第28章
VRツアーに参加したとある精神科医があちらの世界でドアーフってどういうこと?! 第28章
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Scene.39
ウメは内緒のMissionが表示された事にとりあえず従う事にする。
このことはいずれみんなに話すとして。
「ここは私が宗谷の介抱をするから、貴方達は引き続きナリミーとソルジャーの捜索をお願い。さぁ早く!」
キッ、とウメに睨まれたことにおののいたフォー仙人は傍らで半狂乱のキャンの手を引っ張る。キャンはパンツがずり落ちそうになりながらも引きずられていった―――
ウメには七面鳥に見えるが、海賊の幽霊の足をくわえ続けている宗谷。
やっとのことでそれを引き離すと、とりあえずひっぱたいてみる。
「おやおや、この足そんなに美味しいのかい?それよりもっと美味しいものがあるよ!」
ウメの言葉にふと我に帰る宗谷。ウメはホット胸を撫で下ろす。
「お婆さま、それは何処にあるの?」
「いいから着いてらっしゃい!」
そう言うとウメは宗谷を連れてキッチンを抜け出し、通路を戻り始める。
「お、お婆さま、皆を助けるんじゃなかったの?」
「へ?このアタシが?私はそんなにお人よしではなくってよ。こんな所に居たらおかしくなっちゃうよ。さ、帰りましょ。」
スタスタと通路を帰り始めるウメが通路を戻り始める。それを黙って追う宗谷。
甲板に出る最後の扉が見えてきた頃、またもウメのVRディスプレイが表示される~~~
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~Mission~
ウメさん、そんなに急いでどちらへ?
残念ながら君達はこの船内から出ることはできません。
私が隔離しました。
ただし、クエストを攻略する事ができた暁には考えてもいいでしょう。
くれぐれもこの内容は他言してはなりませんよ。
それでは早速始めましょう~~~
クエスト1:
今日の僕のパンツの色は何色でしょう?
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ウメは鳩が豆鉄砲を食らったようにポカンと口を開ける。
だって、よりにもよって見ず知らずの人のパンツの色など解る筈ないし・・・
「そうねぇ・・・じゃ、トラ柄。」
宗谷が変な言葉を発するウメを黙って見つめる。
すると再びディスプレイが表示される。
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正解!
それじゃ、続けてまいりましょう~~~
クエスト2:
一体僕は誰でしょう?
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またもやおかしな質問に当惑するウメ。
「何よ!会ったこともない人のことなんて解りっこないじゃない!
だけどぅ~そうねぇ、幽霊船の船長さんかしらね?」
またもや変な言葉を発するウメ。
すると再びディスプレイが表示される。
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またもご名答!
それではご褒美としてこれを差し上げよう。
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するとウメのディスプレイのナビアプリが起動し、地図が表示される。
どうやらどこかへ案内するようだ。
ウメは表示される矢印に従って歩き始める。宗谷もそれに従い着いていくのだった。
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Scene.40
ネロ伯爵憑依中のフォー仙人は、よろよろと歩くキャンの手を引いて先を急ぐ。
「もぅ~嫌だよぅ・・・こんなにいっぱい幽霊だらけじゃないのよぅ~」
「キャンや、出来るだけ下を見ないように歩けば大丈夫だよ。それより君の手は柔らかくてモチモチだねぇ、ウヘッ。」
「何よぅ、よりにもよってこんな時にぃ!このエロ仙人。」
「そんな事言っちゃって、満更でもなかろうに!」
「へ?あんたパカね。」
「そうでもないさ。」
「その証拠に鼻毛出てるを。」
「な、なんと!これは私としたことがっ。」
「今更何言ってんのよ、いつものことじゃない、キャピッ!」
「なんですとぅ、このジェントルマンに向かって。」
「キャハッ!そんなにテカテカした頭しちゃってさ、本当はランプ要らないんじゃないのぅ?」
「そ、そんなことないもん・・・」
「あら、ゴメンね。ワタシちょいと言い過ぎたかも・・・」
「じゃ、チューしてちょっ!ほらここ、ここに。」
「ちょっと何よっ、幽霊が見てるわよっ!」
「あ、それもそうだね。」
仲がいいんだか悪いんだかへんてこカップルの珍道中が始まったのだった。
すると、仙人フォーのVRディスプレイが表示され始めた。
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~Mission~
これから君達にクエストをクリアしていただくとしよう!
それでは始めよう~~~
クエスト1:
我が船が襲撃されたのは今から20年前のことになる。ドラゴンの大軍を率いたある暴君との戦いはそれは悲惨なものだった。始めは我々も果敢に戦い優勢ではあったが、ある暴君の操る魔術によって、ついに我々は全滅してしまったのだ・・・それではその暴君とは一体誰かな?
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このクエストによりネロ伯爵憑依中のフォーが動揺する。確かに我々もドラゴンを操っての戦いは経験している。しかし、魔術を操った戦法をとる汚い奴はアイツ只一人に違いなかったから・・・・
「フランク・・・だね?」
フォーがクエストに応えるも暫く応答がなかった。
そして静かにディスプレイが表示される。
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正解。
実は、このクエストに答えられたのは君が始めてだ。
ということは・・・この事を知る只一人の人物、そう、君はネロ伯爵だね。
久しぶり、ワタシは君のかつての親友、幼馴染のミケロッティ伯爵だ。
そして今、私の名を偽って成りすましたフランクが君達よりも先に王家との交渉に臨もうと画策している。風のウワサで聞いたのだが――――
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////////// To Be Continued ☆☆☆☆☆




