23話目:寂しげな図書館
とりあえず、空っぽってわけでもない図書館におもむく。
司書さんは「何か注文したい本とかありませんか?」と聞いてくれる。
「幻想的なの、ってありますか?」
「んん~・・・もうちょっと情報ちょうだい?」
「綺麗か美しいか、可愛い、感じの・・・」
「絵本?」
「いや、分からないけど」
「あなた、物書きさんじゃないの?」
「物書きですよ」
「じゃあ、書きたいか読みたいものを描けばいい」
「・・・なるほど。ありがとう。少し調べものをしてみます」
背の高い本棚から、興味深い一説を見つけた。
メヴァンディーニ
本の中に出てくる架空の異世界で、幻想領とか高天原って訳されている。
その情報に出会った時に、はっと息を呑んで、思わず本を閉じていた。
点と点がつながって、星座ができた気がする。
俺の今、書きたくて読みたいもの。
それは甥が言う絵葉書からの空想で、おそらくそれはメヴァンディーニ。
しばらく家にいて、模索してみようかと思う、
俺の思うメヴァンディーニを。
帰路「メヴァンディーニ」と言うフレーズをぶつぶつぼやいている俺を、
心配して家の前まで着いて来てくれた人物がいた。
どうにもメヴァンディーニという言葉を知っているらしい。
名前を「タオ」さんと言って、結羽なんだそうだ。
証も持っていたし、お茶に誘うと嬉しそうにしてくれて、話は充実した。




