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第142章

 仙人フォーが盗み出した「人生履歴台帳」がようやくウメ婆さんの手元に戻ったものの、一同の気分は仙人フォーが一番乗りでこのVRワールドから脱出する可能性を知ると、複雑な表情でうなだれるのでした。

 何しろこのVRツアーに参加してからというもの、一行のVRヘッドが消滅した事で元の世界へのアクセスが絶たれたばかりか、ドアーフとして囚われの身となり労働を強いられた挙句にそのバイト代を仙人フォーにくすねられるなど散々な思いをすることになった。

 そんな中で王家へのルートをたどり着くと何でも願いが叶うという噂を頼りにした一行は元の世界へのログアウトを叶えるべく王の住処を探す冒険が始まったのだが、仙人フォーの画策した数々のトラップによって中々王の住処へとたどり着けなかった。そんな中、仙人フォーか誰よりも先にログアウト出来る可能性を聞いたのだから、一行のモチベーションはダダ下がりだったのだからーーー




ーーー☆☆☆〜



キャン「もぅ〜何とかならないのぅピリッ匕!クレソンさんは王妃何だから私達もログアウトするようにしむけてよぅルルル……」



クレソン女史「私もそのつもりで王様を訪ねたのでしたが、代替わりであのツアコン宗谷が王様に居座ってからというもの、方針が変わったのか訪ねてきた皆の願いを叶えるどころか、皆を配下に着けて現代の奴隷制度を復活でもしようと画策しているようなの。宗谷は変わってしまった……」



ウメ婆さん「な、何だって、それじゃ独裁者じゃないかね!まさかワシの甥っ子に限ってそんな事ありっこないわい!」



クレソン女史「いいえ、あの人は変わってしまった……きっと何かの怨霊にでも支配されてしまったようにね。あの人は魔物になってしまった……」



ウメ婆さん「ホントかねぇ〜、アタシがVRコントローラーで通話している限りではそんなふうに思えなかったのジャが……ならば確認する必要があるね。ヨシッ、皆のものいざ王家へのルートを辿ろうではないか!クレソンや、最短ルートを案内してくれ。」



 ウメ婆さんの一言で一行は王家へのルートの近道へとクレソンの先導で向かい始めるや、先程ドラゴンちゃんに首根っこを咥えられて連れ去られた仙人フォーが帰って来るではないか。そしてドラゴンちゃんが砂浜に着陸するや咥えるのをやめると、砂浜の上にドサッ、とフォーが落っこちる。仙人フォーはお仕置きされたのかその表情からは意気消沈の様子ーーー



ウメ婆さん「これはこれはお早いお帰りで。てっきりアンタが一番乗りでログアウトしてしまったのだと思っていたのだけどね!アンタが悪巧みするからこんな思いをすることになるんじゃよ。少しは分かったかな?」



仙人フォー「ログアウトですとぅ?それならご安心を。ワシはコチラの世界にどっぷり溶け込んでおるからそんな事は微塵にも考えてはおらんよ。

 そんな事より皆んな聞いてくれよぅ〜っ、この母親ドラゴンちゃん酷いんだぜぇ!オイラを咥えて飛んでった先は、里芋のバーベキューをしたあの火山で、なんと俺をくわえたまま火口まで行って謝るまで火あぶりしやがったのさ!酷くね?

