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第109章

 此処ミリオネアアイランドの地下都市「スパイラル•ワールド」の、とある仙人ローダに連れられてやって来た「スナック南国」では、ドアーフ一行は朝方まで騒いでいたせいで、酔いつぶれていた。





 その中で、酒の飲めないナリミーとハイジだけは朝から頭スッキリの様子。





「ねぇナリミー、フランク伯爵ってどこでも知らない者が居ないほどの有名人なんだね!」





 するとナリミーが勝ち誇ったように答える。






「そうだよ、ある意味彼は王家よりも市民に愛され、どこでも顔パスな存在なのさ。もっとも私も昔から彼のことをよ~く知っているんだ。


 だから親友の印にこのキャッシュレス決済ツール「ブラック・ペンダント」を支給されているのさ!」





 その話を聞いていたハイジは、何となくナリミーの事を不信に思う。





 というのも、ナリミーはこのVRツアーの観光客に過ぎないのだが、彼がいつの間にか敵対していたはずのフランク伯爵と昔からの親友であったと今暴露したからだ。






 ハイジがナリミーについて調査を開始すると、新たな関係性が浮上する。






ハイジ:ナリミー、ちょっと待って。君がフランク伯爵と親友だと言うなら、なぜ僕らドアーフが敵対している側でこのツアーに参加しているんだい?





ナリミー:えっ、そんなこと考えたことなかったなぁ。でも、フランク伯爵との関係は本当だよ。


 彼は本当に私を信頼してくれているんだ。


 でも、敵対するグループに参加しているのは...


 うーん、ちょっと複雑な話になっているようだが。 





ハイジ:複雑な話?どういうこと、とぼけないでナリミー!


 君はフランク伯爵に敵対してきた僕らと、こうして関わっていたんじゃなかったの?


 



ナリミー:まあ、それもそうだな。


 実はフランク伯爵と私の関係は昔の話なんだよ。


 最近はちょっとばかし違うのかもしれないがね。


 でも、君たちのグループに参加しているのは、ある使命があるからなんだ。


 それについて今話すのは少し難しいんだけど、信じてほしい。





  ハイジ:なるほど。よし、信じるよ。


 でも君に何の使命があるのか、いつか詳しく教えてくれるんだね?





 ナリミー:うーん、それはまだ話すのは早いかな。


 でも君が心配してくれているのは嬉しい。次のミッションの前に、ちゃんと説明するとしよう。


 それで、これから朝食でも食べに行こうと思うんだが、一緒に行く?





ハイジ:わかったよ、すぐ支度する。  

 じゃ、あの使命の件、早く教えてくれるのを待ってるからね。






ナリミー:もちろん、約束するよ。それじゃあ、朝食に行こう!






ーー☆☆☆ーー


 二人は「スナック南国」を出ると、南国のママ、幸恵さんに夕べ教えてもらった朝食ビュッフェの美味しいビジネスホテルへと足を運ぶ。





 5thアベニューの角を曲がるとすぐに白い建物が見えてくる。





 どうやら三ツ星レストランのようだ。店内へ入ると珈琲の薫りが二人を迎え入れる。





 お酒の飲めない二人ではあったが、かわりにと言っては何だが大食いな二人はトレイにてんこ盛りにビュッフェメニューを乗せると、窓際の明るい席でちらほらと人々の行き交う町並みをながめながらモーニングを嗜む。






 すると夜ふかしのやつれた顔の幸恵ママが珈琲だけカウンターで注文するとこちらの席にやって来る。




 ママはナリミーの隣に陣取るや、何だかナリミーと昔からの恋人のようにハイジに聞こえないような小声でヒソヒソと話す。




「それにしてもナリミーとは、ずいぶんと長い間ご無沙汰様だったわね。


 昔のように私とのアバンチュリエな関係を、もう一度いい感じでならないかしら……





ナリミー:(微笑みながら)そうだね、幸恵さん。君と一緒にいるとなんだか幸せを感じるし、なんだか久々に心地よい。





幸恵ママ:(微笑みながら)私たち、もうちょっと距離を縮めたほうがいいかもしれないわよ。


 昔からの仲って、とっても大切なものなんですから!





