第122章
元精神科医ナリミーは、突如として幸恵ママから招集がかかったことについて皆と相談していた。
「何故か幸恵さんからのご指名で私が見ず知らずのジョーという名の古老の 精神鑑定を依頼されたのですが、皆さんどう思います?」
するとそばにいた元キャンが眉をひそめる。
「う〜ん、何か臭うわねッピ。これには何かしらナリミーさんを陥れる罠が隠されているのに違いないわねゥルル……」
するとウメ婆さんが遮るようにわめく。
「ナリミーさんや、アンタがこちらの世界に召喚された意味のことを考えたことはあるかい?
そして、もしかするとこの依頼とは、王家へのルートにたどり着くための一つの試練なのかもしれないよ。
そう、アンタは試されてるんじゃないのかねぇ。」
「なるほど、そんならワシもついて行くとしようかねぇ。」
そう答えたのはなんと、長い間姿をくらましていた仙人フォーだったのでした。
「あらやだ、フォーったらいつの間に戻ってきたの?」
すると仙人フォーがナリミーの呼ばれた幸恵たちのいる地下都市「スパイラルワールド」
それでネロ伯爵になりきって独裁者になろうとしているジョーという男が居るという噂を聞いたので、一緒に参戦するために此処に舞い戻ってきた事を告げるのでしたーーーー
ーーー***
ナリミーは、フォーの突然の登場に驚きながらも、その提案に耳を傾けました。
ナリミー:「フォーさん、戻ってきたんですね。幸恵さんの地下都市『スパイラルワールド』にジョーという男が独裁者になろうとしているという噂ですか?」
フォー:「そうなんだ。ジョーという男がネロ伯爵になりきって、この地下都市を支配しようとしているらしい。だから、君と一緒に行くことにしたんだ。」
元キャバ嬢キャン:「やっぱり、これはただの精神鑑定じゃないわねッピ。ナリミーさんを試すための大きな計画の一部だわ。」
ウメ婆さん:「アンタが試されてるというのは間違いないよ、ナリミーさん。王家へのルートを見つけるための試練かもしれないねぇ。」
ナリミーは一瞬考え込んだ後、意を決して言いました。
ナリミー:「分かりました。幸恵さんの依頼を受けて、ジョーという男に会いに行きましょう。皆さん、協力していただけますか?」
元キャバ嬢キャン:「もちろんだわッピ。私たちが一緒にいる限り、何も心配することはないわよ。」
ウメ婆さん:「そうさねぇ。アンタの旅に付き合うよ。」
フォー:「決まりだな。じゃあ、早速スパイラルワールドに向かおう。」
一行は準備を整え、スパイラルワールドへの道を進み始めました。
地下都市への入り口にたどり着くと、幸恵ママが待っていました。
幸恵ママ:「ようこそ、ナリミーさん。皆さんもご一緒ですね。
ジョーのことについては私も色々と調べてきましたが、彼はとても危険な存在です。どうか気をつけてください。」
ナリミー:「ありがとうございます、幸恵さん。何としても、この任務を果たしてみせます。」
幸恵ママ:「ナリミーさんならきっと大丈夫です。私たちもできる限りのサポートをしますから、安心してください。」
一行は幸恵ママの指示に従い、スパイラルワールドの奥深くへと進んでいきました。
そこで待ち受けていたのは、ジョーとその手下たち。
彼らの前に立ちはだかる大きな試練が待っていることを、ナリミーたちは知っていました。
しかしジョー一行が待機しているはずの地下施設はすでにもぬけの殻だったのでした。
幸恵はVRコントローラーでジョーを監視しているはずの酋長グレーの愛弟子リオンに連絡を取る。
「アーアー、こちらサッチャン、ど〜ぞ。」
するとリオンが応答する。
「あ、良かった繋がって……幸恵さん大変です!ジョーの奴らめ逃げやがりました。」
ーーー***ー
幸恵がリオンからの報告を受けた直後、ナリミーたちは緊張を漂わせながら耳を傾けました。
リオン:「ジョーの奴ら、施設を抜け出してどこかに逃げやがりました。監視カメラには彼らが地下のトンネルを使って移動する様子が映っていました。」
幸恵ママ:「わかったわ。リオン、引き続き監視を続けて。もし新たな情報が入ったらすぐに教えて。」
リオン:「了解しました。すぐに報告します。」 通信が切れると、仙人フォーが皆を見回して冷静に指示を出しました。
フォー:「まずは地下トンネルを調べよう。ジョーがどの方向に逃げたのかを特定しないと。」
ナリミー:「その通りですね。元キャン、ウメ婆さん、一緒に来てください。フォーさん、私たちはどこから始めたらいいでしょうか?」
フォー:「地下トンネルの入口は分かっている。そこからジョーの手がかりを探すんだ。
