第82章
「パブ竜宮」で営業活動を続けていた人魚のコスチュームのままのキャンとCAリンリン、そして彼氏のケントはソルジャーの置き土産のVRコントローラーを操作しながらリカルド島の状況を中継している。
「で、どぅかしらソルジャー、フランクと宗谷の動きは?」
「それなんだが、結構まずい状況なんだ。プレレ酋長の奴がネロ伯爵との友情を良いことにフランク伯爵に交渉を持ちかけて、あの詐欺師的なフランクの事すらすっかり忘れてしまった様子でカルテルで談合し始めちまったのさ!
そうなると仙人フォーの立場も問題視されて、多分そのうち追放されるな。」
「何よソレ~!じゃあウメ婆さんとエリアナ、あと甥っ子の宗谷の動きは?キャピピッ〜ッ」
「宗谷は此処に居る。代わるか?」
「ウンそうね。ちょっとお話してみるぅ。」
キャンが宗谷とどうやら魔石を持ちかけて何かの取引を開始する。
ーー☆☆ーー☆
キャンは宗谷と向き合い、深いため息をついた。
「宗谷さん、アンタは今の状況を理解しているのぅ?アンタの立場はとてもデリケートな状況だということを思わないのぅキャピッ!」
宗谷は静かにうなずいたが、不安な表情が顔に浮かんだ。
一方、ソルジャーはリカルド島の奪還に集中するため、戦略を練っていた。彼らはフランク伯爵のアジトに侵入することを決断し、仙人フォーの野望を阻止するための作戦を立てた。
「我々がこのアジトを奪還すれば、仙人フォーの野望も終わるだろうな。しかし、我々の内部での対立も起こるから、それも解決しなければならないだろう。」
ソルジャーは深く考えながら言った。
その間、豪華客船に取り残されたままのウメ婆さんとエリアナは宗谷に気を配っていた。
「宗谷や、アンタは自分自身の信念に従うことが大切なんだよ。わかっとるかな〜?」
ウメ婆さんは優しく言った。
お祖母様の言葉に宗谷は戸惑いながらも、自分の行動について考え始めた。
彼はフランク伯爵との関係やリカルド島の現状を真剣に考える必要があった。
ソルジャーと仲間たちは戦いの準備を進め、リカルド島へ向かうための計画を練り始めた。
一方で、宗谷は自分の心の中で葛藤し、次なる行動を決めるために時間を必要としていた。
宗谷が自分の信念や立場を整理し、ソルジャーたちはリカルド島の奪還のための行動を開始することが示唆されていましたーーーー
ーーー☆☆ー☆
そしてウメ婆さんが宗谷に言う。
「お前さんはワシラをVRツアーに連れ出した本当の理由は何なんだい?
お前さんはこちらの世界に召喚されたと言ってたが、ワシラにはそんな事は伝えられずにVRマシーンに乗り込んだ段階からお前さんの意思によって操られ続けているのじゃ。
そして知らぬ間にワシラにはヘッドセットすら外してログアウトさえも不可能、そう、こちらの世界に監禁されてしまったのじゃ!
そして唯一のログアウトの方法はフランク伯爵の覇権を治め、王家へのルートを見出してそこにたどり着くと可能に成るということじゃったな。
こんなツアーにお前さんは何の意味があると思っているのか聞かせておくれ!」
するとウメ婆さんの甥っ子の宗谷が真実味を帯びた話を始めるのだったーーーー
ーーー☆☆☆ー
宗谷はウメ婆さんの問いかけに驚きつつも、深く息を吐き出した。
「ウメ婆さん、実は私はこのVRツアーに参加するまでの記憶を失っていたんだ。
どうやらこの世界に連れ出された理由や目的を知らされずに、ただ指示に従っていたようです。
それが真実ならば、私は確かにこの世界に閉じ込められていることになるのかもしれませんーーーー」
ウメ婆さんは驚きと同時に同情の表情を浮かべた。
「それは大変なことじゃ。お前さんがフランク伯爵の覇権を制することでログアウトできるというのなら、それこそがお前さんの唯一の希望かもしれん。
しかし、それは危険な道じゃ。フランク伯爵は冷酷で、彼の手下たちは無慈悲な者ばかりじゃ。」
宗谷は深く考えた後、覚悟を決めたように頷いた。
「お祖母様、私はこのまま何もせずにいるわけにはいきません。
フランク伯爵の支配から解放されるために、私は行動しなければなりません。
でも、私にはフランク伯爵との直接の接触手段がありません。どうすればいいのでしょうか?」
ウメ婆さんは微笑みながら、宗谷の手を取った。
「お前さんは一人じゃないんだよ。仲間たちがお前さんを助けるために力を合わせる。
そして、ワシらはお前さんを支える。さあ、一緒にフランク伯爵に立ち向かいましょう。」
宗谷は自分の置かれた状況を理解し仲間たちの支えを受けてフランク伯爵に立てつく事を模索します。
