか遠くへ行ってしまいそうに感じ、

私は頬に置かれた彼の手に自分の手を重ね、愛おしそうに頬を擦り寄せた。


「俺…幸せだったよ…お前と…一緒にいられて…。過ごせて…」

口から血が伝う。それでも彼は微笑んで私を見つめた。


「…あり、がとう…俺の…大好きな…」

段々と彼の目が光を失い、ゆっくりと閉じられていく…


「……もっ…と……ずっ……と……いたかっ………た…」


パタリと、彼の手が地面に落ちた…


「レイっ…レイっ…!!! いや…お願い…目を開けて…っ」

彼をぎゅっと強くかき抱く。

だが、もう二度と彼は優しく抱き返してはくれなかった…。


「レイ…レイ…レイぃぃ……」

彼を強く抱いて、ただただ彼の名前を繰り返した。

応えて欲しくて…

また目を開けて欲しくて…


でも…彼は静かに目を閉じたまま動いてはくれなかった…。


「あぁ…あぁぁ…あぁぁああああああ!!!!!」


ただただ…張り裂けそうなほどに声を上げて泣くしかなかった…


もう二度と帰ってこない彼を想って…


………


……



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