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第四話 斉藤の失踪
イベントから数日が経った。
俺の頭に残っているのは、あの日の拍手やフラッシュじゃない。人混みの奥から冷たい目でこちらを見ていた、あの男の存在だ。
間違いなく、親父に繋がる人間だ
◇
その直後から、斉藤さんが姿を消した。
電話も繋がらず、メッセージを送っても反応がない。会社にも来ていないらしく、同僚は「体調不良で休んでるらしい」と答えるだけ。
だが俺には分かる...そんな言葉はただの建前だ。
◇
夜、斉藤さんのマンションを訪ねた
ポストには新聞や広告が溜まり、部屋は真っ暗。管理人に尋ねても「ここ数日見ていない」という返答しか返ってこない。
一つだけ気になる話を耳にした。
「黒いコートの男たちが夜中に出入りしていたと...」
心臓が冷たく跳ねた。あの日の男だ。
◇
斉藤さんは失踪じゃない。連れ去られたんだ。
理由は分からないが、胸の奥でザワつく...予感が膨らんでいく。
親父が関わっている。あの男たちは確実にその関係者だ。
◇
「……斉藤さん」
声は夜の街に溶けて消えた。
だが心はもう決まっていた。
このまま黙っているわけにはいかない。
俺が裏の世界に足を踏み込み、斉藤さんを取り戻すしかない。




