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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

最強二人で魔王退治

作者: 昆布

「なあ、フユそろそろ飯にしねえか、情報収集は一旦辞めにしてよ」と飯を食べるよう促してくるのは一緒に旅をしているナツだ。


俺は今から行くべき洞窟に設置された祠と内部の構造を使い魔を使って調べていた。


「ああ、待たせたな。そろそろ終わるからちょっとまっててな」


「お前それ何回目だよ〜嘘つきめが」


「残念だったな、今回は本当だ。さ、飯の準備でもするか」


「やっとかよ、火起こしてくれ、ちゃちゃっと作るぞ」


ナツが折ってきた木の枝から水を抜き取り乾燥させ、火を付ける。


空間魔法で収納していた調理器具と食材や調味料等を出し、料理をする。


二人で分担しすぐに作り終える。


食べ終えたらすぐに片付けをして、洞窟へと入る。


道中仮にも祠がある場所と言うことでガードたちがでてきたが、ミラーボールの射出する光の針で敵をハリネズミにしながら先へと進んだ。


「通路が明るくなって便利だなあの針」


「ああ、暗いと面倒くさいからな、敵を倒すついでにな」


順調に進み祠の前まで付いた。


「この先でかいやついるから、気合い入れてけ」


「ういー!気合い入れますか」


中心にある偶像である本体とその周囲に浮かぶ8体の赤く光る目と、巡回するように一定範囲を歩く鎧がいる。


「全員死ね〜!」と言いながらメイスを持ち敵の軍勢に突っ込んでいく、黒刃を飛ばして牽制をしながら冬のサポートをする。


弾丸のようにエネルギー弾を飛ばしている目を撃ち落として、本体に対して紅蓮のドリルビットで本体までの直線にいる敵を貫通させる。


熱と螺旋構造によって削り取られた鎧の穴に、鉄の針にくくりつけた金剛の糸を風魔法で操作し通す。


すべての穴に糸を通した針を重力魔法で壁へと勢いよく差し込み、その穴をすぐに土魔法で埋め杭のようにする。


金剛に氷結魔法を伝わせる。最も魔力の伝導性が高い金剛によって瞬時に鎧達は凍結される。


全体の三分の一くらいの鎧を氷の壁で囲み無力化した。


そんなことをやっている間にフユは大量の鉄塊を作り上げていた。


「もっとド派手にやっちまえよ」


「できなくはないが、洞窟内だとな」


「残りの鎧共は俺がやっとくからさっさとあいつ潰しちゃいな」


「へいよー『朽ちよ果てよ我らが神の贄となれ、その魂を捧げろ』バルの爪」


異界より神の爪が現れ偶像に住まう魂を貫き帰っていく。


主のいなくなった鎧たちはバラバラと崩れていく。


「ようやく仕留めたな、呪術師カンパー魂を分けて戦うから総てを潰すまでかなりの時間をかかってしまったよ」


「祠ぶっ壊してきたよ、これで祠はすべて壊しきったわけだし、魔王退治と行こうか」


「ああ、ナツ早速行こうか」


魔王の居城はかつてバル神を主神とするナビラム教を国教としたアブラーム国の国王が住まう城だった。


そのためもちろんのことバル神の石像ある。まあ無論壊れているが、それでも契約者二人をその場へ出現させるぐらいは可能だ。結界がそれを邪魔していたがそれはもはやない。


陣を地面に描き主に知らせる。


魔法陣が赤く輝き俺達を包み込む。


光が晴れた時そこには壊れたバルの石像と無数の敵がいた。


「おっとぉ、これはまずいやつかな」


「いや、俺が全て壊してやろう」


「『滅ぼせ』バチラ」


雷のネズミの軍勢が敵へと突っ込み轢き殺していく。


「見晴らしを良くしないとな、『破壊し尽くせ』バル・バール」


俺にしては珍しい魔法陣を使った攻撃、神の怒りが籠もった火の玉を放つ。城の壁に当たるまで直進を続け、爆破を起こす。


「『守り給え』ブラハム」


かつて俺が契約した魔界の8番目の悪魔絶対的防御力を持つパワーを司る悪魔、ブラハムから譲り受けた悪魔の魔法自身の命を代償にし絶対的防御力を持つ魔法の盾を発現させる。


壁に当たると同時に城を灰にする勢いの爆裂が起る。


「ふー、魔王も死んでくれたかな?」


「いんや、まだ生きてるようだよ、フユは待ってな殺してくる」


素早く飛び上がり、先程の爆破で満身創痍となっている魔王を殴りにかかる。唐突な攻撃にもバリアを張り構えるが、片手に長剣もう片方に短剣を持ち、短剣でバリアを割り、もう片方の剣で首を断ち切った。


