第99章
ドラゴンちゃんヒロトが温め始めた魔石から誕生したヒナドラゴンちゃんが新たなメンバーとして仲間入りすることとなり、早速8つ目の本当の魔石探しにも熱が入るのだった〜〜〜
ウメ婆さんと甥っ子の宗谷が何やらヒソヒソと話し込んでいる。
「おい宗谷や、8つ目の魔石ちっとも見つからんじゃないか。
もしかしたら我々のドラゴンちゃんチームを騙してあの仙人フォーの奴らが先取りするためにミッションでこの地に向かわせたんじゃないか?」
「作用ですねお祖母様。私もあのミッションは甚だ疑わしくは思っていたのでありまして……
では如何いたしましょうか?」
「そうじゃな…よし、あの古地図を持って来い!これから作戦会議じゃ。」
宗谷が古地図を取りにそそくさと走り出す。
キャンがそれを見ていて不安に思いウメ婆さんに問いかける。
「宗谷は一体どうしたのキャピッ!」
「ああ、この洞窟にはどうやら本当の魔石が無さそうだから新たなる旅に繰り出そうという話じゃ。
さぁ、お前さんも早く支度をしなされ!」
一行はこの洞窟のある島から古地図の海図をもとに新たな島を目指すこととなったーーーー
ーー☆☆☆ーー
海賊たちの伝説に彩られた古地図を手に、ドラゴンちゃんヒロトと仲間たちは新たなる旅に身を投じたのでした。
嵐の中、荒れ狂う海を上空から眺めながら、彼らは海図に示された次の目的地を目指すのでした。
その先に待ち受けるものは、未知の島と、そこに潜む幾多の謎と試練なのだろう。
ずぶ濡れの一行は飛行の最中、彼らは新たな仲間と出会いながらも力を合わせ立ち向かう決意を固めるのだった。
やがて雨が上がると、ドラゴンちゃんヒロトが皆を乗せて炎天下の大海原を遊覧飛行してゆく。
すると、何やら先程までダンマリのヒロトがつぶやき始めたではないかっ!
「あ、あのね、皆さん突然ですがこのヒナに名前をつけたいと思います。私の意見では「リトモ」なんてどぅですか〜?」
一行はドラゴンちゃんヒロトの意見に考えを巡らせます。キャンが何か思いついた様子。
「アタシなら「ピッピキピー」か、も一つ「ぺっぺけぺー」なんてどぅかしらピペッ?」
すると宗谷が苦笑して反撃する。
「何だよソレ〜、そんなおならみたいなのよしてくれよぅ。仮にも女の子何だから……」
今度はウメ婆さんが乗り出して静かに呟く。
「ならば〜、こんなんはどうじゃ?「マツコ」或いは、「ヒナコ」じゃ!」
ウメ婆さんからの案に、一同は狼狽えると、宗谷が恐る恐る返答する。
「あの〜何だか古風な、というかシンプルで御座いますね、お祖母様。」
「な、ナンジャとぅ?人がせっかく思いついたのをけなしおって、甥っ子の分際でお祖母様に歯向かうのかい?」
お怒りのウメ婆さんをよそに、ドラゴンちゃんヒロトが決議を開始するのだったーーーー
ヒロト:「ん~~ん~~、では、みんなの意見を聞いた結果、リトモ、ピッピキピー、そしてマツコの中から、最終的にどうするか決めよう。」
キャン:「リトモはなかなか可愛らしいし、ピッピキピーも個性的で面白いけど、やっぱりマツコが一番しっくりくる気がするなあ。」
宗谷:「うん、確かにマツコはシンプルだけど、それが逆に良いんじゃないかな。」
ウメ婆さん:「そうじゃろ、マツコは古風であるが故に、しっかりとした意味があるわい。それに、皆が一致して選んだのなら、良き名前だからね。」
ヒロト:「そうだな、じゃあ皆が一番心地よいと思う名前はマツコだろう。リトモ、ピッピキピー、ありがとう。マツコ、お前の名前はこれから俺たちの冒険を共にする旅の仲間として、誇りを持って名乗ろう。」
マツコ(ヒナドラゴン):「ピー!(うん!)」
一同:「よし、これからもよろしくマツコ!」
ー☆☆☆ーーー
