表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/150

第74章

「ところで、いつになったらワシの元配下のゾンビ達との戦闘が始まるというのじゃっ!」





しびれを切らした様子のプレレ酋長に仙人フォーがニヤけながら言う。





「アンタももうろくしたな、ゾンビ集団を率いていたフランク伯爵はとっくにこのトミマロアイランドから逃亡しよったのじゃよ!

 それにしてもアンタものんきだねぇ、あれからもう一ヶ月も経っとるしな。」





「な、ナンジャとぅ〜そんで、どこに行ったのじゃ?」






「キャン達の情報によると、ドラゴンで島々を偵察していたら、クレソン女史の乗っ取った豪華客船がガンダル大陸に到着していたそうだ。

 多分彼女の持っている魔石を目当てにそこに潜伏して居るのじゃろうな!ワシだったらそうするがね。」






「ナニ!貴様またまたワシを出し抜いてこの島を乗っ取ろうとでも考えておるのじゃな?

 もしかしてこの話もデマでワシがガンダル大陸に向かったのを見計らってトミマロアイランドを乗っ取るつもりじゃ無かろうか?」






「おいおい、勘弁しとくれよ。そんな気があったらとっくにやってるわい。お前さん隙だらけだから容易いもんなププッ!」






「お前さんまさか本当に……そんな事考えたらまた島流しの刑にしちまうぞいっ!」






「そんなことはないさ、プレレ酋長。ワシはただ、機会が巡ってきたら、何か楽しいことを考えているだけじゃ。」





 仙人フォーはにやりと笑いながら言う。






「それに、ガンダル大陸での出来事とトミマロアイランドの統治は別問題だろ?ガンダル大陸でクレソン女史と魔石について調査でもしてみるつもりだよ。もし何か面白いことがあれば、また報告しよう。」






プレレ酋長はやや納得しつつも、まだ疑念を抱いているようだった。






「しかし、ゾンビたちとの戦闘も楽しみだったなぁ。長いこと待たせてしまってごめんじゃ。」







「まあ、それも楽しみな一部と考えておこうかな。ワシも一緒に戦ってやるから、お前さんも覚悟しておいてくれ。」






仙人フォーとプレレ酋長は、新たなるターゲットとの戦闘の日が近づいていく中で、互いに信頼し合いながら、新たな冒険の始まりを待ちわびていた。











ー☆☆☆ーーー




すると、上空から突如としてキャンがドラゴンちゃんに乗って飛来してきた。






「ねぇねぇ、大変よ!またガンダル大陸に行ってきたけど、何とあの豪華客船の甲板のマストにフランク伯爵が縛り付けられていたわ!

