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第一章13.5 幕間『ジンの孤児院での1日』
夜が明けた。いつもは六時くらいに起きる。朝日が、ちょうどいい目覚ましになってくれる。
「今日は料理当番か」
ベッドを片付け、朝ごはんの支度を始める。俺が料理を作ると、孤児院の連中は不思議とよく起きてくる。よほど腹が減っているのだろう。
「久しぶりのジンの飯だ〜!」
「今日の朝ごはんは、パンとサラダ、それにフルーツの盛り合わせだ。たくさん食べるんだぞ」
みんながおいしそうに食べてくれるのは、俺の至福の時間だ。誰かが笑いながらおかわりをねだるたびに、心が温かくなる。
「おかわりもあるからな」
「おかわりしてくる〜」
子供たちは何度もおかわりをして、数分もしないうちに皿は空になった。
食器を片付けたら、ボランティアの魔術師が来るまで魔術関連の本をめくる。今日は何を教わるんだろう。
ほどなく門がきしみ、見慣れた背格好の魔術師が顔を出した。いつもの日常が始まる――そんな感覚が、俺の胸を穏やかに満たしていた。