魔王の遺体とともに地面へと落ちる「美味しいところもらっちゃったね」


「いや、いいよこっちも満身創痍だし、さて少し休憩したら帰るとしよう」


休憩と魔力を十分に回復さ、帰ろうといところで声がかかる。


「帰らせはしないよ」とどこからともなく声がする。

声の方を見ると仮面を被り、一般市民がつけるような普通の服装で空中に浮いている。


「誰だあんた」


「誰でしょうね、まあ少なくとも君等の敵ではあるよ、じゃあバイバイ」


彼はどこからともなく武器を取り出し、空中で振るう。


空中には切れ目ができそこから黒い触手のようなものが現れた。


「さ、本番と行こうか」そう言うと彼は空中を蹴るようにし俺のほうへと加速する。


パッと見るがナツの方には触手が迫り助けてもらえる状況ではない。


なんとか間一髪防御魔法を放ったが、弾くのが精一杯ですぐに壊れてしまった。


やつは俺との攻防の中で空間を切り触手の数を増やしていく。俺も触手をすべて行動停止させるための準備を進めていく。


「準備完了、『アマルケイル』」


瞬く間に空気中のマナを伝い触手たちを凍結させていく、その源でもある空間の切れ目も塞ぐ。


「ちょっと本気だそうか『閉じろ、集まれ』」


凍った空間はパキパキと音を立て氷を崩し閉じていく、凍った触手は急速に解凍し剣に吸い付くように集まっていく。


集まった触手は剣に纏わりつき剣を型取り独立したもう一つの剣へとなる。


その剣は触手としての柔らかさがなくなったが、独立して動き変幻自在なため戦況としてはあまり変わっていない。


ただやつが戦場を離れてどっかへいった。何をしに行ったのかわからないのが不安だが数が減ったことは喜ばしいことだ。


ナツに剣の相手は任せ触手を焼き尽くすため準備を始める。


「アムバール」


火が付いた触手は暴れ出し先程までとは違い激しく動いたがすぐに燃え尽きてしまった。ただここでやつが戻ってきてしまった。


こんなことをいつまで続けていても埒が明かないと判断したのだろうナツが「このままではジリ貧だな…………来いフユ真なる力でなければやつには勝てなさそうだ」と提案してきた。


それは俺も思っていたことだったため承諾した。


「だな、サポートは任せろ」


短剣を取り出し、自分の首に刃を置きスライドさせる。


器が死んだ私は本来の魂の器であるナツの体に入る。


「さあて、行こうか」


ほとんどの主導権は主人格のナツが持っているが、思考さえできれば大抵の魔法は使える。


自分の魔力からバールの剣を生み出す。


火の魔力を固め作り出した剣、鉄をも溶かす熱量を持つ、もちろん自分の魔力なので自分に影響は出ない。


足場を作ったり壁を作ったり、空間魔法に収納していた武器や魔法で攻撃をするナツのサポートをする。


ただ致命的一撃は入れられず切った空間からいくらでもでてくる触手に手数で圧倒されてきた。


「そろそろ負けを認めたらどうだい?」


「誰が負けを認めるかバーカ、まあ、実際きついし切り札切らせてもらうわ『バルの両手』」


異界より現れた両手がすべてを巻き込んで敵を握りつぶす。


「終わりだね〜じゃあ、ばいばーい」振り向き城から離れようとする俺達に声がかかる。


「まだ……終わりじゃないよ」


後ろを振り返ると、空を無数の触手が覆い、バラバラに切り刻まれた神の敵が地に落ちていた。


「は?」


「神を殺せない程度だったら、ここには来てないんだよね、確実に君等を殺せるからここにいるんだよ」


「君等はね、たしかに強い、私のような幹部なら勝てるだろうが、まあ、強力なコマは先に排除しておくに限る」


「舐め腐ってんねえ、キレた、完ッ全にキレた!!確実に殺す」


地面を蹴り相手の元まで一直線で飛んでいく、迫りくる触手はバールですべて消し炭にして、敵の眼前で刃を振るう。「アブナーイ」とか言って剣を避ける。


次々と剣を振るうがやつは華麗に避けていく、後ろから迫ってきていた火球も見事にかわす、まるで後ろにも目がついているようだ。


追っていると急に激痛が走る。何故か空間の切れ目から触手が現れていた。あいつの手と剣の動きはしっかりと見ていたはずなぜ。


「愚直にこっちまで来てくれてよかったよ、煽り耐性ないね君等、単純にもともとここの空間を切っていたってだけだよ」


「クッソ!!!」腹に刺さった触手を断ち切り、一矢報いようと剣を投げる。それは形を変え鳥となり、羽でそいつを包み込むように動く、だがそれもこれもすべて分かっていたかのように避けてしまった。


彼はそれを避けたあと触手に押される形でこちらに急接近をした。


そして彼の持つ剣は俺達に振るわれた、それは俺達の首を切り離し、落ちる首から見えた光景は、その剣先によって切られた空間から触手が飛び出し俺等の体を穴だらけにする。そんな光景だった。

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