ナリミー:(戸惑いながらも、微笑んで)そうだね、幸恵さん。この際ちょっと考えてみるよ。




 ハイジは何やら恥ずかしげな会話の内容がとても気になる様子でしたが、でも幸恵ママとナリミーの会話が聞こえないようにしているので知らないフリをかましていました。





 次に、幸恵ママは、尚もハイジを蔑ろにしながらナリミーの隣の席でイチャツクと、何やらヒソヒソと次なるミッションについての計画を話し始めるのでしたーーーー






☆ーー☆☆ーー


幸恵ママ:(ナリミーの隣の席でヒソヒソと)ナリミー、次のミッションのことなんだけど、用意はできてるかしら?




 ナリミー:(興味津々に耳を傾けながら)もちろんさ、幸恵さん。計画は整っていますよ。




 幸恵ママ:(満足げに微笑みながら)素晴らしいわ。でも、今回のミッションはちょっとリスクが高いから、慎重に行動しないとね。





  ナリミー:(真剣な表情で頷きながら)了解しましたっ。でもこの件は僕達に任せてください。きっと成功させますから、貴女は待っていれば良いのですよ。





 ハイジは何やら二人の会話が気になりながらも、それでも精一杯幸恵ママとナリミーの会話が聞こえないようにしているのでした。





 すると幸恵ママは珈琲一杯を飲み干しただけで、そそくさと足早に席を後にする。




 ハイジは何だか仲間はずれにされたような気がして、その日はナリミーと別行動を取って、この地下都市の探索を単独で行うことにするのだった。






ー☆☆ーーー☆


 ハイジはある意味信頼していたナリミーに裏切られたような気さえして、まるで自分の目標を見失ったような気さえするのだった。




 地下都市を探索するために一人で歩き出した。




 ハイジは周囲の風景や建物を注意深く観察しながら、地下都市の秘密を探求し始めました。




 時折、道で出会う人々の会話に耳を澄ませながら、彼は新たな情報やヒントを手に入れます。




  その日は長い一日となり、夕方になるまで探索を続けたハイジは、多くの興味深い発見をすることができたのでした。





 そして夜が訪れる頃には、ドアーフ一行と再び合流し、彼の冒険の成果を共有することを楽しみにしていたのです。






ー☆ーーー☆☆


 ナリミーに何故かないがしろにされた思いのハイジは、明くる日もナリミーと別行動を取ってこの地下都市の探索を単独で開始する。





 今朝もモーニングビュッフェを堪能したホテルから程なくして、懐かしさを感じるゴシック調の駅舎に到着する。




 構内に入ると、大きなアーチ状のホームで朝から大勢の客が右往左往していた。





 特に行き先を決めていないハイジはブルートレインに飛び乗ると、とりあえず終点を目指して気になった土地で降りることに決めた。





 乗客は様々な人種で、ビジネス風情や観光のファミリー等様々な人々がくつろいでいた。




 暫くして、とある田舎の無人駅で降り立つハイジ。




ハイジは周囲を見渡しながら足早にホームを歩いていた。




 突然、彼女の目に留まったのは、まるでクレソン女史によく似た女性だった。




ハイジ:(興味津々に)すみません、あのう、ちょっと待ってもらえますか?




 クレソン女史によく似た女性:(優しい笑顔で)あら、どうしたの?






ハイジ:(少し驚きながらも)すみません、ちょっと気になったんですが、あなた、クレソン女史によく似ているんですが。





 クレソン女史によく似た女性:あら、どちらのお方か存じませんが、しかしながら私はクレソン女史ではありませんのよ。


 私の名前はエレナです。


 ところで、どうかされたのですか?私に何かお手伝いできることがありますかしら?





ハイジ:実は〜、私はこの地下都市の探索をしていて、ちょっと道に迷ってしまったんです。


 エレナさん、此処でお会いしたのも何かの御縁ですので、唐突ではございますがあなたのご存知でいらっしゃるこの地域のことを案内してはいただけませんでしょうか?





 エレナ:え、ええもちろん、喜んで案内しますわ。


 私もこの辺りのことはよく知っていますから……


 では一緒に探索しましょうね。





ハイジ:本当に?それは助かります。ありがとうございます、エレナさん。





 ハイジとエレナは旧知の仲のように一緒に探索を始めることになりました。




 そしてこの地下都市「スパイラル•ワールド」の秘密を探求する新たなミッションが始まろうとしていました。





「アーアー、そちらは仙人ローダちゃん?アタシよアタシ、キャンよ。今ワット・ナンプラー駅でハイジがエレナと接触した模様。引き続き追跡しちゃいますっピ!」








///to be continued!!!☆☆☆






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