暫くして、ヒナドラゴンちゃんマツコが何やらピーピーとはしゃぎだす。
その様子をドラゴンちゃんヒロトが訳すと、どうやらマツコには特殊な能力があり、もしかすると魔石の在り処を探し出せるのではないかと一行は思案し始めるのでした〜〜〜
ヒロト:「マツコが何かを感じているようだな。」
キャン:「そうね、もしかしてまさかマツコには何だか特殊な能力があるのかもしれないわねキュピッ!」
宗谷:「もしかしたら、魔石のエネルギーを感じ取れるのかもしれないなあ。ほら、よく言うじゃないか、子供の頃にしか見えない物がある、ってね!」
ウメ婆さん:「そうじゃね、マツコが何かを示しているのなら、それに従ってみるのも満更ではなかろう。ウンそれが良いかもしれないーーーー」
ヒロト:「では、マツコの案内に従って進もう。ヒナドラゴンちゃんの特殊能力での新たな魔石の発見を期待して!」
マツコ(ヒナドラゴン):「ピー!(わかった!)」
一同:「頼りにしてるぞっ、マツコ!」
ー☆ーー☆☆ー
その頃ゾンビマスター達を率いる仙人フォーがネロ伯爵とクレソン女史と大型帆船で議論を交わしていた。
「ううむ、この様子だと8つ目の魔石の在り処は海図にもヒントは無さそうだ。
しかしこの辺りの島々にはモンスター達のアジトだらけじゃな。
こんな海峡で海賊モンスター達が出てきたら、きっと彼らの方が優位になろう。」
まさかこのあと、岩陰から海賊モンスター達の乗る帆船団が登場したのだった。
窮地に追い遣られた仙人フォーの大型帆船は、あえなく上陸し避難する。
そして仙人フォーのゾンビマスター達の軍勢がこの島のモンスターとバトルする事になろうとは誰しも考えもしていなかった〜〜〜〜
仙人フォー(ネロ伯爵):「このままでは危険だな。我々の軍勢が海峡を進むのは無理だろう。」
仙人フォー(クレソン女史):「そうですね、この海域には海賊モンスターが跋扈していますから、早急に退避すべきでしょう。」
ゾンビマスター:「しかし、どこか安全な場所があれば良いのですが…」
仙人フォー(ネロ伯爵):「あそこに見える島が頼りだな。あのタートルモンスターたちが我々を守ってくれるだろう。」
仙人フォー(クレソン女史):「では、急いで上陸しましょう。」
ゾンビマスターたちが大型帆船を降り始めると、列をなして島へと上陸する。
仙人フォー(ネロ伯爵):「海龍モンスターたちよ、我々は無抵抗だ。我々を守ってくれたまえ!」
海龍モンスターたちが勇敢に立ち向かう。
ゾンビマスター:「さあ、戦いだ!我々も力を合わせて彼らと戦おう!」
ゾンビマスターたちは海龍モンスターたちに壮絶なバトルを仕掛けて繰り広げるのでした。
ーーー☆☆☆ー
しかし何て言うことなのか、慇懃にも、仙人フォーとドアーフ一行はゾンビマスター軍勢達に後のバトルを任せると、この隙に大型帆船で航海を開始しましたーーーー
仙人フォー(ネロ伯爵):「バトルは彼らに任せて、我々は航海を続けようではないか。目指すべき場所はまだ先にあるはずだ。」
クレソン女史:「そうですわね、このままでは時間が無駄になりますから悪しからず。」
仙人フォーとエルフ、ドアーフ一行は大型帆船に乗り込み、航海を再開する事を決意したのです。
ゾンビマスター:「ご安心ください、我々がこの島を守り抜きます!」
ネロ伯爵:「後は勇敢なゾンビマスターたちに任せるとしようではないか。我々は次なる冒険に向かうのだ!」
大型帆船は荒海を進み、新たな航海の始まりを迎えるのでしたーーーー
ーー☆☆ーー☆
するといきなり仙人フォー達の眼の前に、例の如くVRミッションが表示し始めるのだった。
〜〜Mission〜〜〜〜〜
君たちは今、ゾンビマスター達を差し置いて自分たちの利得のために走り出しましたね?
