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第127章

 「イケニエ」として囚われの身となったフランク伯爵。目の前には仙人フォーにソックリなラクダ隊の先導者。

 どう見ても容姿は仙人フォーなのだが、コチラのパラレルワールドに居る目の前の彼は、神々への熱心な信者であり、神への捧げ物として自分を火の中へぶち込もうとたくらんでるのだったーーー




ーーー☆☆ー


フランク伯爵「あのぅ、どうかお考え直していただけないでしょうか。何も生きた人間を捧げ物にしなくても、他の動物にするとか違う方法を取る事も可能だと思いますが……だって凄い残酷なことだとは思いませんか?先導者様。」



先導者「せんどうしゃ?おお、未だワシの名前すらお前には伝えていなかったが、ワシはペペロンと申す。ま、今さら伝えてもしょうがないがな。この儀式は我が部族の古くからの習わしなのじゃ。だから今更他の方法に入れ替えることなどできやしないんだよ、だから諦めて従ってくれ。」



フランク伯爵「仰ることは何となく察しはつきますが、ただ、何もワタシでなくても良いじゃ御座いませんか?」



長老ペペロン「ならばそなたが逃がしたあの砂漠の真ん中で捕らえた奴を連れて来るがよい。しかし何れにしても誰かを神の供物として捧げなければならない……」



フランク伯爵「それでしたら貴方がた新たな伝統を築くというのは如何でしょうか?貴方もこの儀式のしきたりに疑問を抱いているのが私にも感じられます。ならば新たな伝統を築くことで貴方の名前が後世に刻まれることになりますからね!どうです?」



長老ペペロン「何を知ったような口をきくな!お前に何がわかると言うんだ。これは代々継承された不変なものなのだ。だから我々も引き継いでいかねばならぬのじゃあ〜!おい、コイツを早いとこ吊るし上げろッ!」



ペペロンの合図によりキヤンプファイヤーの上にフランク伯爵を吊るし上げる支度が始まった。そうなるともはや手も足も出ないフランク伯爵はカタカタと身震いするーーーと、そこへ空から一筋の稲妻が走ると、何と突風が吹き荒れ始めたではないかッ!



ペペロンの配下「長老殿、これでは炎が辺り一面に燃え広がってしまいますよ。どうか今回の儀式は後日になさったほうが宜しいかと……」



長老ペペロン「ナンジャと、お前らワシの言うことが聞けんというのか?ワシが一度やると言ったらやるんじゃ!いいからもっと薪をくべるのじゃ!」



 恐ろしい形相の長老ペペロンの怒鳴り声に一同は手のつけようも無くただただ薪をくべてゆく。炎はうず高く火の粉を飛び散らせながら燃え盛り、日の勢いは大きくなって行くばかりーーー


 すると配下たちの予想通り吹き荒れる風もますます荒くなり周りの木々にも延焼してゆくではないかーーー



フランク伯爵「もしもしペペロンさん、ちょいとこの状況はまずいのでは御座いませんか?」



長老ペペロン「そうかなあ……でもお主は部外者だからいいから口を出すな。」



フランク伯爵「と、申しましてもワタクシだけが捧げ物になるところか、皆さんもご一緒にアチラの世界へと誘われてしまう可能性が高う御座いますが、そうなると私が旅先案内人として御一行様をアチラの世界ツアーに引率する事にもなりかねませんけれど宜しいでしょうか?」



長老ペペロン「お前さっきから何言ってるんだ?わかったよ、んじゃお前たちッ、今日の儀式は中止!早いとこ消化にかかれ〜ッ!」



 ようやく皆が右往左往にバタバタと消化作業に

あたっている隙にフランク伯爵はなんとか逃げ出そうと考えるのだが、未だキヤンプファイヤーの捧げ物として台座にくくりつけられたままで身動きが取れないばかりか、放置状態のため徐々に火の手が迫ってくる。



フランク伯爵「おうぃみんな〜っ、何かお忘れではありませんかーっ、てかだれかたすけぇ〜、アチチッ!」



 すると今まで荒れ狂っていた強風が次第におさまって来ると同時に上空から何やら飛来してくるのがかすかに見える。その物体はまるでこのファイヤーを目指すが如く弧を描きながら徐々に近づいて来るのだーーーそしてついに周りで燃え盛る森林の炎に照らし出されたのは3頭のドラゴン達。そしてその中の1頭が低空飛行で横切るや、ドラゴンの背に乗った連中が何か叫んでいるではないかっ!彼らは見覚えのある面々。確かに彼らは何度も私の敵となり味方となりを繰り返した悪友達ーーーそしてもう一度低空飛行でファイヤースレスレで突入したその時、一人が飛び降りる。それはあの元精神科医ナリミーだった。



ナリミー「大丈夫ですか〜、フランクさん、今ほどきますからね〜!」



 驚くフランク伯爵をよそに台座に縄でくくりつけられているのを手際良く救出する。すると消火を終えたペペロンの配下達が戻って来る。



フランク伯爵「ど、どうして此処に……ここはタイムリープ先だからアチラの世界から探し出すことなど厳しいはずではないですか?」



ナリミー「その話は後程ゆっくりと、さぁ早く脱出しましょう。敵がもうすぐ気づくころ、ほら飛び乗って!」



 遂にフランク伯爵の異変を見つけたのか駆け寄る配下達を尻目に何とか無事にドラゴンちゃんヒロトの背に乗っかる二人。そして真っ暗闇の空へと3頭のドラゴン達は飛び立ってゆくのでしたーーー






///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜











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