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第124章

「ニンニク・ブラスト」攻撃によって気を失ったジョー。たまたまこの島に到着し天敵である仙人フォーとのバトルの末に無残にも敗れてしまったーーーー


バトルの戦場となった真っ白な砂浜の上に突っ伏して、ただ静かにさざ波を聞いていたーーーー




「おお、どうしたんだ御主!やや、これは一体……お前もしやジョーじゃねぇか?」




「あ、ああそうだが……えっ、お前はフランク……」




「そうか、あれからかれこれ10年の歳月が流れた頃か……まさかこんな再会になるとはな。


 だから言ったんだ、お前は俺の下から流浪の旅に立ったのだが、きっとお前は海の藻屑になってしまうだろうとな。しかしどうにか命だけは取られなかっただけラッキーだったかもな。」




「ああ、お前の言うとおりかもな。俺はあの時どうかしていたのさ。


 きっとこの世界の何処かに俺の居場所があるだろうと、浅はかながらも夢見ていたんだよ!」




「まぁ、たまたま運が悪かっただけだろう。俺はたまたま運が良かったのかもしれないがな。


 ところでジョー、何故こんなところで突っ伏してるんだい?」



「それがな、この島でワシがニンニク栽培で生計を立ててきたのだが、ようやく収穫できるまでになった矢先にあの仙人フォー一行がドラゴンで舞い降りてきてな、ワシのニンニク畑を荒らし始めたんだよ。ただでさえ苦労して栽培してきたのにアイツラと来たら荒らしやがって……それもよりによってアイツが……」




「な、なんだと!俺たち幼馴染の天敵フォーが舞い降りただと?」




「ああ、よりにもよって……あの頃俺たちが海賊として牛耳ってた縄張りを戦火の渦で崩壊したフォーの奴がまたしてもお前に攻撃したとは……許せぬ!」




「でももういいんだ。ワシも歳かな、かつてのような憎悪など、もう微塵も沸き起こりやしなくなってしまったよ。


 それよりな、これも良い機会かもしれない。というのも、この頃また新たな俺の居場所を求めて当てのない流浪の旅に出るのも悪くないなと、考えていたんだよ!」




「ううむ……だがまだ諦めるのも早かろう。せっかく根を張ったこの島を捨ててしまうのもどうだろう。


 それよりもな、ワシは仙人フォーの奴がお前にこんな酷い思いをさせたことが何しろ許せない!


 よし、此処はワシに任せるが良い。ワシには海賊モンスター軍団がついているから、お前の仇討ちをしてやるからな!お前はシッカリ養生するが良い。」




そう言い放つフランク伯爵はジョーを担ぎ上げ家まで運ぶ。道すがらようやく寄港したフランク伯爵の率いるモンスター軍団の列が上陸しコチラに向かってくると。フランクからジョーを受け取ると、代わって担ぎ上げる。




ー*ー*ー*ーーー




「それにしてもジョー、お前は質素な暮らしをしているのう……この安ぶしんといい、ちゃんと飯は食えてるのかい?」



「まぁ、ぼちぼちな。でも畑仕事で自分で作った野菜など、新鮮でこの上なく美味だぞ!お前も汗水流して野菜でも作ってみないか?」



「ま、俺の性に合わないことだな。俺には大きな野望があるのだから!エッヘン!」



「それって、もし差し支えなければ教えては頂けませんか?」



「うむ、幼馴染だから良いぞよ。それはね、王家を乗っ取ること!」




 するとぅ〜〜〜どうしたと言うのでしょう、あれほどにバトルで弱っていたジョーは幼馴染のフランク伯爵の回答に笑いをこらえきれずに涙まで流しながら爆笑したではありませんかっ!




「おいおい、それはハハッいくらなんでもないだろう!お前さん冗談キツイぜ、その顔で!」




「な、なんですとぅ〜〜〜!!お前ならわかってくれると思ったのにィ〜、悔しいぅいーんっ……」




「だってさ、あの王家までの道のりの厳しささえも知っていながら、未だにクリアさえしていないんだろ?そんなお前がいくら頑張っても土台無理な話さ!ハハハッ。」




「それがね、実わ〜、ほれほれコレよコレ。」




 フランク伯爵がジョーの目の前に得意げに何やら封筒を差し出す。中から便箋を取り出すと、読み出すではないか〜〜〜




「Dear〜 親愛なるフランク伯爵。貴殿の功績には我々は常日頃から興味を持っております。そこでお願いがあるのですが、是非ともこの機会に貴殿をご招待させて頂けませんか?」




 ジョーは想定外な手紙の内容に、驚きと動揺のあまり飛び上がらんばかりの表情を浮かべる。




「な、ジョー。だから言ったろ。ワシもまんざらではなかろうに!

 そしてついに我々の野望への近道が開かれたようなものさ。

 そこでジョー、お前も再びワシとタッグを組んで王家を乗っ取る旅へと向かおうではあるまいかっ!」




「や〜だ〜を〜っ」



「へ、なんで?」



「俺、お前のこと嫌い」



「へ、どして?」



「お前さっき俺の許可なく勝手に畑のニンニク焼いて食ったろ。」



「へ、バレてたんかい!良いだろをケチケチすんなって、ほら、俺たち幼馴染じゃないか、ね。」



「お前って昔から何も変わってないんだな!

いっつもワガママでさ、「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」って言ってたよな。

だから俺はお前のことが嫌いなの」



「けっ、そんなことどっちでもいいじゃん。それよりワシが気になったのは〜〜〜



 ニンニク栽培してるお前さんが、何で仙人フォーの「ニンニク・ブラスト」攻撃なんかで簡単に失神しちゃったのかが意味わからん!」



「だってさ、俺ニンニク嫌いなんだもん」



「な、ナンジャとぅ?じゃ俺とニンニクどっちが嫌い?」



「へ……えとね、フランク。」



「そ、そんなに僕のことを……いつから?」



「むかしから」



「なんで?」



「いっつも給食の時に僕のミルクを勝手に飲んじゃったしぃ〜、うちのワンコにマジックで眉毛描くしぃ〜、自分がこいた屁を皆に俺がこいたと言いふらすし、だからお前のこと嫌い。」



「な、なんだって子供の頃のことなんかそんなにリアルに覚えてるんだをぅ。いいじゃん幼馴染なんだからぅわをっ!」



「いいや、幼少記憶って言うものはね、結構トラウマになるものなんだよ。いじめっ子のほうは何の気なしにやっているかもしれないがな、やられた側は酷く傷つくんだぜっ!ケッ!」



「ケッてなんなの?

 ならばジョー、そっちがそう出るのなら〜〜〜〜これでも喰らえッ、プピッ!」



「あ〜れ〜っ〜〜〜なんなの屁なのぅ〜〜〜こんな仕打ちヒドくね、しかもニンニク臭丸わかりで強烈で〜す〜〜〜さよおなら〜〜〜」



 そしてフランク伯爵の策略にまんまとハマったジョーは、王家とは異なる夢の世界へと旅立つのだったyeah!ーーーー






///to be continued!!☆☆☆〜〜〜





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