1話
ごちゃごちゃになりそうなので試して連載形式?にしました?
「闇の聖女ルナよ。本日より、聖女としての任を解くことが議会で可決された!!」
突然早朝から王の遣いが神殿に訪れ王命で城に来るようにと言われた。闇の聖女『ルナ』は必死に眠気を抑えながらも言われるがまま、ふらつく足取りの中迎えの馬車に乗った。
何故呼ばれたのは遣いに聞いても「自分は聖女様を連れてくるように言われただけでそれ以上の事は何も聞いていない」の返答だった。
王城に到着し、そこからは謁見の間に通された。そこには即位したばかりの若き王、教皇、その他の複数の議員貴族がいた。
「(うっ…眠い…でも突然解任って…解任されるのは聖女が不貞を働いたときや非人道的な行為を行った時のはず…)なぜ…ですか?理由を…お聞かせください…」
闇の聖女であるルナは5属性の聖女とは異なり、夜を守る聖女である為昼夜逆転の生活する聖女である。
眠気を必死に抑えながら突然の解任に理由聞く。
「現在炎の聖女『フレイ』と光の聖女『ライト』と共同開発している加護付きの灯りが開発に成功し、夜からの負のオーラや虚無への浄化の結果が良好であることの確認がとれた。この力は闇の聖女よりも遥かに優れていると…よって、議員、教皇とで話し合った結果…闇の聖女は不要となった。今後は5属性の聖女のみで活動することになる。」
「(教皇様も認めてる…?)…!待ってください…!私自身の不要はかまいませんが闇の聖女を無くすと…!」
「黙りなさい!全ては王の決定事項です!貴女のような金食い虫な聖女など不要です!とっととこの国を出るのです!」
反論しようとするも、見苦しいぞという顔で教皇は彼女を見下した。
そのまま彼女は複数の衛兵に連れて行かれ、王都を追放された。
王都に入る門に追い出されたルナはひとまず休めるように、眠気に耐えながらも離れた村で宿を借り、邪魔されないように結界を張り仮眠をとった。
夜頃に目が覚めたルナは宿を出た。既に馬車は動いていない為、村から離れたところで闇の魔法を唱え、黒い翼を生やし目指す方向へと向かった。目指すは彼女の実家であった。
(フレイとライトが『加護付きの灯り』…成功してたんだ。試験段階で色々問題あったとか言ってたけど…。)
加護付きの灯りとは又聞きな情報であるが、夜は魔物たちが活発に動き、人々は内なる負の感情が増し、精神的に不安定に陥りやすい時間。闇の聖女が闇の力を使い浄化や防護するが、そこを強い灯りになる炎の加護と安らぎと浄化をもたらす光の加護を魔石に付与し、街灯や照明として使うことで夜からの恐怖を緩和するというものだとのこと。
付与した魔石は1個だけでは力こそ弱いが数を多く作ることで夜を安心して過ごせるようにするという案らしく、また聖女の力も魔石に指先で触れるだけで付与できるので大した労力でもないとのこと。
闇の聖女以外の属性、炎、土、水、風、光は夜になると力が弱体化してしまうという規則があり、そこを闇の聖女が補うというサイクルになっている。
(まぁ…成功したんならよかった…。突然の追放だったけど王都での生活は地獄でしかなかったし…。)
王都の生活は正直に言うとルナには苦痛でしかなかった。昼夜逆転してることをわかっているのに王族、教会が参加する午前から午後までの行事には毎回無理矢理参加させられ、彼女が活動する夜の勤めでは、引き継ぎも無い状態で全て押し付けられる始末。常に眠気と闘いながら対応していたが、ひどい時は眠気覚ましの薬を過剰に摂取して自らの体と脳を叩き起こしていた。結果溜まりに溜まった疲労が限界に達し、倒れることが年に複数回はあった。
その度に教皇や他の貴族達から軽蔑されていた。
「もうすぐで家だ…!着いたらもう…ひたすら寝る!!」
遠目ではあるが屋敷の風見鶏が見えたのを確認して、翼の速度を上げた。
ルナの故郷は辺境にある『暗闇の地』呼ばれる場所にあった。そこはあまり陽の光が当たらない為誰も寄りつかないとされているが、別名闇の精霊王が眠る地と呼ばれている。彼女はその地を守護する一族の1人であり、爵位はあるが辺境伯爵で生活は少し質が良い生活の平民とあまり変わりない。
そこの地に住むされる住民も生まれつき生活が昼夜逆転していて、一般の人と同じ生活が難しいとされる人が集まっている。人も少ないためかお互いの付き合いもよく治安も良いとされている。
「ただいまー。」
「あら…?あらあら…!ルナちゃんおかえりなさ〜い!」
娘の突然の帰宅に母は驚きながらも歓喜に抱きしめる。
「久しぶりね…!何年振りかしら?あらあら…こんなに大きくなって!王都で過ごしてる間に成長したのね…って、あらっ!!ルナちゃん、クマが酷いわ!!どうしたの…!?」
「ま、まぁ…色々あってね…。」
久々に会う母親であり、前闇の聖女は表情をコロコロ変えていた。
「ルナだって!?帰ってきたのか!」
「姉ちゃん!!」
「ルナ!!」
母の声が家にまで響いたのか、父、弟、兄もルナの元に駆けつけた。
「わ、わぁ…凄い勢い…ただいま。」
不定期に更新。