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第6章

VRツアーに参加したとある精神科医があちらの世界でドアーフってどういうこと?! 第6章  作: 大丈生夫 (ダイジョウイクオ)




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Scene.11



新たなるMissionを達成するべく戻ってきた一同は長身のシルクハットの紳士の馬車の後を屋敷へと向かう・・・

湖を過ぎると林に沿った小道を馬車と馬達が駆け出して行く。



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馬に乗りなれない一同ではあったが、どうやらこの馬にも自動運転機能が備わっている様子で直ぐになれた。


ということは、馬の格好をしているけどロボットなのか?

そうなると此処はゲームの世界?

ま、仮想現実の中だからあるあるだよね・・・

それにしてもリアルだよなぁ、元精神科医のナリミーはこちらの世界が現実に思えて使用が無い。


そうか、VRヘッドを一旦外してみれば全ては分かるな・・・よし、皆に黙ってこっそりと外してみよう!

ナリミーは頭に被っているVRヘッドを外そうと手をやると、無い!


「なんですとぅ~無いぞよ?」


ナリミーが大声で叫ぶと、隣脇で馬に乗って駆けているウメが驚いた様子で話しかける。


「ナリミー先生、どうしたんだね?」



「いえ、ほら我々はVRヘッドをつけているはずなのに、無いんですよ!」


「またまたぁ、ご冗談を。」


ウメはそういうと、先ほどナリミーがやった風に頭に手をかける。


「こ、これは一体・・・」


どうやらウメもVRヘッドを装着していない様子で困惑している。


「するってぇと、どゆこと?もしかしてこのVR世界は現実って事かね?」


その返答にナリミーは背筋に寒いものを感じる・・・

これは現実世界?そんな・・・

ということは、我々はVRの仮想現実世界を体感しているのではなく、この世界に迷い込んでしまったとでも言うのか?

外そうとしても外せない、もっとも何も装着などしていないのであるから・・・


「も、もしもですよ。我々はこの世界に入り込んだが最期、元の世界には戻れないのかもしれません・・・」


ナリミーのその言葉を聞くや、ウメは言葉を失う。

すると、再びVRヘッドの画面上、もとい眼前にアラートが表示される。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ようこそ異世界へ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


やはり・・・ナリミーもこの表示に凍りついたようになる。

するとヘッドの音声、もとい耳にあるメッセージが聞こえてきた。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


皆さん驚きでしょう!

そうです、あなた方は選ばれしドアーフたちなのです。

御気付きでしょうか、そう、あなた方はこの世界に償還された。

それは私宗谷がこちらの世界の人間達の希望から導くように支持されたことから始まりました。

私も最初はその声が耳鳴りか何かだと思い込み、困惑したものです。

しかしどうにもリアルなこの事象に従って、人選されたあなた方の居る場所へ出向きましたところ、その人物達が現実に居ることに気づいたのです。

そしてVRにてこの世界へとあなた方を案内した次第です。


もっとも私には躊躇などありませんでした。

成宮先生のところへ病んで通うくらいですから・・・

そして私は決断したのです。

あなた方をわが社のツアーと偽ってこちらに償還するように仕向けたのです。

こめんなさい、私の勝手な一存で。

しかし、使用が無かったのです・・・・


ま、こうなってしまったので、楽しんでってね!バッハハ~イ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ツアコン☆宗谷の無責任極まりないメッセージに他のメンバー達も動揺を隠せないで居る。

紳士の乗った馬車を追いかけながら自動運転の馬達はそのまま速度を落とすわけでもなく行く先の屋敷へと突っ走ってゆく・・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Scene.12



小道を駆け抜ける一同の目の前がパッと開けると、そこは広々とした丘の上に到着していることに気付く。そして丘を越える頃、まるで古城の如くそびえる紳士の屋敷だという城のような邸宅に到着した。これは何処かで見たような・・・

ナリミーはそのときハッと気付いた。


こ、これは・・・私がいつか訪れたいと思っていた、写真でしか見たことの無いあの「ノイシュバンシュタイン城」そっくりではないか!


なんということだ・・・それにしても壮観だ!