 そしてその傍らには宗谷と、クレソン女史、そして白髪の紳士が立っていたの。一体あの老紳士は何物かしらね…」







プレレ酋長、仙人フォー、そして仲間たちはキャンの話に驚きを隠せなかった。仙人フォーが質問する。






「そうか、フランク伯爵はガンダル大陸にいたのか?それに、その他の人々は一体何をしていたんだ?」






 キャンは興奮気味に説明を続けた。






「だから〜、フランク伯爵かマストに縛られていて、宗谷、クレソン女史、そして白髪の紳士が何やら魔法の儀式を行っていたみたいなの。

 船の甲板は不気味な雰囲気に包まれていたわ。まるで神への捧げ物としてフランクの丸焼きかなんかにでもしちやうんじゃな〜い、プピッ!」







「それは危険そうだな。ワシラは関わらんほうが良いかもな。」







 プレレ酋長がヤレヤレといった表情で言う。 







「もしかしたら、彼らは何か邪悪な計画を企んでいたのかもしれないなーーーー」







仙人フォーはやがて真剣な表情に変わると続ける。







「何はともあれ我々はガンダル大陸に行かねばならない。フランク伯爵を解放し、彼らの計画を阻止するためだ。」







この日から仲間たちは一致団結し、ガンダル大陸への次なる冒険に備えることを決意したのだった……









ー☆☆☆☆ーーー




翌日、それぞれのドラゴンちゃんに皆が乗っかると、ドアーフ一行はいざガンダル大陸目指してトミマロアイランドから飛び立っていくのだったーーーー






 ウメ婆さんは仙人フォーに向かって何故か怒鳴っている。






「何だってあの宗谷が豪華客船に何か乗っかってスパイでもしてたのかねぇ、フランクの手下なんかになってたんだったらアタシャ許しゃしないよッ!」







 CAリンリンとキャンは相変わらずキャピキャピ人魚美人スタイルでドラゴンちゃんにしがみつく。







「ちょっと何なのドラゴンちゃん〜っ!あんたたちそんなに高くとんだら 宇宙の果てまで行っちゃうじゃないのよぅ〜…もう、ランボウものなんだから〜んっ、キャピッ!」







 怖がってるんだか楽しんでるんだかわからないそんな二人の珍道中。







 プレレ酋長は元精神科医ナリミーと共に、フランク伯爵に放置された元部下のゾンビ達が乗る幽霊船郡を従えて航路を進んでゆくのだった。








仙人フォーはウメ婆さんの怒りを静めようとしてみる。







「これこれウメ婆さんや、まずはガンダル大陸に向かい、状況をよく理解しましょう。宗谷やフランク伯爵の行動は何か彼らなりの理由があるのかもしれませんから。」








CAリンリンとキャンは怖ごわとドラゴンちゃんにしがみついているが、プレレ酋長は安心させるように言う。







「大丈夫だ、この頭の良いドラゴンちゃん達は、きつと私たちを安全に運んでくれる筈さ。」











ーーー☆☆☆ー




一方、航路を進む中、プレレ酋長とナリミーは元部下のゾンビたちが乗る幽霊船郡を指揮し、注意深く船団を進めていく。







 プレレ酋長はゾンビたちに声を掛ける。







「お前らフランク伯爵からの命令を待っていたんだろ?しかし今は我々の仲間だ。共に闘おう!」







ガンダル大陸へ向かう一行は、未知の冒険や困難が待ち受けていることを理解しながらも、ドアーフ一行と団結し共に進んでいくのであったーーーー











ーーー☆☆☆ー



 プレレ酋長と仲間たちは海上で巨大な豪華客船を発見すると、その甲板に驚くべき光景が広がっていた。





 プレレ酋長は不安げにナリミーに語りかける。






プレレ酋長: 「おいナリミー、あれを見てくれ。あれは…ネロ伯爵じゃないのか?

 しかし彼は……とうの昔に死んだはずの彼が、クレソン女史と娘くらいの子と共に甲板に立っているではないかっ!。」






ナリミー: 「信じられない。ネロ伯爵は亡くなったはずだ。どうしてここにいるんだろう?」






プレレ酋長は仙人フォーにも驚きを共有する。






プレレ酋長: 「フォーや、この状況をどう思うかね?まさかネロ伯爵がここにいる理由は何だ






 仙人フォー: 「これは予想だにしなかった展開だな。ネロ伯爵が生きているのか、それとも何か異なる存在なのか…私たちは詳細を知る必要がある。」







それから仲間たちは船団を停め、豪華客船に徐々に近づいていく。






 彼らは不思議な真実を解明するために、その船に勇気を振り絞り足を踏み入れる覚悟を決めたのだった。











ーーー☆☆☆ー




その後、豪華客船と並走していたクレソン女史の潜水艦でネロ伯爵とプレレ酋長はカフェ龍宮に向かうことになる。







 旧知の仲の彼らは再会し、喜びの笑顔で久々の祝杯を交わした。






 この再会は驚きに包まれていたが、古い友情の絆は時を超えていた。






ネロ伯爵: 「プレレ、君も無事に生きていたのか。」






プレレ酋長: 「ネロ、君もだな。一体君の身に何が起きたというんだ?」






そしてネロ伯爵はこれ迄の数十年分の物語を語り始めるのだったーーーー






 彼は詐欺師的なフランク伯爵の黒魔術の影響によってまるで死んだように見せかけられ、不自由な体ながらも新たな妻と、その間にできた一人娘のエレノアの協力を得て、何とか生き延びてきたのだった……