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VRツアーを開始する前に受診した精神科医ナリミーをもこのツアーに参加させたのはどのような理由からなのかを宗谷が詳細に説明するも、その話の辻褄が可怪しい事に気づくナリミーが皆に問いかけるのですーーーー
ナリミーは宗谷の説明に興味深く耳を傾けていたが、その話の中で矛盾に気付き始めていた。
「宗谷、君の話には何かおかしい点があるように感じるんだ。このVRツアーの目的について、もう少し詳しく話してもらえるかな?」
宗谷は困惑した表情を浮かべ、一瞬の間をおいて、深呼吸をしてから話し始めた。
「ナリミー先生、私はこのツアーが自分の記憶を取り戻す手掛かりになると思っていました。
以前、何か重要なことを忘れてしまったような気もしていて…」
しかし、ナリミーはその説明に納得できない様子で、
「宗谷、君の話には整合性がないようだ。ここで私の診察結果を公表することにする。
このツアーの真相や参加者の状況について皆に話さなければならない時が来たようだ。」
ナリミーは皆に向けて、ツアーに参加した経緯や参加者たちの状況について詳細を説明し始めた。
それは宗谷が話した内容とは異なるものだった。
彼の話には疑念を抱く人もいたが、全体的には混乱が広がりつつあった。
宗谷は状況の混乱を見て、深い悲しみとともにその場を去っていった。
そしてウメ婆さんが以前の世界とこのツアーの異世界の違いは、単なる記憶の誤解が生じたためだと主張すると、ナリミーは海馬からの作用はDNAを介してこの世界を作り上げていると説明するのだった。
☆ーー☆☆ーー
ウメ婆さんは静かに、物語の現実と異なる認識の違いを説明し始めた。
「ナリミー先生、アンタが言っていることは少しは理解できるが、このツアーが現実と違っているというのは、アタシ達の単なる記憶の誤解ではないのかな?
ここはどう見ても、私たちが通常知っている世界とは異なる次元だと思われるのじゃが。」
ナリミーは深く考えた後、説明を開始。
「確かに、海馬という部分は記憶や空間の認識に関わる重要な役割を果たしている。
しかしこの場合、それだけで説明できるものではないでしょう。
DNAが異世界の構築に関与している可能性もあるのだが……」
一同が驚きを隠せない中、ナリミーは続ける。
「科学的には、DNAは特定の遺伝子を含むだけでなく、環境や体験からの影響も受けることが分かっています。
もしかしたら、この異世界への参加者はそのような遺伝子や体験の影響を受けているかもしれませんね。」
宗谷はナリミーの深い考察の後、静かに声を上げる。
「つまり、私たちのDNAや体験が、この異世界の構築に関与している可能性があるということですね?」
ナリミーは微笑みながらうなずく。
「そうだよ、宗谷君。科学的にはそれも可能性の一つに過ぎない。そしてこの異世界での出来事は、現実世界での体験や遺伝子の影響をも反映しているかもしれないのだ。」
そしてDNAが海馬と相互作用する事で、この宇宙空間を構築しているとナリミーが説明するのだったーーーー
ナリミーは、集まったドアーフたちに向かって深い理論を語り始めた。
「この宇宙と我々の存在において、DNAと海馬という脳の領域が相互作用することによって、私たちの認識や宇宙の構築に影響を及ぼす可能性が多かれ少なかれあるのだ!」
と、元精神科医ナリミーは熱を帯びて演説す口調で説明する。
「DNAには情報が含まれており、それが私たちの身体や特性を形成します。
そして、この情報が海馬を介して宇宙の認識と結びつくことで、私たちが体験する宇宙の一部を作り上げるのかもしれません。」
宗谷は真剣な眼差しでナリミーを見つめている。
「つまり、私たちの個々のDNAや経験が、この異世界の構築に影響を与える可能性があるということですか?」
ナリミーは頷きながら言葉を続けた。
「はいっ、宗谷君!それが私の仮説です。
そして、もし私たちの行動や選択がこの異世界を形成しているのであれば、私たちはその責任を持ってこの宇宙をより平和で持続可能なものにするための行動を取る必要があるのです!」
仲間たちは深く考え込む中で、未来への責任と平和の重要性を再確認したのだつたーーーー
そしてリアル世界とこちらのVRツアーな異世界も、宗谷の海馬から発生しているとの見解を元精神科医ナリミーが皆に告げると、 ウメ婆さんはただ納得するしかない様子だった。
ナリミーは皆に向かって静かに語り始めた。