それは「清き心」の掟を破ってしまったことを意味します。
よって、君たちにはこれより王家へのルートを完遂する道は閉ざされた。
さぁ帰るが良い愚か者たちよ!
しか〜しっ、お釈迦様の顔にも免じて少しVRツアーのルール変更をしてみるーーーーー
君たちの中に、敗者復活の権利を有する者を設定しよう。
その者に教えを乞うて徳を積む事で新たな道は開かれるだろう!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ネロ伯爵とクレソン女史がキーマンとなり、徳を積むためにゾンビマスター達を迎えに行ってバトルに参加する
ネロ伯爵:「このVRミッションの意味は…そうか、スッカリ忘れてしまっていたな。
我々が自分たちの利益のために行動し事で、清き心の掟を破ってしまったということなのだろう……」
クレソン女史:「そういうことなら、当然の如く王家へのルートは閉ざされたということですわね。
しかし、敗者復活の権利を有する者がいるということは…」
ネロ伯爵:「その者に徳を積むために、我々も行動しなければならない。」
クレソン女史:「そうですね。では、ゾンビマスター達を迎えに行き、一緒にバトルに参加しましょう。」
仙人フォー一行は大型帆船の舵を面舵一杯に切ると、再びモンスターのアジトの島へと向かう。
ネロ伯爵:「ゾンビマスター達よ、我々は敗者復活の権利を持つ者と共に、徳を積むために参加する。協力を願う。」
そして彼らは再びゾンビマスター達と共にバトルに挑む事になろう。
☆ーーー☆☆ー
島に到着するや、バトルに疲れ果てたゾンビマスター達は、裏切った仙人フォー達を攻めたてるのでしたーーーー
ゾンビマスター:「裏切り者共め!何しに戻ってきた?
我々の信頼を踏み躙り、自分たちの利益のためだけに走り出した愚か者どもが! 今更何の用だ?」
ネロ伯爵:「おい待て待て……ゾンビマスターたちよ、誠に申し訳御座らぬ……
しかし我々は失敗を悔い改め、徳を積むためにもここに戻って来たのだ。受け入れてはもらえないだろうか……」
クレソン女史:「そうなのです、このままでは誰一人として王家へのルートの遂行が封鎖されてしまったのですから……
我々は敗者復活の権利を持つ者の徳を積むためにも、このバトルに命がけで参加しようとしているのです。どうか分かってください!」
ゾンビマスターたちも、流石にクレソン女史の嘆願には一瞬立ち止まると、ネロ伯爵の様子を見つめる。
ゾンビマスター:「本当か…?」
ネロ伯爵:「誠心誠意、信じてほしい。我々は過ちを悔い、改める覚悟がある。」
ゾンビマスターたちは彼らの言葉の真偽にに思いを巡らせながら相談する。
ゾンビマスター:「よし、わかった。
だがな、信用を取り戻すためには、これまでに無い程の試練を受けねばなるまいな。君たちが本気ならば我々と共にバトルに挑むがよい!」
仙人フォーとゾンビマスターたちは手を取り合い、共にバトルに臨むーーーー
ーーー☆ー☆
するとどうしたというのでしょう、不意にクレソン女史が傍らの鞄から魔石No.5を取り出す。
そして何やら呪文を唱え始めると、天空に魔法陣が出現し島が真っ黒な雲に覆われ雷があたり一面轟くと、稲妻スパーク攻撃でモンスター軍勢を退散させるのでしたーーーー
クレソン女史:「魔石No.5、我に力を与えよ!稲妻よ、我が呼び声に応えたまえ〜っ!」
クレソン女史が魔法を唱えるや、天空に魔法陣が浮かび上がり、真っ黒な雲が島を覆い始める。
ネロ伯爵:「こ、これはっ…!」
雷が空一面を轟き、稲妻がモンスター軍勢に直撃し始めるではないかっ!
