第112章
「それでフォー、何故わざわざ仙人ローダという名前を付けて我々を騙そうと計画したんだい?」
ナリミーの尋問が始まると、皆が仙人フォーの出方を興味深く見守る。
「ん〜、何しろこの世は金次第だ!ほら見給え、私のこの地下都市「スパイラルワールド」を。
此処では私は影の支配者なのだよ。だから警察も私の身分を知らずに捕まえている。
今は正体を明かすのはまだ早いから言えないのだが、そのうち君たちにも判る時が来るのさ。」
仙人フォーはドアーフ達から逃げ回るのに疲れたのか、そのまま目をつむる。
するとどうしたことか、奥からネロ伯爵が現れるではないかっ!
ドアーフ一行は驚きで呆気にとられる。
「やぁ君たちもお揃いで、こちらの仙人フォー様を引き取りに参りました。」
まるでこれまでとは人が変わったかのようなネロ伯爵はそう言うと、仙人フォーの手を引いて表へと出てゆこうとするのでしたーーーー
ーーー☆☆☆ー
ネロ伯爵が出てゆく寸でのところでナリミーがネロ伯爵を引き止めると、いつも一緒に居たクレソン女史がいないことを質問する。
ナリミー: 「ネロ伯爵、お前とクレソン女史が離婚したってマジか?どうして?」
ネロ伯爵: 「ああ、そうだ。彼女との関係は最近うまくいっていなかったんだ。理由は長い話だが、要するに価値観の違いとかそういうところかな。」
ナリミー: 「それは残念だな。でも、彼女はどこに行ったんだ?」
ネロ伯爵: 「どこかの街に行ってしまった。詳しい場所は分からないが、彼女なら大丈夫だろう。」
ナリミー: 「そうか…。まあ、それよりも仙人フォーの正体は何なんだ?」
ネロ伯爵: 「それについては詳しくはまだ言えない。ただ、彼はある意味このスパイラルワールドの裏ボスなのさ。」
ナリミー: 「了解。では、次はどうする?」
ネロ伯爵: 「仙人フォーを尋問してみよう。彼から何か情報を引き出せるかもしれない。」
そしてナリミーとネロ伯爵は協力して、仙人フォーからスパイラルワールドの真実を引き出すために行動を開始した。
ーー☆☆☆ーー
ナリミーにハイジが言う。「ナリミー、あの愛妻家のネロ伯爵の奴が、あんなにもまるっきり別人になったのは一体何だろうね。
そしてクレソン女史と別れたって言ってたけど、僕には信じられないな。
あ、そういえばあのクレソン女史とそっくりなあの人も僕らを騙してたりしないだろうね?
そうだ、あの人のところへ行ってみよう!」
ナリミーとハイジは早速、クレソン女史にそっくりなエレナが住むワットナンプラー市街に向かった。
道中ナリミーはハイジに言う。
ナリミー: 「ハイジ、このエレナが本当にクレソン女史と関係があるのかどうか、確かめる必要があるな。」
ハイジ: 「そうだな、確かめないといけない。でも、あのネロ伯爵がどうしてあんなに変わったのかも気になる。」
ナリミーとハイジは、ワットナンプラー市街に到着し、エレナの住む場所を尋ねる。
やがて彼女の家を見つけると、勇気を振り絞ってドアをノックした。
エレナ: 「はい、あらナリミーさん、一体何故この家がわかったの?」
ナリミー: 「失礼します、私たちは…」
ハイジ: 「あの、私たちはあなたがあまりにもクレソン女史に似ている件について、もう一度お話したいと思いまして。」
エレナ: 「クレソン女史…?え、私のことですかね。そんなに似ていますかしら?」
ハイジ: 「そして、あのネロ伯爵が別人のように振る舞っていたことにも、驚いているんです。」
エレナは驚いた表情を気取っていた。
するとナリミー達と遅れて追付いてきたキャンと「スナック南国」のママが話に割って入る。
「あのピ、アタシがネロ伯爵についてこの街の人々に聞いて回ったんだけどゥ〜、彼のことは皆口を揃えて知らないって言うのよ。
でもね、最近このスパイラルワールドではVR実体が徘徊していて、中には自分とそっくりな実体と出会っちゃった人まで出てきちゃったのよネ〜、ヤーネーっキャピッ!」
その話に反応する元精神科医ナリミー。
「えー、私の推測によりますと、もしかしたらそれは実体化出来るVRアバターの可能性がありまして……
