22話目:エリアドルからのお願い
泣きじゃくっては眠って、少し食べたものも吐いてしまう甥。
そのエリアドルは、妹ビセラを「盗まれた」と実家をうらんで泣いている。
「捕まえて」とか「ビセラを返して」と泣いていて、痛々しい。
エリアドルはまだ三歳で、ビセラは二歳だ。
彼らの父、俺に対して兄は魔法が少し使えて、どうやら遺伝したらしい。
兄の妻、姉さんは美系だが変わり者で、この事態に手を打つ気はないらしい。
困った顔でこちらを見つめると、「どうにかして?」と言われた。
ノイローゼ気味の兄が、「アリアス、しばらく家にいてくれ」と言う。
そしてエリアドルが、「おじちゃまにお願いがある」と言い出した。
「ビセラに、お話をお手紙で贈ってよ!」
可愛い甥のために、旅人作家になるはずの俺、自宅で空想中。
困り果て、「たとえばどんな風なのがいい?」と聞いてみた。
するとエリアドルが、「幻想的なもの」と言うので、図書館に行こうと思った。
なのにこの里の図書館は、文献などが今は特にない。
どうしたものかと思っていると、郵便屋さんが来た。
「はぁい、サカユさん。絵葉書の件、通りましたよ!もしかしたらもう知ってる?」
頭巾マフラーをした赤面症の担当郵便屋さんの名前は「葉烏:ハウ」さん。
ハウさんが言うに、これから作られる絵葉書についてたいがいもらえるらしい。
始まった「絵葉書大作戦」について、提案料と絵葉書サンプルをもらった。
お茶をしていかないか、と言うと、君はもう友達だが仕事の途中だと断られる。
絵葉書を見てみるに、その美しさに圧巻した。
思わずエリアドルのベビーベッドに持って行き、見せてみた。
エリアドルは真剣にその写真を見つめ、そして顔を上げて俺に言った。
「この写真を字にして、ビセラに送って!」
・・・絵葉書なのに?




