第130章
ドラゴンちゃん☆ヒロトが愛想を尽かして飛び立っていった丁度その頃、フランクはある人物と密会を行っていた。その人物とは仙人フォーのかつての親友ミケロッティ伯爵であるーーーー
フランク伯爵「そう申されましてもフォーの奴私のことを毛嫌いしていますのでそれは不可能かと……」
ミケロッティ伯爵「それはそうだろうよ、お前さんがドアーフとして傍若無人にも彼に対して行ってきた数々の裏切り行為を考えれば当然そうなるだろ?しかしだ、彼だけが「王家へのルート」を辿って王に会った唯一の人物なのだぞ。ならば彼に聞くしか術は無かろう!」
フランク伯爵「ですから、貴方がフォーと親友なんですから聞いてくだされば良いだけの話じゃないですか。何故それが駄目なので?」
ミケロッティ伯爵「ワシはな、フォーには途轍もない借りがあるのじゃ。そしてそのせいで彼に対して負い目から顔を合わせることを金輪際やめているのじゃよ。分かってくれ……しかし何故君は困難なクエストを経てまで「王家へのルート」を見つけ出し、そして王に会わなければならないのさ?」
フランク伯爵「それは……私にはまだまだ成し得ない野望があるのですよ。貴方には決して理解すらできないでしょうが。」
ミケロッティ「ほう、既に君の野望は叶っているも同然だろ?王家の領地の大半も実質的には君の手の内に収まっている。なのに、君は一体何処まで欲張りなんだ!」
フランク伯爵「いいえ、そういう事では御座いません。と申しますのも、私が大学時代に同級生のマドンナであった彼女こそ、王の一人娘なのでして……彼女もまだ独身で居ると風の噂で聞いています。そこで私は彼女の事をずっと片思いしていた事を告白したいのです!アッ、言っちゃった……」
ミケロッティ伯爵「甘いな。彼女は君のことなんぞ眼中には無いな。何故ならば……彼女はフォーのことが……アッ、何でもありませぬ……」
フランク伯爵「な、何ですとぅ?そんなパカな……まさかあの仙人フォーと付き合っているのか?」
ミケロッティ「お前さん早とちりするなよ、ワシはそんな事一言も申してはおらんぞよ。フッ。」
フランク伯爵「な、なんですかその不敵な笑みは?もしかして私をからかってやしませんかぁ〜?」
ミケロッティ伯爵「べ、別に私としては貴方がどのように解釈されようが至って関わりは御座いませんので悪しからず。」
フランク伯爵「何で急によそよそしいその素振りは……アンタ何か隠してるだろ?」
ミケロッティ伯爵「あ〜そうさ!何やかや言ったってワシとフォーとの間柄だから部外者のお前さんが幾らワシにいい顔したって知らんぷりをつきとうす覚悟でございまするぅ、プッ!」
フランク伯爵「何だよ、いつからそんなに聞き分けの悪い子供になったんだい?君のママもそんな育て方した憶え無いと申しておりました、ケッ!」
ミケロッティ伯爵「お、オマエナンゾがワシの人生の事どんだけ知つとんじや。オマエのお母さんだってそんな子供ウチにはおりません、って申しておりましたッ。」
フランク伯爵「お前このコーヒーになんか変な物入れなかった?まさか俺がナッツアレルギーある事知ってて……ウッ、たふけてぇ〜」
そんなこんなで夜更けまで二人の密会は続いたものの、ミケロッティ伯爵の余りに唐突な反則技に玉砕されたフランク伯爵は、そのまま気を失うと彼の地のVRワールドへと連れ去られてしまったのでしたーーー
〜〜〜☆☆☆
フランク伯爵「ええと、此処は一体、何処なんだ?」
フランクが気づいたのはある一室のベットの上でした。窓外から光が差し込むのが眩しい広い寝室はホテルなのだろうかと思うくらいきちんと片付けられている様子。暫くミケロッティとの話を回想してみる〜〜〜
フランク伯爵「そうか、私はあの時ミケロッティ伯爵がコーヒーに混ぜ込んだナッツの影響で気を失ってしまったようだった……しかし、この部屋には見覚えもないが、密会い行ったミケロッティの家とも外の景色が異なる様子…一体此処は何処なんだ」
すると戸外からこの家の給仕だろうか、若い女性が食事を載せたワゴンを引いて寝室に入ってくるーーー
女性「あら、お目覚めのようですね、良かった……担当医の話を聞いたとき一時はどうなるかと心配しましたよ。さ、宜しかったらコチラにランチをお持ちしましたのでお召し上がりくださいませ。」
フランク伯爵「それより私は何故此処へ?ミケロッティ伯爵の家に居たはずなのだが……」
給仕「伯爵って?私も詳細は存じ上げておりませんが、貴方は「王家へのルート」の途中の雪山で遭難されているところを発見されたそうでして。その辺りではよく遭難事故がありますので地元の人々は手慣れたものですから。」
フランク伯爵「なんですって……私が「王家へのルート」に……そんな筈が!」
///to be continued!!!☆☆☆〜〜☆