アッ、そうですよ、又もやあの仙人フォーの奴に騙されたんじゃないでしょうか、我々は。」
ーー☆☆☆ーー
ハイジはナリミーの言葉に興味深げに頷きながら、更にVRアバターについて考えを巡らせる。
ハイジ: 「確かに、仙人フォーがVRアバターを使って混乱を引き起こす可能性はあるね。でも、それが本当に彼の仕業なのかどうか…。」
ナリミー: 「そうだな。でも、もしそれが彼の手によるものなら、その目的は何だろう?」
キャン: 「ネロ伯爵の奥さんの話によると、最近VR実体が徘徊してるって言うし、中には自分とそっくりな実体と出会っちゃった人もいるんだって。」
ママ: 「そうよ、それに対してこの街の人々はネロ伯爵について何も知らないって言ってた。」
ハイジ: 「なるほど…。もしかしたら、仙人フォーが仲間を捕獲された場所から救い出すために、VRアバターを使っているのかもしれない。」
ナリミー: 「それなら、我々も行動を起こさないと。本来の目的を達成するためにも、仙人フォーの野望を阻止しなければならないでしょう。」
キャン: 「そうだねップピ。じゃあ、さっそく行動を起こそうッペ。」
ハイジとナリミー、そしてキャンとママは、仲間を救うためにVRアバターの謎を解き明かすべく、決意を固めるのだった。
ーー****ーー
1時間程の立ち話しで皆がVRアバターの話に盛り上がっている最中に「スナック南国」の幸恵ママが気がつくと消えていた。
ハイジ: 「えっ、幸恵ママが何処かに行っちゃったみたいだけど……」
ナリミー: 「そうだな、もしかしたら彼女もVRアバターなのかもしれない……」
キャン: 「まさか……ママまで仙人フォーの手に落ちたってことなの〜、コワウィ〜ッペ。」
ナリミー: 「そうかもしれないな。そして、思い出した。ママの店も仙人フォーが僕らに紹介した場所だったよね。
彼はそこから既に計画的だったのかもしれない。」
ハイジ: 「やっぱり仙人フォーがらみか…。」
ナリミー: 「我々は今すぐ行動しないと。ママを助けなければならない。」
キャン: 「そうだね、早く行こうプピリ!」
ハイジとナリミー、そしてキャンは、ママを救うために立ち上がり、仙人フォーの計画を阻止するべく、決意を固めるのだった。
ーー***ーー
キャンがワットナンプラー駅前の喫茶店の窓越しに居なくなった幸恵ママを見つける。
すると、なんと目の前に仙人フォーとネロ伯爵、そしてさっきまでここにいたクレソン女史そっくりなエレナが一緒にお茶を楽しんでいるのが見えた。
キャン: 「アリャ、まさかぁ…あの喫茶店にいるのはァ…」
ナリミー: 「仙人フォーとネロ伯爵が、そしてエレナも一緒に…」
ハイジ: 「へ、どういうこと?」
ナリミー: 「おそらく、彼らは我々を騙すためにママを利用していたんだ。」
キャン: 「つまり、あの喫茶店が仙人フォーの拠点だったってことか?」
ハイジ: 「もしかしたらそうかもしれない。」
ナリミー: 「では、我々はどうする?」
キャン: 「まずはママを助けないと。彼女が危険にさらされているかもしれない。」
ハイジ: 「そうだな、早く行動しよう。」
決意を新たにした彼らは、喫茶店に向かい、ママを救うために仙人フォーとその手駒たちに立ち向かう覚悟を固めるのだった。
ーー****ーー
3人は駅の売店で安いサングラスとキャップを買い、変装して喫茶店に潜入捜査に向かった。
喫茶店の中ではクレソン女史そっくりなエレナがネロ伯爵と仲良く話している様子が目に入った。
ナリミー: 「やはりエレナがクレソン女史だ。」
ハイジ: 「つまり、我々は何かしらの理由で騙されているということ?」
キャン: 「でも、なぜ彼らはこんなことをするんだ?」
ナリミー: 「仙人フォーの野望に関係があるかもしれない。彼らは何か大きな計画を進めているに違いない。」
ハイジ: 「では、どうすればいい?」
ナリミー: 「まずは彼らの目的を探り、ママを助ける手がかりを見つけなければならない。」
