表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/150

第140章

「人生履歴台帳」が何者かの手によって盗み出されたことでフランク伯爵に嫌疑がかけられている事も露知らず里芋の火山バーベキューで腹越しらいをしてご満悦であった。ドラゴンちゃん親子の話によると北国にあるというその楽園へ向けて一行は夜間飛行していたのだった。


 何日も食事をまともに取っていないフランク伯爵を可哀想に思ったドラゴンちゃんに連れられてご馳走になったばかりか、疲れも見せずに夜通しずっと飛び続けてくれたおかげで一気に楽園に辿り着くことが出来たのだった。そして弧を描きながら下降して降り立った頃、その楽園と呼ばれているこの北国の島は朝陽に照らし出されてゆくのだったーーー



フランク伯爵「ここはどうして楽園と呼ばれているんだい?」


母親ドラゴンちゃん「それはね、真っ白な雪化粧の美しさもそうなんだけれど、春になって草木が咲き乱れたその景色を見ればわかると思いますよ!」



 ドラゴンちゃん親子が舞い降りたその岬の突端から昇る朝陽が神々しく徐々に楽園を浮かび上がらせてくると、フランク伯爵は美しさのあまり言葉を失うのであった……



フランク伯爵「これが楽園と呼ばれる由縁なのかッ!なんて見事なんだ……」



 暫く周りの素晴らしい景色を堪能する一行。するとそこへ一人の人物がやって来たのだったーーー



フランク伯爵「ん?お主は……なんだよジョーじゃねぇか!何してんだこんな所で?今頃おまえさんは王家の要職をもらって悠々自適な生活を送ってるんじゃなかったの?」


ジョー「それがなフランク……聞いてくれよ、あの王様☆宗谷と仙人フォーの奴ら酷いんだぜぇ!とんだ詐欺師で大嘘つきだったのさ。」


フランク伯爵「それって一体……何があったんだ、ジョー!」


ジョー「何しろねフランク、王様☆宗谷って奴は約束破るの平気でさ、王家へのルートを達成した者に何かしらのご褒美を授ける、という昔からの習わしさえも守らないばかりか、私の親友として付き合っていた筈の仙人フォーと何やら結託してオイラの事を追放しやがったのさ!」


フランク伯爵「何だってそんな事するんだ!ま、私も考えてみたら君と同じように何のご褒美ももらっておらんがな……そしてこのジプシー生活で飲まず食わずの有様、こんな事なら最初から王家へのルートなど探さなけりゃ良かったよ、時間の無駄さ!」


ジョー「そうだったのか……こちらの見慣れない所でドラゴンちゃんは?」


フランク伯爵「あまりにも惨めな私を見つけたドラゴンちゃん親子のお陰で私は里芋バーベキューまでご馳走になり命拾いしたんだよ。そして楽園と名高いこの島まで送ってもらったのさ。所でジョーは何で此処に?」


ジョー「それが、宗谷の城から追放された私はあの王家へのルートを戻って帰るつもりだったんだが、その途中のビーチリゾートでクレソン女史に出会ったのさ。彼女も一足前に王家から脱出していたのだがまさに偶然でね、そしたら彼女は僕の行先への最短ルートを案内してくれたのさ。」


フランク伯爵「と、言う事は彼女も此処にいるって話?」


ジョー「そうさ、そりゃ勿論!今頃浜の見渡せるコテージで人魚のコスチュームでもして寛いでいるんだろうけどねーーー」



 フランク一行は早速ドラゴンちゃんに跨ると、島の反対側にあるという真っ白な砂浜へともうすっかり雲一つなく晴れ渡る真っ青な上空へと飛び立ってゆくのだったーーー




ーーー☆☆☆〜〜


 その頃クレソンはコテージのデッキでキール片手に佇みながら遠い目でさざ波を眺めている……そう、私も王家へのルートを攻略した時に何故あの若造の宗谷が王様として即位したのかが疑問であった。

 しかもそのために召喚までされて居たことも。まさか王家の血筋だとはあの行動を見る限り信じられなかった。

 しかしそれもコレもこの私の手元にある「人生履歴台帳」に内容が全て記載されているから知ったのですがね。私が手配したスパイによってウメ婆さんの手から奪還することが出来た。そして今、その大事な台帳が私の手元にあるのね。今頃ウメ婆さん一行や王様☆宗谷や仙人フォーが困り果てているだろうよ、フフッ!するとそこへ思いも寄らない人物が現れたのだったーーー



仙人フォー「やはり此処にいらっしゃったのですね、クレソン様!どうして私からお逃げになられるのでして?昔はこうして一緒に人魚のコスチュームでカラオケ大会で盛り上がったではないですか、あの頃のことお忘れですか?」


クレソン女史「そんなことはないけど……じゃなくて、ちょっと何でアンタは私のこと追いかけてくるのよ!」


仙人フォー「先程王様☆宗谷様のVRコントローラに入った情報を小耳に挟んだのでちょっと気になりましてね。実は王家代々に伝わる言わば閻魔帳とも言える「人生履歴台帳」が紛失しまして。というより手口から盗難に遭ったのですが、私が思うに、もしかしたらクレソン様がそれについて何かご存知なのではと思いましてね。」


クレソン女史「ハッ?まさかアンタ、私がその台帳を盗んだ犯人だと勘ぐっているの?」


仙人フォー「はい、左様で。と申しますか何かご存知では?」


クレソン女史「アンタっていつも失礼なのね!私がそんな物を盗み出す意味がありまして?」


仙人フォー「ええ、十分に御座います。何しろ貴方の過去の履歴が事細かに記載されていますからね。それをどなたかに閲覧されるような事がもしあったのならば、貴方の今の王妃としてのお立場も怪しくなりかねませんからね、ヒッ!」


クレソン女史「フォーや、アンタいつからそんな疑い深い意地悪な性格になってしまったのよ!昔はあんなに皆んなで人魚の三人娘として鳴らしたじゃないのよッ!」


仙人フォー「クレソン女史、そう言う貴方の方こそ変わってしまった……何故なのです、貴方は心の優しいお人でした。よりにもよってあんな宗谷などと結婚されたのはどういう理由で?

 ほら、答えられないじゃろ?元夫のミケロッティ伯爵を差し置いてまで貴方が宗谷の妻となったのは、お金の虜となったからなのじゃ!実は宗谷は魔物で、そして貴方はその魔物に魔法をかけられてたのではないかな?」






///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