「こちらのVRツアーの異世界と、我々のリアルな世界が、宗谷の海馬から発生しているというのは、私の考えです。」
ウメ婆さんは深く息をつきながら、理解を示すようにうなずいた。
「なるほど、海馬がこのような異なる次元を形作る可能性があるというのですね。」
宗谷は興味深げにナリミーを見つめ、
「それはすなわち、私の個人的な体験やDNAが、この世界に影響を及ぼしている可能性があるということですか?」
ナリミーは続ける。
「はい、そのような見方もできます。
そして、もし私たちの行動や考え方が実際にこの世界を形作っているとすれば、私たちはより良い未来を築くために、善意と協力をもって行動する必要があるのです。」
ドアーフたちは深い考察に耳を傾け、個々の責任と未来の平和を考える中で、新たな視点に目を向け始めた。
異世界と現実の関連性が示唆されると、ドアーフ達の行動や考え方が世界に影響を及ぼす可能性を考えるようになった。
これ迄の人生でより良い未来のために善意と協力をもって行動して来ました。
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ナリミーは静かに、次元的な概念について皆に語り始めた。
「異なる次元や宇宙空間に関する考え方は、私たちの普段の理解を超えるものかもしれません。
しかし、この異世界が、宗谷の海馬を介して発生する可能性は否定できません。」
ウメ婆さんは深く考え込んでから言った。
「もし異なる次元が存在し、宗谷の海馬がそれを形成しているとするならば、私たちの行動や意識がそれらの次元にどのように影響を与えているのかが気になるね。」
宗谷は興味津々の様子で、
「それはすなわち、私たちの内なる世界や感情が、外界にも影響を与えているということですか?」
と問いかけた。 ナリミーは微笑みながら続けた。
「はい、宗谷。我々が内面で抱く感情や意識が、実際に外の世界にも影響を及ぼしている可能性があるのです。
そして、それが未来の平和を築くための鍵かもしれません。」
一同はこの新しい視点に驚きつつも、自らの内なる世界が外界に与える影響について考えるようになった。
この展開では、異なる次元や宇宙空間、内なる世界と外界の関係性についての考察が描かれています。
すると宗谷がウメ婆さんの耳元で囁く。
「お祖母様、我々の家系が宇宙空間の異次元からやってきた存在であることは、どうやらナリミーにはバレちゃってますね……」
すると、エーテリと呼ばれる未知の異次元空間が突如、皆のVR表示として視界に現れた。
この異次元の存在が宇宙の新たな可能性を示すものとして、異世界の大きな興奮を巻き起こす。
ーーー☆ー
しかしエーテリが現れたことで次元の歪みや現実の変化が生じ、民は不安と興奮の中で新たな世界への探求を始める。
その中には、異次元の秘密を解き明かそうとする科学者や冒険家、自らの内なる世界と現実世界の関係に目覚める若者などがいる。
異次元エーテリの影響によって民は自らの存在や宇宙の新たな可能性に気づき始める。
民は次元の歪みを調査し、新たな力や知識を手に入れるための冒険に出る。
それぞれの民は旅の中で内面や宇宙の謎を解く手がかりを垣間見ることになるーーーー
民の冒険は未知の世界への探求と同時に、自己発見と成長の旅でもあった。異次元との出会いは彼らの人生を変え、新たな可能性を紡ぎだしていく。
今宵は異次元の存在が民に与える影響やその影響下でドアーフ達の内面での変化や宇宙の秘密を探求する中で、新たな可能性が拓かれることでしょうーーーー
ーーーー☆☆
宗谷は異次元の影響について興味を持ち始め、ナリミーに相談する。
「ナリミー先生、この異次元の存在に関する見解は?
そして不思議な現象が起き続けているようなんですが、それが私たちの世界に影響を及可能性はないですか?」
ナリミーは真剣な表情で宗谷に向き直りながら語りかけた。
「宗谷、異次元が私たちの世界に影響を与えているかもしれないというのは興味深い考え方だね。
もし、その可能性があるとすれば、私たちの行動や意識がそれらの次元に影響を及ぼすことが考えられる。」
宗谷は思索深げに頷いた。
「つまり、私たちの内なる世界が外界に影響を及ぼしているということですか?」
ナリミーは続けた。
「はい、そうかもしれない。
もし私たちの行動や考え方が実際にこの異次元を形作っているとすれば、私たちは責任を持って行動しなければならない。
そしてそれが未来の平和を築く鍵となる可能性もあろう。」
///to be continued!!!☆☆☆




