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第148章


ーーーー***〜〜


辿り着いたこの孤島の砂浜から鬱蒼とした林の小道へ入ったドアーフ一行は三時間ほどで辺りが徐々に開けてくるのが見て取れた。



元精神科医ナリミー「皆さんさぞかしお疲れ様でした。そろそろこのVRマップによると街に出られそうですよ。まずはお腹減ってきたでしょうから食堂を探しましょう!」


元田舎のお祖母様で今キャピキャピギャルのウメ婆さん「おお、ようやく街が近づいてきたようじゃが、まだ全く民家さえも見えてこないのぅ。ホントにそのMAPの情報は正確なのだろうかねぇ。」


ナリミー「何を仰られていますか、だって貴方の甥っ子の王様☆宗谷さんから受け取ったVRコントローラなのですから信頼性はある筈ですよね。」


元キャバ嬢キャン「そうなのかな?私は逆に心配ナノらッペ。だって王様になった途端に人が変わったようなんだもんルル……」


ウメ婆さん「そうじゃな。宗谷の話じゃこのVRツアーの企画までは行ったが、マシーンに関する殆どは「ナリミアン@コーポレーション」というシステム会社に任せたそうじゃ、よく知らんけど。」


元自宅警備員ハイジ「ナリミアン?何処かで聞いたような……」


元自衛官ソルジャー「へへ、なんだかナリミーの会社みたいな名前だなッ。」


ナリミー「わ、私は関係御座いませんからね、悪しからず……」


ハイジ「本当ですかぁ?ちょっと思い出したのですが、「ナリミアン@コーポレーション」はハイテク産業の大手であり、特にVR関連のシステムではトップシェアを誇っています。しかし数多くの訴訟問題も同時に抱えており最近ではシステムの安売りで集客している模様……」


ウメ婆さん「ナンジャと、さては宗谷は安物をつかまされたって事か?じゃ故障とか不具合が起きても不思議はないのぅ。なるほどそれで納得じゃ。最もログアウトできなくなってるのも事実だし、今まで海賊船とか変な場所へ案内されたのもそのせいじゃろ。それゃメーカー訴訟に発展するのも当然じゃな!」


キャン「アタシ達訴えたくても帰れないから、意味ないじゃないルゥ〜ルルル……」


ソルジャー「そうだな、仙人フォーの白魔術が解決策だったのに彼も見つからないし、これじゃ八方塞がりだな!」


ナリミー「ほらほら皆さん、お腹空いてる時ってつい感情が高まってしまいますからまともな議論はできません。とりあえずこのVRコントローラの情報を信じて先を急ぎましょうか!」



ようやくCAリンリンとケントも追いついてきたので、もうひと頑張りするドアーフ一行であったーーー




ーーーー***〜〜〜〜


仙人フォー「マドレーヌ、このフレンチ中々の味じやのう、こんな美味いのワシは初めてじゃ!今までのとジェンジェン違う。」


マドレーヌ「そ、そうですわね。多分貴方のお話から察しますと今迄召し上がられてたのはどこぞの多国籍料理店のお味では?」


仙人フォー「おお、そうかもな。店の名前は「ナリミアン飯店」とか言ったな。確かチェーン店だよ。」



マドレーヌはその名前を聞いた瞬間、咄嗟に立ち上がるや、隠していた何かを急に思い出したように虚空を見つめているではないかッ!彼女のあまりの豹変に戸惑うフォー。



仙人フォー「ど、どうなされたマドレーヌ?ワシが何か悪いことでも言ったかな……」


マドレーヌ「私は……何でこの場所に?そして貴方は仙人フォー?一体どうしたっていうのかしら……」


仙人フォー「おお、ようやく白魔術からお目覚めですかな?きっとあの悪党フランク伯爵にかけられてしまったのかもしれませんな、クレソン女史!」


マドレーヌ扮していたクレソン女史「フォー、貴方は何故私が先ほどまでフランクと一緒に居たのだとご存知で?それよりもフランクは一体何処へ行ってしまったのかしら……」



仙人フォーは背後に何か気配を感じ後ろを振り向くと、カウンター席から新聞紙越しにフランク伯爵と思しき人物がこちらを伺っているのが見える。そして仙人フォーは彼の所へと向かった。バレたかッ!と悔しそうな表示のフランクではあったが、ようやく観念したのか仙人フォーに連れられてクレソン女史のテーブル席についた。



仙人フォー「ほれフランクや、クレソン女史に事情を説明するのじゃ!」


クレソン女史「一体貴方って人は……何故私を騙したの?」


フランク伯爵「だって君のことが好きだったんだもん、ひと目あったその日から〜〜〜貴方があの王様☆宗谷に取られてしまってからというもの私は完全に精神を病んでしまいました。そして半ば放心状態でジプシー生活の旅が始まったのでして。でも諦めることができず、今回の作戦に及んだ次第でありまして……貴方が宗谷と別居されていて寂しそうでしたので私はこれをチャンスと考えました。そして貴方に接近しました……」



クレソン女史は唖然としながら黙ってフランクの言葉を辿っている様子。仙人フォーはあきれ顔で彼を質問攻めにする。



仙人フォー「それはお前さんの勝手な解釈じゃろ。それでお前さん彼女に白魔術をかけてしまったらただの略奪じゃろうに!まるで誘拐じゃな。」


クレソン女史「待って下さい、実は私も悪いのです。確かに我が夫王様☆宗谷との間は冷え切っていました。彼はこのVRツアーの世界を構築し、王として君臨することに執着していましたからね。私のことについては大事にはしてくれていたとは思いましたが、なんだか飾りのように奉られたので私のほうが病んでしまって一人になりたいと相談したら別邸まで用意してくれたのですからね。音は優しいのは解りますが、愛は無かったのかなと……しかしフランク伯爵はそんな私を暖かく迎えてくれたのです!」


仙人フォー「な、なんとぅ相思相愛?こりゃ私の出番は無さそうじゃ……じゃなくて、じゃあ本題に入ろうか。何故ワシをこちらの世界に誘拐したのじゃ?」


クレソン女史「誘拐なんて、人聞きの悪い。違いますわ、私は貴方を宗谷が利用するのを救った迄で御座います。宗谷は貴方の卓越した白魔術の力を利用して独裁国家を築こうとしていたのです。そしてフランク伯爵にそれを食いとめる策として講じたのは、悪魔除けの白魔術の入った玉手箱を貴方に手渡す事でした。貴方はそのお陰でこちらの世界に来ることになりましたが、これで宗谷の野望を封じ込めることが達成できたのです。私達はこれで明るいVRツアーが送れると一安心かと思いました。

 しかし新たにフランク伯爵の情報ネットワーク機関がキャッチした調査内容では、どうやら真の独裁者は宗谷ではなく、もっと恐ろしい人物が新たに浮上したのでした……その回答は、元精神科医、ナリミーさんだと言うのですから……」


仙人フォー「な、ナンジャと、あのナリミーが?」







///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜







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