キャン: 「そうだね、でも慎重に行動しないと、彼らに見つかってしまうかもしれない。」
3人は慎重に行動しながら、仙人フォーやその手下たちの目的を探り、ママを助ける手がかりを見つけるために行動を開始した。
ーー***ーー
「では、南国の幸恵ママって一体何者?」
と、ハイジがナリミーに質問する。
ナリミー: 「彼女は彼女であって彼女ではない。つまり、彼女は…」
ハイジ: 「それって……どゆこと?」
ナリミー: 「このVRツアーでこちらの世界に我々を連れ込んだツアコン宗谷のアバターなのかもしれない、そう考えるのが妥当だろう。」
ハイジ: 「宗谷とは、ウメ婆さんの甥っ子の宗谷のことで?」
ナリミー: 「そう、彼はVR世界を実質的に牛耳っているのに等しかろう。そして、仙人フォーと愉快な仲間たちも彼の手先として動いている可能性がある。」
キャン: 「つまり、ママも仙人フォーの手先だったってことか?」
ナリミー: 「ああ、きっとそうだろう。そして、我々を騙していたのもそのためかもしれない。」
ハイジ: 「なるほど…。じゃあ、我々はどうすればいい?」
ナリミー: 「まずはママの真の姿を見極めなければならない。そして、フランク伯爵の野望を阻止する手がかりを探すんだ。」
ハイジ: 「了解、行動しよう。」
決意を固めた3人は、フランク伯爵とその手先たちの野望を阻止するため、行動を開始した。
ーー***ーー
そして安い変装をした3人は喫茶店の遠巻きの席で仙人フォー達と愉快な仲間たちを観察していた。
しかし突然仙人フォーが立ち上がり、こちらの席に向かってくる。
仙人フォー: 「おや、新顔の方々がいらっしゃるようでジャね。」
ナリミーたちは内心焦りながらも、冷静を装って仙人フォーの出方を見ていた。
仙人フォー: 「さぁて、皆さんに重大な発表がありま〜す。今夜18時にスナック南国に集まるよ〜に。くれぐれももお忘れなく。」
そして仙人フォーはそう言うや、微笑みながら愉快な仲間たちと共に店を後にした。
ハイジ: 「18時にスナック南国に集まるってことは…」
キャン: 「仙人フォーたちの野望が明らかになるかもしれないな。」
ナリミー: 「そうだ。この機会を逃すわけにはいかない。」
3人は一致団結し、スナック南国での重要な集会に参加することを決意した。
彼らの次なる行動が、仙人フォーの計画を阻止する鍵となることを願いながら…。
そして問題の18時にドアーフ一行は「スナック南国」に到着すると、何とその場所にあるはずの看板が外され、代わりに「FOR SALE」の看板が吊るされているではないか!
ナリミー: 「これは…我々がまんまと騙されたのか?」
ハイジ: 「でも、どうしてこんなことに…」
キャン: 「仙人フォーに情報を操作されたんだ。」
3人は途方に暮れながらも、冷静に状況を分析し始めた。
ナリミー: 「仙人フォーは計画を完遂するために我々を利用した。」
ハイジ: 「そして、我々はその罠にまんまとはまったということか…」
キャン: 「しかし、諦めるわけにはいかない。我々は仙人フォーの野望を阻止しなければならない。」
3人は再び団結し、仙人フォーの野望を阻止するために立ち上がる決意を固めた。
彼らの戦いはまだ終わっていない。
ーー**ーー
そこに一匹の柴犬がこちらに近づいてきた。
そして、驚くべきことに、柴犬が話しかけてきた。
柴犬: 「おい、チミ達、ワシについて来い。」
一行は最初は驚きの表情を浮かべていたが、次第にその喋り方が仙人フォーを彷彿させることに気づいた。
ナリミー: 「もしかしたら、この柴犬は仙人フォーのアバターなのではないか?」
ハイジ: 「まさか、柴犬までが…」
キャン: 「しかスウィ、もしそうなら、彼は何を目的として我々を連れていくつもりなんだッペ?」
柴犬は一瞬だけ彼らを見つめ、そして再び話し始めた。
柴犬: 「ワシの主はチミ達に重要なメッセージを伝えたい。ついてきな。」
ナリミーたちは少しの迷いを抱きながらも、柴犬について行くことを決意しするのだったーーーー
///to be continued!!!☆☆☆