ナリミーは動揺を隠せないまま、しかし期待で胸の鼓動が早まってゆく。

馬に跨ったドアーフ一同もこれには驚愕している様子。


そして迫るようにどんどんと立派な城があらわになってゆく。

門を抜けるとやがて城に到着する。



「さぁ、皆さんお疲れ様でした。」


長身のシルクハットの紳士が馬車から降りるとそう告げる。

奥から従者達が近づいてくる。

この紳士って一体・・・


「さ、中へお入り下さい。」


一同は中へと案内されていった。



大きな扉の内部へ入ったとたん煌びやかな装飾の数々に一同は圧倒される。

ウメも驚きであごが外れんばかりに、入れ歯が無かったことが幸いに口をぽかんと開けっぱなしでいる。



「キャハッ!すてきぃ~!すごいねぇ。私、こういうとこに住みたかったんだ!」


キャンが飛び跳ねんばかりに喜んでいる。


「おっ、すんげぇなぁ!」


ソルジャーも仰天する。


ケントと元CAリンリンは借りてきた猫のように小さくなって恐る恐るな表情。

元自宅警備員ハイジはお得意の豆知識で館内をうろつきながら、紳士が説明する前に話し始める。


「えっと、ここは「ノイシュバンシュタイン城」と言いまして、彼の有名なアトラクションもモチーフとしているお城であります。しかし、私も行った事はないのでネットでの知識に成りますが、確か立地が異なる様で・・・」


それを察した紳士が続く。


「ははは、中々お若いのに博識で御座いますな。そう、ここはそれを精密に模倣したフェイクであります。立地は全く異なるので、それなりにアレンジはしていますが。」



樽俎の説明は続く。

一同は驚きを隠せないままリビングと思しき部屋へ通される。

そこには数十人の従者達が並んでお辞儀をし、手厚く迎えられた。

待ちかねたようにしていた紳士の奥さんが早速お茶の用意をするよう従者に促す。

従者達は忙しそうに部屋を出てゆく。



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



ドアーフたちがリビングのソファに掛けるや紳士は待ちきれなかったように堰を切ったかのごとく熱い心境で語り出す。



「いやぁ、君達に会えて本当に良かったよ。何せ以前から腕利きのドアーフ君達がここに来るって言ううわさを耳にしていたから。そしてひょんなことでしょっ引かれていった君達を見つけるや、何か私にお手伝いが出来ないかと言う事で、まさに渡りに船だったのですよ!いやぁ、こいうことってあるんですねぇ。」


え、僕らは腕利きのドアーフ?そういえば確か「修復」のミッションは課せられているようだが、これといってそんな技術など何も習得していないし、私としては人々の精神状態について処方をする立場であったし、知識としてもそれくらいのものだ。


ナリミーは白熱している紳士を不思議そうな顔でみつめる。

紳士は話を続ける。


「そこで、誠に恐縮ではありましたがあなた方をこちらにご案内しました理由としましてはこの城の古びた門構えを修復していただくことをお願いしようと思いまして。

もっとも精密に「ノイシュバンシュタイン城」の復元など考えていません。この雰囲気に見合ったあなた方のセンスによって新しい門を作って欲しいのです!」


キャンがソファーから飛び跳ねんばかりに叫ぶ。


「私ぃ~、前からそういう仕事をしたいと思っていたので感激デスゥ!」


ケントはリンリンと顔を見合わせている。

するとリンリンは話し始める。



「実は私達、VRツアーの名目でここに連れて来られたのでして・・・まだ事のなり行きを理解し切れていない状況でして。」


ケントも補足するように言う。

「そうなんです、どうやら私達はツアーと勘違いしていたようですが、こちらの異世界へ償還されたようでして。なんとも・・・」


ソルジャーも続く。


「これじゃあ元には戻れないな。みんな、もう昔の事は忘れよう!」


ウメはニコニコしながら


「ああ、永く生きてきたからわたしゃボケでも始まったんじゃないかと心配したよ。皆がそう思うんだったら異世界にきたんだねぇ!それともわたしゃとうとうおっ死んじまったのかねぇ?」


ハイジが始めて動揺の顔を見せる。


「お、オレはまだ死にたくないよ、だってやりたいこといっぱいあるし・・・でも自宅警備員しか出来なくて。でもねそんなオレにだって夢が在るのさ。だけど考えてみたら家で引きこもってネットしているよりもよっぽどこちらの世界のほうが居心地がいいような。どうかこのVRが終わりませんように。」



紳士はなにやらニヤニヤして皆を見回す。


「皆さんの納得行かない事は私も重々承知しております。そう、何を隠そう私もあなた方と同様、こちらの世界に「償還」されてきたのでありますから!」


ナリミーはその言葉に初めて背中が凍った。

そして紳士は何やらさらににやりと笑うと皆に言う。



「そう、一つだけあなた方に伝えておきましょう。貴方方が元の現実世界に帰ることができる方法をねっ!」






~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


////////// To Be Continued ☆☆☆☆☆























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