第75章
その頃「カフェ龍宮」では、ネロ伯爵と再開した旧友プレレがカラオケバトルで皆が盛り上がる中、何やら相談していた。
プレレはネロ伯爵に質問する。
「ところでフランク伯爵を無事に捕獲することができたようだが、お前さんもあいつの黒魔術で大変な人生を歩んだもんだな。」
ネロ伯爵はグラスのウイスキーを一口嗜むと話し始める。
「嗚呼、ここまで来たのも遠い道のりだった……
それにしてもクレソンには大分寂しい思いをさせてしまったから、これからの人生で恩返しをしようと考えているんだ。どんな恩返しが一番かな?」
「それはジャな、いつも一緒にいることだよ。君たちは娘さんも含めこれからの人生を謳歌すれば良い!
だからフランク伯爵への恨みを忘れるためにも、あいつはワシが引き取ろう。そして王家に突き出して裁いてもらう。そうすればこの世界の未来も安泰だろう。」
ネロ伯爵はプレレの提案に考え込むような表情を浮かべました。
カフェ龍宮の雰囲気がカラオケバトルで盛り上がっている中、彼らの対話は真剣なものでした。
ネロ伯爵: 確かに、フランク伯爵を引き取って裁くことはこの世界の平和のためになるかもしれない。
しかし、彼が持っている情報や魔術の力は、我々にとって貴重なものかもしれません。彼を利用して、より良い未来を築く方法はないだろうか?
プレレ: 君の言う通りだが、果たして彼を信用できるのか?
彼は過去に裏切りを繰り返してきたし、我々の安全も危険にさらす可能性がある。情報の利用も一つの方法だな。どのように彼をコントロールするかが問題だ。
ネロ伯爵: そうだな、信用は難しい問題だ。しかし、彼を見張りつつ、利用できる情報を得ることはできるだろう。
そして、その情報を使ってこの世界の平和を守る手助けになる。クレソンにも説明し、協力してもらうよう頼むことにしよう。
プレレ: それなら、そうしよう。クレソンも納得するだろうし、君の償いの一環としても受け入れてくれるだろう。
そして、君たち家族が一緒に幸せな未来を迎えることができるだろう。
ネロ伯爵: ありがとう、プレレ。君の助言に感謝する。フランク伯爵を引き取り、未来の平和に貢献しよう。そして、クレソンには最善の恩返しをする。
このように、ネロ伯爵とプレレはフランク伯爵の未来を考えつつ、家族との絆を強化し、この世界の平和を守る方法について協議しました。
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ようやくカラオケバトルで歌い切った様子の仙人フォーとクレソン女史が彼らの席に戻ってくる。
「今宵は最高の宴だよ、君たちも楽しんでるかな?それにしてもウメ婆さんの姿が見えないが、何処かに置いて来てしまったかな?」
今日もキャピキャピ人魚コスチュームでCAリンリンとキャンとの三人娘で楽しんでいた仙人フォーの言葉にプレレ酋長が思い出したように云うのだった。
「そう言えばネロ伯爵の豪華客船に近づいた頃から姿が見えないような……」
するとクレソン女史も思い出したように
「あら、ウチのエリアナちゃんも姿が見えないけど、誰か知らな〜い?」
すると、海賊船団から戻ってきたばかりの元精神科医ナリミーが息を切らしながら到着するや、皆に言い放った!
「大変ですっ、我々の海賊船団が豪華客船に近づいた途端、豪華客船からいきなり閃光が放たれかと思うや、船もろとも閃光に包まれて、天高く舞い上がって行ってしまいましたっ!
しかも、我々が偵察していたら、どうしたことかあのウメ婆さんが、マストに縛り付けてあったフランク伯爵とVRツアコンでウメ婆さんの甥っ子の宗谷君の縄をほどいていたのです。
しかし彼らはそのまま閃光とともに天高く舞い上がり、そして遂には消えてしまいましたっ!」
一同がナリミーの熱弁に一瞬理解できずにぽかんとする中で、クレソン女史が呟く。
「まさか……もしかするとウメ婆さんと、ウチの娘も一緒かもしれない……」
ーー☆☆☆ーー
プレレ酋長は驚きと悲しみを顔に浮かべ、ナリミーの報告に耳を傾けました。
プレレ酋長: ウメ婆さんとエリアナちゃんが一緒にいた可能性が高いなら、我々は彼らを追わなければならない……
フランク伯爵が消えたことも気にかかるが、最優先は彼らの安全だ。
仙人フォー: そうだ、一刻も早く探さねばならぬ。ウメ婆さんは困難な状況にも立ち向かってきた強い人だ。
クレソン女史: ナリミー、ウメ婆さんとエリアナちゃんの最後の姿を見た場所を教えて。それから、我々はすぐに行動しよう。
ナリミー: 彼らの最後の姿は、豪華客船からの閃光で包まれて上昇していった方向だ。どうやら、豪華客船と関連しているようです。
私たちはその方向に向かって、何が起きたのかを調査しに行くべきです。
一同は団結し、ウメ婆さんとエリアナちゃんを見つけるために行動を開始しました。
そして彼らの安全と豪華客船からの閃光の謎に迫るため、新たな冒険が幕を開たのですーーーー
ーーー☆☆☆ー
仙人フォーが、娘の安否を気にかけるクレソン女史に聞く。
「ところでアンタ、大事な魔石を何処にお持ちで?まさか無くしてはいないだろうね?」
するとクレソン女史はフォーをキッと睨むや、
「いいえ、無くしてなんかおりませんわ、悪しからず。
私はちゃ〜んと客船の金庫の中に大事にしまっておりますっ!」
それを聞いていた一同は目を丸くするや、ネロ伯爵が切り出す。
「お、お前…ならばもしかするとあの魔石はあの詐欺師的なフランク伯爵の手に渡ってしまったのではないかい?
そうすると先程ナリミーの言っていた閃光の理由も頷ける。そして天高く舞い上がったということは、先を越されたかもしれない……」
その言葉に反応するプレレ酋長。
「先だと? ネロや、それは王家への航路のことか?
ワシラは王家への航路だとばかり思っていたが、王家へのルートは空の上ということかい?そしてお前さんはそれを知っているのか?」
「ああ、ほら此処に!」
するとネロ伯爵が持っていた鞄から古い紙の巻物を取り出して皆に見せるのだった。
クレソン女史の邸宅で燃えてしまった筈の古地図と同じく、何とそれは王家への地図だったーーーー
クレソン女史の言葉に不安を抱いた一同は、ネロ伯爵の提案にも驚きました。
ネロ伯爵が持ち出した古い紙の巻物は、王家への地図であることが判明し、その発見に皆が驚きました。
プレレ酋長: 王家への地図だということは、この地図が示す航路は空の上の何かしらの領域に通じているのかもしれない。
それならフランク伯爵やウメ婆さん、エリアナちゃんたちもその航路を辿ったのかもしれない。
仙人フォー: そして、もしフランク伯爵が魔石を手に入れたなら、それを利用して何かを企んでいる可能性がある。私たちは彼を阻止しなければならない。
ネロ伯爵: 正確なことは分からないが、事態は深刻だ。王家への地図を持っていることは重要だ。
それに、我々はウメ婆さんたちを見つけ、安全に帰還させなければならない。さあ、この地図を元に、我々も王家へのルートを辿るべきだ!
一同は団結し、新たな航海の冒険に挑む決意を固めました。
フランク伯爵の企みからウメ婆さんたちの安全を確保するためにも、彼らは空の上の世界に挑戦し、新たなる未来の冒険へと進むことを決意したのでした。
///to be continued!!!☆☆☆




