第125章
あまりにも強烈なフランク伯爵のニンニク臭たっぷりな屁によって失神した旧友ジョーは、想定外にもどちらかのパラレルワールドに飛ばされてしまったような状況となってしまったのであった〜〜〜
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フランク伯爵「おいジョーよ、いい加減失神したふりなどするなよう。」
しかしジョーには微塵として反応がない。しばらく無言のまま途方に暮れるフランク伯爵。仲間の海賊モンスター達も困り果てた様子でヒソヒソと口々に噂している。
「フランク様も人が悪いのぅ〜。何もあんなに強烈な攻撃を旧友に放つ必要があったのかな?本当は仲悪いんじゃないの……」
「ありゃひどいよな。俺だったら加減するけどね。」
「いいや、ジョーが栽培したここのニンニクの鮮度があまりにも良すぎて想定外の効果を繰り広げてしまったのでは御座らんか?」
「そうだな、さっき勝手に採った畑のニンニクでペペロンチーノ作っちゃいましたが、美味いのなんの!」
「どれどれ〜〜〜なんだよこれ、めちゃ美味じゃん!コリャ俺も気をつけんといかんな。プピッ〜〜〜」
「なんなんじゃ〜〜〜やめてくれよこの期に及んでお前まで〜!息できんじゃろッ」
「へ、お前息してたんかい?」
「当たり前だろ、これでも人間だぞ。いや、元はね。今は海賊モンスターだからとりあえず無事だけど、コリャ毒ガスだ。」
「おいおい、お前ら勝手につまみ食いすんなよ、ペペロンチーノ。集団で屁こくつもりじゃあるまいな〜、あ、いけない〜〜プ。」
「おい、お前もかい?これじゃまるで海賊モンスター臭団ではないかッ!」
そんなこんなでそこら中にモンスター達からの異臭が巻き散らかされた結果、ついにフランク伯爵も何処かのパラレルワールドに誘われてしまった〜〜〜〜〜
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フランク「なんなんだ此処は……真っ暗闇で何も見えんぞよぅ……あっ、このトンネルの先に光が見える。よし、とりあえず行ってみようーーーー」
フランクはニンニク臭の影響なのか足腰をやられてしまいフラフラと眼前に見える光の方角へとトンネルを進む。徐々に光の中へと歩み寄ると、何処からともなく旧友ジョーの囁きが聞こえに来る〜〜〜
ジョー「おぅい、こっちだよぅ〜〜〜、ほらそこ足元に注意して!こっちだよぅ、こっちこっちぃーーーー」
フラフラのフランク伯爵は何故か吸い寄せられながらジョーの声のする方向へと導かれてゆくーーー
フランク伯爵が目の前の光を全身に浴びながらやがて光に包まれたと気づくや否や彼の目の前ではあるホテルのリストランテ会場に辿り着いたではないかッ!
ジョー「遅いぞフランク、もうコチラの時間軸で3時間ほと経過してるんだからなッ!ところで例のブツは持ってきたんだろうな?」
まるでフランクの登場を予定していたでもあるような旧友ジョーは待ちわびたかのように白いテーブルクロスの大きな丸テーブル頬杖ついたままイラついている。
フランク伯爵「あのねぇ〜〜〜、それよりお前のせいでこんなわけのわからないワールドに到着する羽目になっちゃって……どう責任とってくれるんだ?ところで例のブツって何の事かな?さっぱり判らん。」
ジョー「ほら、それそれ。お前が今背負ってるリュックの中ね。」
フランク伯爵「ウォッ、いつの間に俺はこんなもん背負ってるの……どれどれ、何が入ってるのかな?ワッ、イタッ!」
フランク伯爵はリュックの中に手を入れると〜〜〜なんと中には大量の蛇が入っているのでした。早速手を噛まれて飛び上がる伯爵にジョーはケタケタと笑う。
ジョー「ビックリしたろ、カッカッカ!まさか蛇がこんなにたっぷり入って居るなど思わなかっただろ、ハハッ!」
フランク「おぅい、なんてことするんだよぅ……痛えよぅ〜〜〜このブツ一体どうするんだ?」
ジョー「それはね、食用スネークって言ってね、焼いて食べるとめちゃ美味しいの!お前も好きだろう、ケッ!」
フランク「お、俺がこんなもん食うわけ無いだろ、全く!こんなゲテモノを。」
ジョー「ゲテモノ?何言って、お前が好きなニンニクだって俺からしたらゲテモノだよ。あんなのに比べたら一億倍デリシャスじゃん!」
フランク「あーそーかい。ならお前が全部食べるがいい。俺はゴメンだね!」
ジョー「いいのかなぁ〜そんな事言っちゃって(笑)実はね、このワールドは不毛の土地として知られているんだヨ。だから食材など何も育ちはしないんだよ。それで僕がフランクに蛇を持って来るようにお祈りしたのさ。君が今回のMissionであるこのサバイバルの地での一週間の滞在期間を無事にクリアする為には、唯一の食材の食用スネークを食べなければ生きて行けないんだぞ!」
フランク「おいおいそんな事を誰が決めたんだよぅ……それでお前は俺にスネークを持たせるため祈ったって、なんでお前にはそんな能力があるんだよ!」
