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第29章

VRツアーに参加したとある精神科医があちらの世界でドアーフってどういうこと?! 第29章 



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


Scene.41


ネロ伯爵憑依中のフォー仙人はかつての親友、幼馴染のミケロッティ伯爵との意外な再会に話し込んでいった。



「しかし君は彼の地での商売を成功させて今頃豊かな老後を送っているものばかりと思っていたのだが。誠に人生とは思い通りに行かないものだねぇ。この私に至ってもフランクの手下としてドアーフの教育担当として爪に灯をともしながらひっそりと暮らして来たのだからね。そもそもフランクに騙されてノイシュバンシュタイン城に幽閉されてしまったのが事の発端なのだが・・・」



「そうだね、君との幼馴染の頃の生活が本当に懐かしい。あのフランクが国王の地位を脅かして領土を広げていった頃からすっかり世の中は変わってしまったね。何とも暮らしにくい世の中だ。あいつの魔術さえ制御する事ができれば元の良い世の中になるのだがね。」



「ああ。君もフランクの猛攻によって暗い人生を歩む羽目になったのだね。まったく!」



「そうなんだ、アイツのお陰でこの商船で宝を運んでいたときに襲われたのだ。それというのも秘密裏に王家の財宝の一部を運んでいたのだが、その受け取り先である博物館長から情報が漏洩したことでこの船の位置を知られてしまったのさ。博物館長は既にフランクに買収されていて王家を裏切っていたのさ。」



「世知辛い世の中だねぇ、簡単に人を裏切るなんてね。しかし我々には希望があるのだよ。私が王家より秘密裏にフランクを壊滅するために償還した若き輩達がきっと我々を救ってくれるに違いないのだから・・・・そうだ、君の船に先に乗船した二人、もと精神課医のナリミーと元自衛隊員ソルジャーという者がおって、それが何処へ行ってしまったのか見当たらなくてね。その後乗船した元自宅警備員のハイジも後を追っているはずなのだが。」



「そうだねぇ・・・此処には色んな幽霊がいるから、きっと食われちまったんじゃないかねぇ・・・」



「なんですとぅ~食われた?」



それを聞いていたキャンが泣き出す。



「何よぅ~結局食べられちゃうんじゃないのよぅ、クスンッ。何とかならないのキャピ?」



「そうじゃねぇ、私の一存では・・・誰か魔法を使えるものが居れば何とかなるかも。」



「魔法じゃと?おう、そうそう、丁度この船にはウメという魔法使いの婆さんがおって、何とかなるかも・・・」



~*~*~*~*~*~*~*~



その頃ウメは船長からの内緒の指令で表示された地図のとおりに通路に辿っていた。

宗谷も真っ暗闇の中VR通信マシーンの暗視野を使用し後を追う。



「宗谷や、あんたの持っているそのマシーンでこの船から脱出するデータを取り出せないのかい?」



「それは無理ですよ、お婆さま。そもそも誰から誘導されているのかもわからない指令で此処に辿りついたのですから、脱出できる方法が表示されるわけ無いじゃないですか!」



その答えにキッとウメが宗谷を睨む。おののいた宗谷が思わずマシーンを落下させてしまった。



「ガッシャーンッ!ペキッ。」



ウメはその音に嫌な予感がした。宗谷は落としたマシーンを呆然と見つめている。



「お、お前。もしや、やっちまったな?」



「はい、そのようでして・・・お婆さま。」



「なんですとぅ~、ホンマニ?」



「ええ、ほんまに。」



「おまえまさか、壊しちゃったの?」



「はい、そのようでして・・・お婆さま。」



「おやおや、それにしても冷静だね。ちゃんと語尾に「お婆さま。」を付けちゃって。」



「はい、お婆さま。」



「アンタって子はまともなんだか何だか解んなくなってくるよ、もう!」


とうとう最後の頼みのVRマシーンを喪失した二人はトボトボト通路の先へ進んでいった。

すると、向こうから何やら人影が駆け寄ってくるのに気づいた。タッタッタと軽やかな足音を響かせながらランプを照らすその姿は3人。



「あれっ、もしかして・・・」



「おう、お前達も乗船していたのか・・・しかし此処は危険だ、さぁ逃げよう!」



3人はナリミーとハイジ、ソルジャーだった。

ウメは3人の無事を見てホッとする。



「それが・・・ダメなんだ。この船に隔離されてしまっていて出られない。」



「しかしそれでは・・・船長の餌食になっちまうよ!俺たち3人が船内にたどり着くや、この船の船長からのMissionとクエストをこなしながら船長室に辿りついたのだが、どうやらその船長の罠で我々を捕らえフランクのところに突き出そうとしているようなんだ。」



「何だって?どうしてそれが解ったんだ?」



「それは・・・僕らは既に憑依されてしまっているからなんだよ。」



「え?一体何を言っているんだい?」



「それはね、僕らが船長の居場所を突き詰めたときに、船長から歓迎の意味をこめて美味しいディナーをご馳走していただいたのさ。

それがね、実は幽霊の腐敗した肉だったようなんだよ。食べ終わってご満悦だった僕らに船長がそっとこう告げるんだ~~~~


「どうだい、お口に合ったかね?私は料理が得意でねぇ。これらの料理は幽霊の肉なんだ。これを食べた皆んなは、今日から我々の見方になったのだよ。もし私に逆らったらその場であの世行きさ!」 ってね!」



ハイジの楽しそうな熱弁を聞いたウメと宗谷は、見る見る青ざめていくのだった。

しかも宗谷も先ほど美味しそうに死肉を食べていたのだったから、もしかして宗谷も・・・


悟ったウメは、一人血相を変えて真っ暗闇の来た通路を駆け出していくのだった――――




~*~*~*~*~*~*~*~






~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


////////// To Be Continued ☆☆☆☆☆







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