第110章
ミリオネアアイランドの地下都市「スパイラルワールド」のスパイ活動を続けるハイジ。
やがて探索のため乗り込んだ列車はワットナンプラー駅に辿り着く。
するとクレソン女史そっくりのエレナという淑女に出逢う。
それにしても奇妙な事に仙人フォーそっくりなローダ仙人と言い、ナリミーが宿敵フランク伯爵と旧知の仲であることなど、まるで自分だけが騙されているのではないかという孤立感がハイジを襲う。
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ハイジが案内を依頼したエレナに連れられてワットナンプラー市街の案内が始まると、ハイジは安堵の息をつく。
しかしその安堵も束の間、エレナの挙動がどこかおかしいと感じ始める。
彼女の言動はまるで誰かを探しているかのようだった。
街を歩いている最中に、ふと目に飛び込んできた光景にハイジは驚愕する。
だって……彼のドアーフ仲間のキャンが、目の前のさびれたリストランテの窓際に映る不気味な光景が。
なんと一人で大食いバトルさながらの爆食いを繰り広げているではないかっ!
ハイジは困惑しながらも、その様子を見守る中、不穏な予感が胸をよぎったのでしたーーーー
「エレナさん、ちょっと済みませんが……あ、あの店に僕の同僚のドアーフが居まして、それが……」
ハイジがエレナにそう言うや、
「あら、でしたら私達もお食事に参りましょ。」
と乗り気になると、どうしたと言うのでしょう、何とエレナまでがフードバトルを申し込みではありませんかっ!
こうなると益々ハイジの頭の中には?マークで満たされて混乱してしまうのでしたーーーー
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彼女は一体何者なのか?
どうしてこんな奇妙な状況に巻き込まれているのかまるで僕には理解できないーーーー
ドアーフとキャンがバトルを繰り広げる中、エレナが意外な食欲とテクニックを見せつけ、ハイジは驚くばかりだった。
ハイジは不穏な空気を感じながらも、この混沌とした状況から抜け出す手がかりを探すしかないと感じたのだった。
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ハイジはふとカウンターに振り向くと、なんと言う事でしょう、今度はあの仙人フォーそっくりなローダ仙人がコックとして大量の具材の盛り付けを行っているではありませんかっ!
思わぬ光景にハイジは唖然としてしまう。
彼は今まで自分がスパイするために行動しているのだと思っていたが、逆に自分が皆に泳がされていたのではないか、という疑念が頭をよぎるーーーー
これは、一体何が起きているのだろうか。
ハイジは混乱し、この混沌とした状況から脱出するために新たな策を考えなければならなかった。
ハイジが何故かキッチンの隅っこに必死に隠れようとするローダ仙人にこの事情を説明すると、ローダ仙人は諦めた様子で深いため息をついてから言いました。
「あ。ああ、ハイジさん……どうか許してください〜っ。
わ、私はかつてVRログアウトしていったワシの孫がハイジさんにそっくりでして、つい孫との思い出がよみがえってしまいました。
孫との思い出があまりにも愛おしく、つい彼に近づいてしまったのです。」
ローダの言葉にハイジは驚きましたが、同時に共感もしました。
彼の行動は単なる誤解から生まれたものであり、どうやら悪意は全くなかったようなのです。
彼はローダ仙人に対して優しさを感じ、彼の心情を尊重しました。
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ローダ仙人がハイジに事情を説明すると、キッチンの傍らにいつの間にか居た元精神科医ナリミーが急に泣き出すのでした。
「私、実は…私がローダ仙人の孫なんです。」
とカミングアウトしました。
ハイジは驚きを隠せませんでしたが、優しくナリミーの肩を抱きました。
「なぜ今まで隠していたんだい?」
そう尋ねると、ナリミーは深いため息をつくのでした。
「私は過去の過ちから逃れようとしていたんですーーーー
でも、今回の出来事で改めて正直に自分と向き合わなければいけない、と思ったんです……」
ハイジはナリミーの勇気を称賛しました。
「あなたはどんな過去を持とうとも、今ここで素直になれることが大切です。
私たちは皆、過ちや弱さを抱えながらも、前に進むことができるんですから!」
そう励ますと、二人は改めて心を通わせることができたのです。
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ハイジがナリミーの告白に驚きながらも理解を示すと、クレソン女史そっくりのエレナまでが何故か泣き出しました…… これは一体?
「わ、私も実は…私がローダ仙人の愛人の娘なんです。」
なんと彼女もこの期に及んでカミングアウトしました。
ハイジは目をまん丸に見開き、驚きを隠せません。
しかし彼はエレナの手を取り、
「過去の出来事は誰にも選べません。
それでも今ここで私たちは新しい始まりを迎えることができるのですから。
一緒に前を向いて、新たな道を歩んでいきましょう!」
そう優しく声をかけました。 エレナは涙を拭いながら微笑むと、
「ハイジさん、ありがとうございます。
私もあなた方と一緒にいられてとっても幸せです!」
ハイジは彼女たちの勇気と強さに感動しながら、この新たな絆が彼らをさらに強く結びつけることを信じました。
そして彼らは共に未来への一歩を踏み出すのでした。
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するとフードファイターでドアーフのキャンが、ローダ仙人のこのボロボロのリストランテを我らドアーフ達で作り直そうと提案します。
「みんなぁ、聞いてぇッピッ!
