天才と天災の出会い
俺は昔から「犯罪者思考」だと言われてきた。
どうすればズルできるか、どうすれば騙せるか。
そんなことばかり考えて生きてきた。
でも――ある男と出会ってから、俺の人生は少しずつ変わり始める。
悪知恵しかなかった俺の頭が、人を通すことで“価値”になるなんて、誰が想像しただろう。
……これは、そんな俺が「裏の発想」で新しい未来を作ろうとする物語だ。
俺は昔から「犯罪者思考」だって言われてきた。
学校のテストのときも、どうやってカンニングすれば先生にバレないかを考える。
バイトのときも、どうやって店長の目を盗んでサボれるかを考える。
友達と遊ぶときも、どうすれば一番楽して得できるかを考える。
……気づけば、そんなことばかり考えていた。
普通のやつらが「正しい努力」をしている間、俺は「ズルい近道」ばかり探してたわけだ。
だから大人たちにはよく言われた。
――お前は碌な人間にならない。
――頭の使い方を間違っている。
うるせぇ。そんなこと、わかってる。
でも俺には、それしかなかったんだ。
◇
その日も、いつもの路地裏で時間を潰していた。
暗い夜道。ネオンランプが切れかけた看板。
俺みたいな人間に似合う場所だ。
「――お前、その頭の回転……勿体ないなぁ」
唐突に声をかけられた。
振り返ると、一人の男が立っていた。
無骨なスーツ姿。年齢は30代半ばくらいだろうか。
見た目は普通なのに、目だけが異様に鋭い。
「誰だよ、あんた」
「通りすがりだ」
なんだそれ。意味わかんねぇ。
「で、何が勿体ないって?」
「お前の考え方だよ」
「は?俺の考え方なんて、犯罪者思考って言われるようなもんだぜ?」
「だからこそ、だ」
男は口の端を少しだけ上げた。
「俺を通せば、それは“価値”になる」
◇
それからだ。
そいつ――斎藤って名乗った男と、俺の妙な付き合いが始まったのは...
俺が裏を読む発想を出す。
斎藤がそれを正しい形に変える。
「泥棒が狙いやすい家の条件? そうだな、オートロックのマンションか死角が多くて、隣人が干渉してこない家だ」
「なるほど…それなら監視カメラの配置を工夫すれば防げるな。新しい防犯システムの設計に使える」
「こうすりゃ人は簡単に騙されるんだよ。たとえば……」
「じゃあ逆に、その騙し方を防げば詐欺対策になるな」
俺が考えた悪知恵は、斎藤を通すと社会の役に立つ知恵”に変わっていく。
不思議なもんだ。
今まで「無駄で危ない」って思われてた俺の発想が、初めて認められた気がした。
……だが。
そんな俺たちの前に、とある事件が起きる。
それはまだ、この時の俺が想像もしていなかった――。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
犯罪者思考の主人公が、ただの悪党じゃなく「人を通すことで価値を生み出す」――そんな流れを描きたいと思っています。
第2話では、さっそく主人公の悪知恵が意外な形で役立ちます。
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それでは、次回もよろしくお願いします。