ゾンビマスター:「す〜っ、すさまじいぃ〜〜〜クレソン。」
稲妻の力でモンスター軍勢が一斉に退散する。
ネロ伯爵:「妻クレソンよ、お前のその力って一体何なんだいぃ〜〜〜?」
クレソン女史:「これが魔石No.5の真の力、稲妻スパーク攻撃なのよ〜〜〜っ!」
モンスター軍勢が敗走する中、仙人フォーとゾンビマスターたちは一先ず安堵の息をつくのだった。
クレソン女史:「魔石No.5、我にその真の力を示せ!天空よ、我が叫びに応えよ!」
クレソン女史は更に魔法を唱え始めると、雲間からさらなる稲妻が乱舞し始めるーーーー
ネロ伯爵:「見ろぅ!これが妻クレソンの魔法の力だっ!」
雷光が一閃し、稲妻がモンスター軍勢絶え間なくに直撃してゆく〜〜〜〜
ゾンビマスター:「この威力は…恐るべきものだ!」
稲妻が暗闇からクッキリとモンスターたちを照らし出すと、魔法陣から爆発的なエネルギーが放たれ始める。
ネロ伯爵:「これが稲妻スパーク攻撃か…!」
モンスター軍勢が稲妻の力によって跳ね飛ばされ、島の一面が煌めく!
クレソン女史:「さあ、我々はどうやら無事に勝利しました!
しか〜し、これは力の使い方に警鐘を鳴らすものでもあるのよ…皆んな使い方には注意してねっ!」
ーーー☆☆ー
するとどうしたことか、クレソンは魔石魔法の使い方の警鐘について、古文書からの引用をもとにしながら皆にレクチャーるのでしたーーーー
クレソン女史:「皆よ、我が言葉に耳を傾けよ。この力の使い方について、古文書からの一節を紹介しよう。」
クレソン女史が古い巻物を取り出し、その中から一節を読み上げる。
クレソン女史:「『力ある者は、その力を用いることにより多くの者を救うことができる。
しかし、その力を乱用する者は、自らをも滅ぼす運命にある』。」
ネロ伯爵:「その言葉は深いな。我々は力を持つが、その使い方を誤ることはできない。」
ゾンビマスター:「なるほど…力を持つことは責任を伴うということだな。」
クレソン女史:「正にその通り。我々はこの力を正しく用い、多くの者を助けることが我々の使命であります。」
ネロ伯爵:「そうだな、これからは魔石の力を正しく使い、皆で新たな道を切り開いていこうではないか!」
ー☆☆ーーー
一同は団結して心に誓い、次なる冒険に向かおうとしていたその頃、しかし仙人フォーだけは、そんなに素直ではなかったーーーー
ネロ伯爵:「この古文書の言葉は我々にとって重要な教訓だ。」
クレソン女史:「そうですね、力を持つ者が乱用すれば自らも滅ぼす運命にあるということです。」
ネロ伯爵:「だが、仙人フォーはその言葉を受け入れるだろうか…」
仙人フォーが一瞬沈黙し、不満そうな表情を浮かべる。
仙人フォー:「この言葉には一理あるが、我々が進むべき道を制限されることはできない。」
ネロ伯爵:「しかし、力を正しく使わねばならないことは変わらない。」
仙人フォー:「フン、それでも私たちは自らの目的のために進む。」
仙人フォーは意図を汲み取らず、自らの利益のために進む決意を示した。
クレソン女史:「仙人フォー、私たちは共に協力し、正しい道を進むべきです。」
一同が仙人フォーの行動に戸惑いつつも、共に次なる冒険に向かうこととなった。
ーーー☆☆☆ー
しかしどうしたことか、突然仙人フォー目掛けて稲妻スパーク攻撃が始まると、仙人フォーはスタコラと何処かへ逃げ出していったではありませんかっ!
ネロ伯爵:「仙人フォー、何をするつもりだ!」
稲妻が仙人フォーを追いかけ、彼が逃げ出す。
クレソン女史:「彼はどこへ行くつもりなのか…」
一同が驚きながらも、仙人フォーを追いかける。
ネロ伯爵:「フォーや、逃げても無駄だよ!我々は共に協力して道を切り開こうではないか。それしかないんだぞ!」
しかし仙人フォーは見つからず、一同が捜索を続ける。
クレソン女史:「彼の行動は予期せぬものだから…きっとまた何処かで会えるわね!」
呑気なクレソン女史とは違って、突然仙人フォーが姿を消してしまった事を一同はその不気味さに戸惑いを覚えたのだった〜〜〜〜
///to be continued!!!☆☆☆




