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第143章

〜〜〜***〜〜〜


 ひょんなことに母親ドラゴンちゃんに咥えられて王家へと帰還した仙人フォーがこの王家を揺さぶるばかりか人民の命運を左右しかねない大事な「人生履歴台帳」をパクった事、その理由が王様☆宗谷が頼りないからだと聞かされたことに宗谷はこのVRツアーを企画したことすら後悔し始めていたのだった〜〜〜〜



王様☆宗谷「なぁミケロッティ伯爵、君ならどのようにこの状況をお考えだい?」



ミケロッティ伯爵「もちろん親友の仙人フォーの意見を尊重したいところですが、これまでのフォーの行動から彼のことを全ては信用することなど出来ません。残念ながら彼をログアウトさせてあちらの世界に帰ってもらうのが得策だと考えます。

 逆に宗谷様にご質問ですが、貴方が企画したこのVRツアーについて貴方はどのような目的をお持ちに成られたのでしょうか。正直こう言っては失礼かと思われますが、皆の衆を人選して導いて参られたのはあなたの欲望のためなのでしょうか?」



王様☆宗谷「そうですねぇ~、確かに当初は王家を我が手中に収める欲が無かったわけではありません。そのために必要な秘められたスキルをもつ方々を白魔術によって解析し、各分野から人選して召喚しました。

 そうして私の欲とエゴから来る計画もドワーフの皆の衆とこうして旅をしているうちに、なぜか不思議なことに私の考え方は変化させられました。だから王位に就いた今は人民の平和のために尽力してゆく必要があるのです。そのためには何かと手を煩わせがちな仙人フォーの力が必要なのです。だから彼をログアウトさせるなどもっての他ですからね。」



 王様☆宗谷の話にこっそりと耳を傾けていた仙人フォーは何故か動揺し始めると宗谷に向かって口走るーーー



仙人フォー「やや、王様何を仰りまする、このふつつかな私めなど貴方の邪魔をするばかりで到底貴方のお役に立てるはずなど御座いませぬ。よって私めをあちらの世界へログアウトなさって頂けませんか……」



王様☆宗谷「ハハッ、何をご謙遜なさいます。貴方はこれまでフランク伯爵の側近としてご活躍なされた成果として今のフランク領のシェアが途轍もなく強大に支配されたのをあの「人生履歴台帳」にてとくと拝見させて頂きましたので私は存じ上げております。貴方のこれまでの成果を今度はぜひ私たちと平和な国づくりを念頭により高めてゆく事が貴方にとって大きな功績と成りましょう!」



仙人フォー「ケッ、そ、それは……これまで貴方の反勢力側としてフランク伯爵について参った私めが、貴方のお役に立つことなど不可能で御座います。老い先短いこの仙人を、どうかあちらの世界へとすっ飛ばしてやっては頂けませぬか?」



ミケロッティ伯爵「何言ってんだよ、フォー!お前さんと俺は幼い頃からの親友じゃないか。フランク伯爵だってようやく心を入れ替えたんだから皆で新たな国づくりをしようじゃないか!」




 いつの間にかそれぞれのドラゴンちゃんに分乗して秘密の王家へのルートを辿って飛来し到着したウメ婆さんやドワーフ一行も彼らの話に耳を傾け始める〜〜〜



ウメ婆さん「おいフォーや!ワシらが力を合わせればどんな荒波だって乗り越えて行けよう!なにせ今までのこの長い王家へのルートを苦労しながら辿り着くことが出来たのも、そう、アンタのおかげなのだからな。おいキャンや、例の物をフォーにお渡し。」



 すると真夏の日照りの中の長旅で真っ黒に日焼けした元キャバ嬢のキャンが何やらフォーにピンクのリボンが掛かった白い箱を手渡すや呟く。



キャン「ほらほら、貴方の本当に欲しかったものをアタシ持ってきてあげてわよッピ!この箱あけてみてネッピリピ〜ッ!」



仙人フォー「な、なんぞやわ皆さんお揃いで!そしてワシの本当に欲しいものって、もしかして……例のアレでござるか?」



キャン「そうよ、アレよアレアレ〜ップピッ!」



仙人フォー「なんなんだ今のプピッて音は?もしやお主まさかアレではござらぬよな?」



キャン「いやんアレアレ〜〜ッププップルピ〜ッ!」



ウメ婆さん「お、お前ら何をヒソヒソやっておるのじゃ、早うその箱開けんかいッ!プピッ……」



仙人フォー「お、お主もそう来たか!そうと来たならばワシも黙ってはおれぬぅ〜ッ!ブベッ……」



元精神科医ナリミー「貴方がたと来たらなんてお下品な……兎も角フォーさん早いところその箱を開けてみてはいかがでしょうか?」



仙人フォー「そ、そうじゃったな……ん?いや待てよ、お前ら妙にワシにこの箱を開けることに熱心じゃないか?さては「ワシの本当に欲しかったもの」とうそぶいて何か悪巧みをしてはおらんかな?この玉手箱を開けたら煙が噴き出てお爺さんになっちゃったりはしないよな?」



元自宅警備員ハイジ「それは面白い!て言うかぁ〜、貴方は既に立派なジジィだと自覚なさってなかったのですか?」



仙人フォー「ナンジャとぅ〜!アッシは仙人やさかい歳はとらへんの!ほらこのピチピチ度合いを見なはれ!」



フランク伯爵「い、いつの間に人魚のコスチュームに化けて……アレ?そういえばキャンもウメ婆さんまでもが……これじゃまるであの時のピチピチ人魚三人娘復活ではあ〜リませんかッ!」



元自衛官ソルジャー「そんなら例の物って箱の中身は人魚のコスチュームだった訳?」



仙人フォー「いやいやまだジャよぅ〜!開けとらへんよ。そんなにワシにこの箱の中身を開けさせたいか?もしやあの時のようにカラオケバトルを開催するために金のマイクが入っていたりはせぬよな?どれどれではお言葉に甘えて……カパッ!」



 今やピチピチ人魚のコスチュームでノリノリとなった仙人フォーか白い箱のピンクのリボンを解いて箱の蓋を開け放つや、何やら凄い勢いでモクモクと真っ白な煙が湧き出すではないかッ!あまりにも凄い煙が辺り一面に広がると皆の視界が遮られる。暫く煙が漂ったあと、徐々に視界が回復する〜〜〜



ハイジ「みんな大丈夫か〜?あれ、フォーは何処?」



ウメ婆さん「そういえば見当たらんが、まさかまたもやアイツはトンズラこいたのか?キャンや、あの箱には何が入っていたんジャ?」



キャン「あれれ、おっかしいなぁ……私はてっきり人魚のコスチュームだと思ってたんだけどゥ……何処で変わったッピかなぁ?」



ソルジャー「あの箱、誰から渡されたんだい?」



キャン「んとねッ、クレソン女史。」



フランク伯爵「なんだって、あのクレソン女史が何故あの箱を……」



ナリミー「まさかこの異世界VRツアーから「ログアウト」したわけじゃないだろうか……だとすると真相はクレソン女史が握っているって訳か?」




 真っ白な煙に巻かれたドワーフ達の前で仙人フォーだけが忽然と姿を消したことに、彼らはただ呆然と立ちすくむばかりであったーーーー






///to be continued!☆☆☆〜〜〜





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