第86章
酋長ペトロの島の地下都市を抜け、神殿に赴き神々から賜ったお土産を引っ提げて、静かな車内のリニアのシートに身を預け大イビキのハーモニーで爆睡するウメ婆さんとクレソン女史は王家へのルートを目指していたーーーー
リニアの掲示モニターには目的地迄のMapが映し出され、今まさに海底トンネルを南東に向けて通過しているのだった。
二人の中に仙人フォーの事などはもうすっかり思い出すことすら無駄な気さえしていた……
未だ人魚のキャピキャピなコスチュームのままの二人を乗せたリニアがようやく終着駅のホームへと滑り込むと、黒服の集団が待ち構えているのだった。
ウメ婆さんとクレソン女史は、リニアのホームへ到着すると、黒服の集団が迎えていました。
ウメ婆さんは少し目を覚まし、クレソン女史に囁きました。
「クレソン、これは何かしらの問題ね。あの黒服たち、何を企んでいるのかしら?」
クレソン女史は落ち着いた様子で答えました。
「ウメさん、私たちの持ち物を調べに来たのかもしれません。
でも大丈夫ですわ、私たちには特別な許可がありますから。」
黒服の一人が前に出てきて、ウメ婆さんとクレソン女史に親しげな笑顔で声をかけました。
「お二人さん、私たちは王家の代表です。ご協力いただけますか?お持ちのお土産をご確認させていただきたいのです。」
ウメ婆さんはクレソン女史を見てから、ゆっくりと荷物からお土産を取り出しました。
「どうぞ、こちらをご覧ください。神々からの贈り物ですわ。」
黒服の代表は興味深そうにそれを見ていると、突然、彼らのリーダーが駆けつけてきて、混乱した様子で何かを伝えようとしていました。その時、地下から異音が聞こえてきて、騒然とした様子が広がりました。
ーーー☆ー
その黒服のリーダーがこの王家に繋がるリニア駅の地殻に異常が見られたようで、この海底トンネルの火山活動がいよいよ始まったと告げられ皆がパニックに陥るのだった……
突然の騒乱にリニア駅の地殻が揺れ始めました。
黒服のリーダーは恐れた表情で
「火山活動が始まった!皆、駅を出るんだ!」
と叫び、混乱する人々を導こうとしました。
ウメ婆さんとクレソン女史も慌てて立ち上がり、周囲を見回しました。しかし、駅は混雑し、出口への道はすでに人で埋まってしまっていました。
火山活動に伴う地殻の異変がますます大きくなり、駅内の照明が一瞬にして消えました。
人々はパニックに陥り、ウメ婆さんとクレソン女史も混乱した群衆に巻き込まれそうになりました。
その時、クレソン女史が周囲を見回し、非常口の一つを見つけました。
「こちらです、急ぎましょう!」
と叫びながら、人々を誘導し始めました。
ウメ婆さんはクレソン女史に続きながら、お土産を大切に抱えながら群衆の中を進みました。
非常口から外に出ると、海の底にある駅の周りは既に混乱した様相でした。
火山活動による地殻の変動が急速に進み、水圧が変わり始めていました。
「ここはどうやって脱出すればいいの?」
とウメ婆さんがクレソン女史に尋ねました。
しかしその時、地面が急に揺れ、海水が駅に押し寄せ始めました。
二人は海の中に取り残され、火山活動による混乱の中、次に何をすべきか迷ってしまいました。
ー☆ーーー
海底のリニア駅で混乱が続く中、突然の救いの手が現れました。
酋長ペトロと仙人フォーが、モンスター達を引き連れてリニアに乗り込み、皆を救出するために駆け付けました。
酋長ペトロは力強く叫びました。
「みんな、急げ!こっちに向かって!」
彼のモンスター仲間たちが協力して、混乱した人々を集め始めました。
仙人フォーはウメ婆さんとクレソン女史に手を差し伸べ、
「早く、こちらへ!」
と声をかけました。彼らはモンスターたちの手助けを受けながら、海底のリニア駅から脱出するための道を模索しました。
酋長ペトロと仙人フォーの協力で、人々はリニア駅から外に出るための隠れた経路を見つけました。
モンスターたちの力を借りながら、皆が一斉にその道を進んでいきます。
しかし、駅の外に出ると、海の中もさらに混乱していました。
水圧の変化により、周囲の海水が乱れ、駅が崩壊し始めました。
酋長ペトロと仙人フォーは皆を守るため、彼らのモンスター仲間たちと協力し、海の中で皆を安全な場所へと導きました。
激しい水圧変化の中、彼らは奮闘しながらも、一人残らず皆を救出することに成功しました。
最終的に酋長ペトロと仙人フォーの協力により、ウメ婆さんとクレソン女史を含む皆が無事な場所に避難することができました。
二人の助けとモンスター達の力添えがあってこそ、皆が助かったのでした。
///to be continued!!!