ジョー「そうだな、ではそろそろこのMissionの概要を説明するとしよう。」
フランク「おいジョー、お前は一体誰の差し金でこんな事をするのさ、偉そうにっ!」
ジョー「まあ良いフランク君。とりあえず聞き給え!このMissionはね、王家からの一通の手紙から始まったのさ。それというのも仙人フォーから王からの手紙を授かったことが始まりだ。手紙の内容はこうだ〜〜〜」
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Dear ジョー君
君は今まで数々のミッションを努力してクリアして来たのを、私はとくと高みの見物をさせてもらった次第なのです。
そこで君にはそのご褒美として新たなるワールドでのミッションを達成して頂く事にしたのだよ。
正し、このミッションを無事に終えられた者は未だに誰も居ないのだが。
その過酷な辺境の地は、植物さえも生えてこない砂の大地である。
当然、食料も得ることなどできはしない。
そこでだ、このMission滞在期間としての一週間の間、君たちには数々の試練クエストが与えられよう。そしてクエストを無事クリアして一週間を耐えられた暁にはお前たちを王家へと特別招待することを約束しようかな、と思っているのじゃーーー
そのサバイバルな環境に耐えるために、特典として「3つのお願いスキル」を君に授けることとしよう。
それは、君がMissionで危機的な状況を回避する為に、その際に真摯な気持ちでお願いをすることで何でも叶えることが出来るのだよ。
正し、真摯でない気持ちでこのお願いをした場合、最悪君は一生このワールドから脱出できなくなってしまうから、その点には注意が必要だぞよ!
それでは君の親友の仙人フォーにこの手紙を託すから、頑張るように!
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この内容を聞いたフランク伯爵が暫く呆然としながらジョーに質問し始める。
フランク伯爵「ええと、つまりだ。先ずは第一の質問だが、お前は何か俺を嘘をついては居ないかい?」
ジョー「へ。何のことかなぁ?」
フランク伯爵「お前、とぼけるのもいい加減にせいっ!あん時砂浜で仙人フォーに攻撃されて倒れていたのは、アレは何だったのかな?」
ジョー「そ、それは……よくお気づきで。流石はフランク!(笑)それはね、仙人フォーから「そろそろフランク伯爵が君を訪ねに来るから適当な理由をつけて救出されるようにするのじゃ。」と言われたから、僕が騙したんじゃないんだを。」
フランク伯爵「なんとも……じゃ第2問。ジョー君や、君は仙人フォーとは親友なのかい?」
ジョー「ギクッ、さ、さあねぇ〜〜〜半ばそうなのかもしれないねぇ。ま、そゆことだを。」
フランク「お、お前って……じゃ第3問。何故俺をこのミッションに引き込んだのだい?」
ジョー「やや、それは……えとね……僕の料理人として食材を持ってこさせるためでして、ね、一緒に旅できるしいいじゃん!楽しいを……」
フランク「お、お前って奴は俺を……よりにもよって蛇持たせやがって……なるほどぅ、よしよしッよくわかりましたぁ〜〜〜ご主人様。ならばこの食用スネークとやらを美味しくしてまいりますぅ〜!」
ジョー「そ、そうか…わかってくれたんだねぇ、良かった。てっきりお怒りと思ったけど安心した。それじゃ、料理人や。頼んだぞよ!」
フランク「かしこまりマスターご主人様。」
ジョー「うむ。しかしいつもと違って妙に物分かりが良すぎるのも気がかりなのだが……ま、きっと納得したんだね!では待つとするか。」
暫くしてキッチンから料理人が戻って来る。
フランク料理人「おまたせしましたぁ〜〜〜ご主人様!それでは一緒にこのようにハートのマークを作りまして、「美味しくしなぁれッ」てお祈りしてくださ〜い、ご主人様!」
ご主人ジョー様「よろしい。なんか何処かのCafeでこんな場面が……まあ良い。「美味しくしなぁれッ!」これで良いか?」
フランク料理人「はい、よくできましたぁ、ではケチャップで花丸をつけて差し上げましょう!」
ご主人様ジョー「ハナマルですとぅ〜〜〜なんか照れくさいな……しかし小学生以来かも。ま、悪くないがね!それにしてもケチャップまで持ってくるとは準備が良いのう、じゃいただきますッス!ななななんゾワやぁ〜〜〜この味わあああ……お、お主まさかニンニク入れよったか?……」
フランク料理人「ハイッ、ご主人様あ!アナタの大嫌いなニンニクをポケットに忍び込ませておりまして……こんなに効果的だとは思いませんでしたが〜〜〜ケッ!」
するとジョーはその場に突っ伏すや、またもや静かに眠りにつくのでしたーーーーyeah!
///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




