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第32章

VRツアーに参加したとある精神科医があちらの世界でドアーフってどういうこと?! 第32章 



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Scene.44


タイムリミットまであと2日。

すっかり疲れきった宗谷たちはいつの間にか通路の上で寝入ってしまった。

気がついたのは明くる朝遅くの事だった。


「おい、起きろよ!そろそろ行くぞ。」


朝から元気の良い威勢の声で飛び起きた面々。

ハイジは目をこすりながら辺りを見回す。どうやら夕べまでそこ此処に横たわっていた幽霊達は忽然と消えていた。もしかしたらよるだけ登場するのかも知れないのだが、或いは恐怖のあまり幻でも見ていたのかもしれない・・・

ナリミーがすっきりした顔つきで告げる。


「ええと、ます昨日宗谷君が言っていた出口が閉ざされた様子を確認する事から始めよう。皆んな、いいね。」


ナリミー率いる一行は船内に入ってきた通路へと歩き始める。

昨日のランプは油切れでもう使えないで居たのだが、そこ此処から外の明かりが漏れているので何とか出口の際までたどり着くことが出来た。


「それでは確認するとしよう。ヨシッ!みんな、押せっ!ギギッ、ドイーンッ!」


するとどうした事でしょう、難なく扉は開け放たれたのであった・・・

夕べの嵐も何処吹く風、今日は快晴で陽射しが眩しく降り注いでいるではないか。

荒れ果てたデッキの様子がくっきりと浮かび上がる。

大風で煽られたマストの柱はポッキリと見事に根元から折れ曲がっている。

すると、一行の目の前に何やらMissionが表示され始めたではないか。



~*~*~*~*~*~*~*~


~Mission~


皆さんおはよう、今日も元気にはりきって行こう!

そこで君達には新たなる課題を与えよう!

甲板に倒れているマストを修理しなさい。

破けた幌もしっかりと縫い合わせるのだ。

そうすればこの船はまだまだ機能するからね。

昼までにそれが完了したらご褒美を授けようぞよ!


さぁ、ドアーフ達よ、力を合わせて頑張るのじゃ!

イチ・ニッ・サン、始めぇ~っ!!



~*~*~*~*~*~*~*~



なんとも都合の良いミッションに頭をかしげる面々。


「お~い、この指令っていったい誰が出してるんだ?まったく勝手すぎるよな。」


「だけど、このMissionをクリアすれば何か貰えるみたいだね。」


「え、どうせ大したものくれる訳ないさ、俺やだよ、暑いし・・・」


「ほら!しっかりしたまえ、若いんだから。僕らはドアーフなんだから修理なんて朝めし前だろ!ほら、工具を探せ。」


「朝めし?なんだかまたまた腹が減っちまった。」


「やれやれ・・・」


すっかり消沈気味のドアーフ達ではあったが、ナリミーを筆頭に修復を始めるのであった。



~*~*~*~*~*~*~*~


早起きのウメは船長室の傍らに缶詰が積んであることに気づく。

何と一丁前にもフォアグラやビーフストロガノフ、キャビアまで沢山あるではないか!

そしてナプキンのかかったカゴをめくると、デニッシュもあるではないか。

早速缶切りではじから開けるとデニッシュに載せてバクバク食い始めたではないか。

それに気づいた二日酔いのフォーがひそひそとウメに語りかける。


「おいお前、勝手に食っちまったらミケロッティに怒られるぞ!ま、いいか。どれどれワシにもおくれ。」


「ダメダメ、もしかしたらこれも宗谷が食ったように幽霊の肉かも知れないよ。アタシは胃が丈夫だから毒見してるだけだよ!」


「またまたそんなこと言っちゃって、全部食べちまう気だろ。」


「別にいいだろっ!アンタにはあげないもんねぇ・・ププッ!ほらキャンや、朝食だよ!」


夕べから何も食べずにすっかり腹をすかせたキャンがそれを聞いて飛び起きる。

ウメの差し出すデニッシュを同じくバクバクと食い始める。


「いいのう~、俺も腹減った・・・」


「何言ってんのよ、昨日たらふくワイン呑んでたでしょ!ほら、腹がポテトだを。」


キャンが指差すフォーの腹を見てクスクスと笑う二人。

するとその声を聞いて目覚めたミケロッティ船長が奥の部屋から現れる。


「おおおお、お前らぁっ・・・オレの大事にしていた缶詰をみんな食っちまう気か?もうこの船に食料はそれしかないんじゃぞ!」


すかさずキャンが反撃する。


「何言ってんのよ、ほらあそこのパントリーにたっぷり詰め込まれていたじゃないキャピ!」


「へ?お前夢でも見たんじゃないか?昨日からおかしな事言っちゃって、幽霊とかモンスターとか。」


「だってぇ~いっぱい見えたんだもん・・・ね、フォー仙人?」


「いいや、オラ知らん。」


「何よ、ネロ伯爵の幽霊にとりつかれてたくせに、今日は元に戻っちゃったの?」


「いいや、オラ知らん。」


「まったく頼りにならないんだから。もう知らないキャピピッペ~ッ!」


見かねたウメがフォーとミケロッティ伯爵にもデニッシュを渡す。

二人とも勢いよくかぶりついたのだった――――



~*~*~*~*~*~*~*~


すっかり腹ごしらえを終えたところでミケロッティ伯爵が言う。


「さぁて、昨日言ったとおりこの船の向かっている我がアジトへとご案内しようではないか。だがね、この船は夕べの嵐のせいでボロボロさ。そのクエストをかなえるためにはある者からの手紙を手に入れる必要があるのじゃ。」


「ふむふむ、その「ある者からの手紙」とは一体なんぞや?」


「よろしい。ではご説明しよう。その手紙にはある種の呪文が書かれているのだ。それを唱えることによってドラゴンが舞い降りてきて我々の船を其処まで引っ張ってくれるのじゃよ。」


「なぁんだ、何ともラクチンだねぇ!そんならお安い御用だ。」


「そうかね、ならばもうひとつ付け加えて置こう。そのメッセージボトルの中の手紙には仕掛けがされているのじゃよ。その栓を開けたものは祟りに会うのだそうだ。」


「な、なんですとぅ~!たたりでござるか?」


「さよう。そいつが手ごわくってね、それに祟られた奴は凶暴なモンスターになっちまうらしいのだよ・・・おお、考えただけでもゾッとするねぇ!」


その話に一同は一気に寒気を憶えるのだった。

すると、ウメが食べ終わったデニッシュのカゴの中に何やら発見する。


「それってもしかして、これのことかい?」


一同がウメの持ち上げるボトルに見入る。

確かに中には一通の便箋が入れられているのだった。

ミケロッティ伯爵がそれを見るや、みるみる目を丸くするではないかっ!


「おっおおおお・・・・そ、そんなパカな~っ!お前の、、そのぅ~、なんですとぅっ!」


そう言い残すや突然泡を吹いて失神してしまったのであった。―――











~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


////////// To Be Continued ☆☆☆☆☆







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