17話目:絵葉書
チョウと共に寄り道をして、聖なる塔の街に来た。
精緻な模様が描かれた壁や天井を持つ塔がちらほら見れる街。
宗教的意味合いで昔は信者以外立ち入ることはできなかったらしいが、
今は一般開放されている場所だ。
チョウが「綺麗なところでしょう?一度君と見たかったんだ」と言ってくれた。
自然と言葉になってでてきたのは、「光栄です」だった。
なんだか神秘的な護りの気配を感じる。
「あの~・・・アリアスさんだっけ?実はいつもそんな喋り方なの?」
背後にいて急に鉢合わせになったのは知り合いの郵便屋で、今日は非番なのだと言う。
彼も観光に来ていて、ここにはちょくちょく来るらしい。
「誰かに見せたくなる所だけど、なかなか理解はないかもなぁ」
この素晴らしい光景は、維持費が足りないとなくなってしまうらしい。
そこで何ともなしに私がぼやいた。
「この建物の写真を、ブロマイドか葉書にすればいいのに」
驚いた様子の郵便屋さんと、ものすごい勢いでこちらに振り向いたチョウ。
「絵の葉書?絵葉書!?」
「そうそう。撮影代をもらって、この建物でも絵葉書売ればいいじゃん」
郵便屋さんが「なーるほどねぇ」と合点したようだった。
「郵便屋さん、このアイディア、もしよかったら採用して?」とチョウ。
「分かりましたよ。明日も休みとってあるんだけど、どうしようかな」
「明日も休み?」
「振替休日」
「そうなんだ?」
「午前中だけ」
この近くまで個人契約で配達する機会に休みをとってある、ってことらしい。
絵葉書の案が通ったら多少提案料をもらえるから、何に使おうか少し空想した。




