表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アリアスの雑記帳「メヴァンディーニ」  作者: アリアス・サカユ
25/31

25話目:★水中に咲く紫陽花

 その場所には、湖がある。


 水の色は澄んだ碧で、どうやらシュアザローナが水中に咲いているらしかった。


 神聖な場所なので白い衣を着て水中に潜ると、そこには岩と岩陰に魚たち。


 水中の生き物としては珍しいかもしれない色の魚は、光の加減で藍色に見えた。


 岩には穴が開いているものもあって、そこから光が差している。


 光の網とカーテンはゆらめき、昇りゆく気泡は輝きを宿している。


 潜ったあとすぐは、無数の小さな気泡が肌をなでて、こそばゆかった。


 そこから拓けた視界には、いっぱいの碧。


 そして岩陰に向かって泳ぐと、そこに用事を思い出す。


 シュアザローナ。


 架空や伝説とされている希少な植物のこと。


 お目当ては、水中紫陽花。



 碧い花びらが球状になって咲いている。


 満開だ。


 どうして水中に紫陽花が咲いているのかは、正直知らない。


 ただ、豊満なその亜種の花を見て、心が踊る。


 単にその情景が美しい、と思った。



 根本近くの茎を、持っていた折りたたみナイフで切り取る。


 そしてそれを持って水上に出ると、白い聖獣が「大義」と言った。


 水辺で奉納した水紫陽花の茎を、聖獣は食べる。


 そして残った花の部分をどうするんだろう、と思っていると、聖獣が人型をとった。


 裸体のましろ肌の女人にょにん


 豊かな髪の毛を持つその女人は、耳元に紫陽花を飾った。


 女人に誘われるがまま森の奥に入って行ったその青年が、戻って来ることはなかった。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