 でね、その時俺の頭の中からスーッと何かが抜けてったのを感じたんじゃ!まるでワシは何かに憑依でもされていたかのようジャったがな……」



ウメ婆さん「またアンタ上手いこと言っちゃって、どんだけアンタに私達は騙され続けてきたと思っておるのじゃ?もうその手には乗らんぞよ!」



仙人フォー「ナンジャと?ワシがいつあんたらを騙すような事をしてきたのジャ?覚えてはおらんが……ほら、フランク伯爵と間違ってはおらんか?」



フランク伯爵「私は改心ししてから誰も騙してなんかいないもん……やっぱり、あの時のアンタは魔物にでも憑依されてたのかもな。」



クレソン女史「それではまだ信用ならない仙人フォーはコチラに放って置いて、早速私達は王家へのルートへと向かいましょう!」



 一行は仙人フォーと彼の親友ジョーだけを置いてその場を後にするのでしたーーー





ーーー☆☆☆〜〜



 王様☆宗谷は皆が自分の独裁政権を駆逐するために乗り込んでくるとは露知らず、クレソンの保養所でもあった食堂でディナーを嗜んでいた。



宗谷「ところでクレソンは一体何処へ行ってしまったのだろう、ワシに黙って外遊とはけしからん!」



ミケロッティ伯爵「いつも行かれるリゾート地についても探させたのですが、一行に行先は不明でございまして……」



宗谷「そうなのか……するとクレソンは私に内緒でリゾートに向かっているのか?怪しいな、ウメ婆さん以外にあの「人生履歴台帳」の事を知ってる一人がこのタイミングで外遊とは何かこの件に関係してやしないか?」



ミケロッティ伯爵「私も何か不審には感じたのですが……先日クレソン様のお伴をしようとしましたら、「付いてこないで!」と咎められましたので、その場では従う事しかできませんでしたがーーー」



宗谷「なるほど。もしも本当にクレソンがリゾート地に居るのなら、私から彼女にアポイントメントを取ったほうがよさそうだな。ならば早速だがミケロッティ、馬車を用意したまえ!」



 王様☆宗谷はミケロッティ伯爵と共に馬車に乗り込んだその時、上空から何やら大きな物体が舞い降りてくるではないかッ!それはドラゴンちゃん親子であり、母親ドラゴンちゃんの口にはなんと仙人フォーが咥えられて居るではないか。フォーの表情はもはや疲れ切っている〜〜〜



王様☆宗谷「な、なんぞやわ〜ッ!何故に仙人フォーの奴が……」



 すると母親ドラゴンちゃんが仙人フォーの首根っこを捕まえたまま話し出す。



母親ドラゴンちゃん「王様、この仙人フォーが貴方のお祖母様であるウメ婆さんから大事な「人生履歴台帳」を奪ったのです。台帳はウメ婆さんの手に戻されましたが、この仙人めにどうか厳しい罰をお与えください。」



 母親ドラゴンちゃんの言葉に動揺する二人。宗谷は仙人フォーに質問する。



王様☆宗谷「フォー、それは本当なのか?なんでそんな事を……」



仙人フォー「そんなに聞きたいならば話してやろう。それはじゃな、お前さんの立ち居振る舞いが王様としてどうにも頼りないからじゃ。そもそも前代の王様の勘違いからお前さんが選ばれたのが事の発端なのじゃが、お前さんと来たら自分の目的の為には手段を選ばずドアーフの仲間たちを利用するばかりか、大事なクレソンを別棟に幽閉するように住まわせたりし、まるで独裁者そのものへと変わっていったのがワシとしてはどうしても許せんかったのジャ………

 やはりお前はまだ青二才じゃから、ワシがお前さんの代わりに人民にとって幸せな政治を司るためにもと、台帳の盗難を画策したのさ。この台帳さえあればお前さんの過去の行動履歴から、人民の幸せにとって相応しくないことを証明出来るんだからなッ!」



 王様☆宗谷を睨めつけて語る仙人フォーの言葉に図星なのかギクリとする宗谷が戸惑いながら更に言う。



王様☆宗谷「確かに貴方がたに黙ってこのツアーを計画していたことは謝ります。ですがフォー、これだけは確かなのですが、私はこのツアーは貴方がたやドアーフが居なければ成り立たないと始めから確信していたのでして、決して裏切りな訳では有りませんので。」



仙人フォー「何を抜かす、そんな嘘が通るとでも思っておるのか?お前はフランク伯爵まで悪者として皆に伝えたが、永きにわたりフランクの事を知っておる私からしたら彼はビジネスマンとして秀でているばかりか、傲慢な独占欲を備えてはいるが全ては人民にとって暮らしやすい世界を創造する手段であった。君のように自分のエゴと欲望だけの為に動くような人物とは真逆だ!君は自分がコチラのVRワールドを支配する為に我々を利用しただけの輩なのじゃ!いつからお前は魔物に憑依されてしまったんじゃ!」







///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




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