リオン、監視カメラの映像をすぐに送ってくれ。」
数分後、リオンから監視カメラの映像が届きました。
映像にはジョー一行が地下トンネルに消えていく姿が映っていました。ナリミーたちはその映像を元に行動を開始しました。
元キャン:「この映像を見る限り、彼らは東のトンネルに向かっているわッピ。」
ウメ婆さん:「急がないと手遅れになっちまうかもしれないねぇ。」
フォー:「よし、東のトンネルに向かうぞ。リオン、我々の進行方向に新たな動きがあればすぐに知らせてくれ。」
リオン:「了解しました、フォーさん。こちらも全力でサポートします。」
一行は迅速に東のトンネルへと向かい、ジョーの手がかりを追い始めました。
トンネルは暗く、狭い道が続いていましたが、フォーの指示に従いながら慎重に進んでいきました。
ナリミー:「このトンネルの先には何があるのでしょうか?」
フォー:「噂では、トンネルの先には廃墟となった旧都市があると言われている。ジョーがそこに隠れている可能性が高い。」
元キャン:「旧都市……それならあの場所に罠があるかもしれないわッピ。気をつけましょう。」
ナリミーたちはさらに進み、やがてトンネルの出口にたどり着きました。
そこにはどこまでも広がっている廃墟の風景があり、奇妙な静寂だけが漂っていましたーーーー
ウメ婆さん:「さぁさ、これからが本番だよ。みんな、気を引き締めていこうぞよ。」
フォー:「ナリミー、君がリーダーだ。我々の行動を指示してくれ。」
ナリミー:「分かりました。皆さん、ジョーを見つけ出して、この試練を乗り越えましょう。」
一行は旧都市の中を進み、ジョーとその手下たちを追い詰めるための捜索を開始しました。
彼らの冒険は、これからさらに厳しい試練を迎えることになるのでした。
☆*ーーーー
すると半端者と悪名高きナカザァーウルスという愚民属モンスターが、同じくハギアッウラピトデナッシーのロクデナシ風説流布による魔界撹乱攻撃が始まったーーーー
流浪貧乏を続けた事によってなのか、或いは貧相なまでに土地狂ったのか、地下都市あたり一面を火だるまにする勢いで炎に巻き始めた。
仙人フォーが最後の手段としてその配下もろとも徐々に時間をかけながら、真摯に抹殺する事を誓ったのだーーーー
旧都市に足を踏み入れたナリミーたちは、突然の異変に気づきました。遠くから火の手が上がり、猛烈な炎が周囲を包み始めました。
元キャン:「何これ!?一体何が起こっているのッピ?」
ウメ婆さん:「見ろ、あれは流浪乞食半端属ナカザァーウルスじゃないのか?
どうやら悪いものでも食ったのか、土地狂って暴れているようだねぇ!」
ナカザァーウルスは巨大な体躯を揺らしながら炎を撒き散らしていました。
その原因は、愚民属ハギアッウラピトデナッシーのロクデナシ風説流布による撹乱攻撃でした。
ナリミー:「このままでは皆危険です!どうしたら……?」
フォー:「待ってくれ。これは私の役目だ。ナリミー、君たちは安全な場所に避難しろ。」
ナリミー:「でもフォーさん、あなた一人では……」
フォーは優しく微笑んで言いました。
フォー:「心配するな、これは私の務めだ。私はこの日を覚悟してきたのだ。奴らはそのうち自滅の道を歩まざる終えぬがな(笑)」
フォーは腕を組み、集中し始めました。
その周囲には穏やかな光が漂い、時間がゆっくりと動き始めました。
元キャン:「フォーさん、一体何をするつもりなのッピ?」
フォー:「私は時間を操ることができる。この能力でナカザァーウルスとその配下を抹殺する。」
フォーの声が静かに響く中、ナカザァーウルスとその配下は徐々に動きを止め、時間の中で消え去っていきました。
炎もまた、ゆっくりと鎮火していきました。
ナリミー:「すごい……これが仙人フォーの力なんですね。」
フォーは疲れた様子で微笑みながら言いました。
フォー:「これで少しの間、安心できるだろう。しかし、こんなちっぽけな有象無象など摩滅されてしまった今としては、極力ジョーを追うための時間に費やすべく、その時間は限られている。さぁ早く未来へと進もう。」
ウメ婆さん:「フォー、アンタの力にはいつも驚かされるよ。さぁ、ジョーを見つける旅を続けよう。」
ナリミー:「皆さん、フォーさんの犠牲を無駄にしないためにも、急いでジョーを追いましょう。」
一行は再び前進を始めました。ナリミーたちの心には、フォーの勇敢な行動が深く刻まれていました。
彼らは今や晴らせぬ恨みの般若と化したジョーを見つけ出し、この試練を乗り越える決意を新たにしましたーーーー
///to be continued!!!☆☆☆