このリストランテって〜、もうちょっと手を入れれば素晴らしい場所になるって思わないキャピリ?」
するとナリミーが相槌を打つ。
「そうですね、確かにちょいと手入れが必要そうですね。」
エレナも同意する。
「私も同感です。この店にはまだまだ素晴らしいポテンシャルが秘められていると思いますわ。」
ハイジも同様に、
「確かに、この場所には何か特別な魅力がありますね。」
キャンがにっこり笑って頷くと提案を続ける。
「だったら、こんなのどうかしらッ?
アタシたちドアーフでリストランテを作り直す、っていうのはどうかしらッピゥイ?」
ハイジも共感する。
「それはとても素晴らしいアイデアだ!みんなで協力して、この場所を再生させよう!」
エレナも意気投合する。
「では、早速手分けして改修作業に当たりましょうよ!」
こうしてハイジたちが皆で力を合わせて、ボロボロのリストランテを新たな魅力的な場所に生まれ変わらせる作業が始まったのでした。
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それから1ヶ月後、ようやく改修が終わる頃、どうしたというのでしょう、突然、とある不動産屋から電話が入りましたーーーー
その内容とは驚くことに、このリストランテの物件は、既に仙人フォーの手によって勝手に売却されたので直ちに退去するように、との指示でした。
「ナニッ?、仙人フォーだと?さては……」
この話から察したハイジは、あのローダ仙人は、実は仙人フォーそっくりなのではなくて本人であり、このリストランテの売却益を持ってトンズラしたのでは?
かつてドアーフ達が稼いだバイト代を持ち逃げしたことと同じ手口である事を思い出すや、流石のハイジの怒りはMAXとなり、ドアーフ一丸となって仙人フォーの捜索に乗り出すのでしたーーーー
ハイジ:「そんなあ〜っ、この物件か仙人フォーの手によって勝手に売却されたって事?!」
ナリミー:「ええっ、まさか…ローダ仙人が仙人フォーだったってこと?」
キャン:「しかもゥ〜、リストランテの売却益を持って逃げたってことなのでッピリ?」
エレナ:「信じられないわ…こんな裏切りがあるなんて…。」
ハイジ:「私たちが一生懸命改修したこの場所を、簡単に手放すわけにはいかない!
ドアーフみんなで仙人フォーを捜索しよう、そしてこの件を解決するまでは諦めないで頑張ろう!」
キャン:「そうだッピ!一致団結して、仙人フォーを追い詰めてやるぜッピ!」
ナリミー:「みんな、私たちの力を合わせればきっと見つけられるはずよ!」
エレナ:「仙人フォー、逃げられないわよ。必ず責任を取らせてあげるわ!」
こうしてハイジたちドアーフは一致団結し、仙人フォーの捜索に乗り出すのでした〜〜〜〜
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こうして彼らの怒りと決意はMAXに達し、仙人フォーが逃げられないようにするために全力で行動することを誓ったのでした。
しか〜し、この地下都市スパイラルワールドはなんと仙人フォーの息のかかったアトラクションであり、実はドアーフ達は仙人フォーによって操られていたことに、始めて気づくのでしたーーーー
ハイジ:「待ってよ…もしかして、この地下都市、スパイラルワールドは仙人フォーの息のかかったアトラクションなのかもしれないぞ!」
ナリミー:「えっ、それってつまり…私たちは仙人フォーによって操られているってこと?!」
キャン:「キャッピリピ〜ンッ!アタシもう何が何だか信じらんなウイッヒ…
こんなことが本当なら、アタシたちはただのお人形さんじゃなきことゥルルッ!」
エレナ:「で、でも、それじゃあ…私たちの行動は本当に自分たちの意志なのかしら?」
ハイジ:「考えてみれば、仙人フォーの影響下にあるかもしれないのだからぁ〜…
先ずこの状況を打破しなければ!」
キャン:「だったらぁ、仙人フォーを探し出して、キックやパンチでおっ倒すしかないわよッホッホ!」
ナリミー:「え、なんかキャンさん楽しそうデスヨネ。
そうです、私たちの力を合わせれば、きっと仙人フォーを打ち倒せるはずですね、目にモノ見せてやりましょう!」
エレナ:「そうよそうよ、あの小ずるい仙人フォーには絶対に負けやしないわ!」
こうしてハイジたちドアーフは仙人フォーの支配から解放されるために立ち上がり、彼をにわか暴力的な手段によって打ち倒すための決意を固め始めたのでした〜〜〜〜
///to be continued!!!☆☆☆