 そして彼はクレソンから得た魔石のオーラを駆使することによって、再び健康な肉体を得たのだった。





ネロ伯爵: 「クレソン女史と協力して、私たちは復活し、フランク伯爵の陰謀に立ち向かっているのだ。そして、ここにいるのは私の娘だ。」





プレレ酋長は驚きと感動に包まれ

るのだったーーーー






 そして、いつか見たあの栄光のカラオケバトルが再び始まることを提案する。






プレレ酋長: 「ネロ、古い友情を称えるためにも、一丁カラオケバトルでも始じめようではないかっ。」







ネロ伯爵: 「素晴らしいアイデアだ。それに、久々に「カフェ龍宮」のステージで歌うのも懐かしいなあ!!」





彼らは再会の握手とともにマイクを握り、情熱的な歌声を響かせながらカラオケバトルが再び幕を開けるのだった。











ー☆☆☆ーーー




時同じくして、甥っ子の宗谷を説教するために豪華客船にただ一人残っていたウメ婆さんが詐欺師的なフランク伯爵と宗谷に騙され、偽の王家への航路を先回りと称して進むのだった。





ウメ婆さんは船に残り、プレレ酋長と他の仲間たちがカフェ龍宮で再会の祝杯を上げている間、船上で宗谷とフランク伯爵と出くわした。






フランク伯爵: 「おや、これはこれはウメ婆さん、お待ちしてました。さあさ、どうかこの縄を解いてはいただけませんか?話せば長くなるのですが、私たちはこの航路が本物の王家へ向かうルートだと信じております!」







 宗谷: 「そうです、お祖母様。これから本当の素晴らしい冒険の始まりです。」






ウメ婆さんは喜んでそれに乗ったが、すぐに疑問を抱いた。






ウメ婆さん: 「でも、なぜ君たちを置いてネロ伯爵達はカフェ龍宮に行ってしまったのかね?」






フランク伯爵は狡猾な笑みを浮かべた。






フランク伯爵: 「それは私たちがこの航路を先回りした事に腹を立てていたからなのです。彼らは偽の情報に惑わされています。」






宗谷: 「お祖母様、私たちの冒険は素晴らしいものになるでしょうね、きっと。」







 ウメ婆さんはなおも疑念を抱きながらも、逆に受けた甥っ子からの必死の説教により、彼らと共に王家への航路を進むことに決めたのだった。






 だが彼女は本当の目的が何かを明らかにしようと密かに決意していたのだーーーー













ーー☆☆☆ーー






ネロ伯爵の一人娘で魔石使いのエリアナは、ちゃっかり船室の小部屋で3人の良からぬ会話を聞くや、ウメ婆さんに彼らの嘘を告げるミッションを企てるのであった。







エリアナは小さな船室の中で、ウメ婆さん、フランク伯爵、宗谷の会話を静かに盗み聞いていた。







 彼女は嘘の航路についての話を耳にし、フランク達の悪意ある計画に気づいた。







エリアナ: 「さっきの会話、嘘よ。」







そっと船室のドアを開けて、エリアナはウメ婆さんに近づき、囁いた。







 エリアナ: 「ウメ婆さん、あの航路の話を信じないで。確かにフランク伯爵と宗谷は何か企てているに違いない。わ。」






 突如として現れて囁きかけるエリアナに、ウメ婆さんは驚きと同時に心配の表情を浮かべる。







 ウメ婆さん: 「エリアナ、アンタはどうしてこんなところにいるんです?」







 エリアナ: 「違うのよ、彼らが悪いことをしていることにやっとの事で気づき、こっそり船室に隠れていました。」







とりあえず、ウメ婆さんはエリアナの言葉を信じることにした。







 今後は彼女とネロ伯爵、クレソン女史とも協力して、フランク伯爵と宗谷の行動を厳しく監視し、彼らの詐欺師的な陰謀を木っ端微塵に阻止しようと誓うのでしたーーーー






 そしてこの予期せぬネロ伯爵の登場が、王家への航路やフランクとの戦闘の計画の行方を大きく左右することになるのだろうかーーーー













///to be continued!!!☆☆☆








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