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第107章

キャンは宗谷に前から気にかかるミッションについて質問してみる。





「宗谷さ〜ん、私達の見ているミッションは、一体誰が出してくるのかしら?


王家からだと思ってたけど、もしかしたら宗谷さん、アナタだったりしてッピ。」







すると宗谷の様子がおかしい。


すかさずハイジが話に加わる。






「そうなの?そういえば、このツアーに僕らが召喚された時も何処かに居なくなってたな。


そしてフランク伯爵の居城で、何事もなかったかのようにいきなり現れて……あの時一体何処にいたのさ!」






ハイジがそう詰め寄ると、甥っ子の宗谷をかばってか、ウメ婆さんが話し始める。







「ああ、あれはじゃな、ワシらに自由にこちらのVRツアーを楽しんで貰うためにVRコントローラーで遠隔監視していたのじゃよ。な、宗谷や。」





すると宗谷はお祖母様に、ただ黙って頷いている。





これは益々怪しいと思ったのか、元精神科医ナリミーが、お得意の分析を開始する。






「宗谷君が監視をしていたのは事実だろう。ほら、あの時我々はフランク伯爵の居城で幽閉されて労働させられていたので助けに来てくれたのでしょう。


確かにVRコントローラーからミッションを司令することは可能かもしれませんがね。しかし私は別の推測をしています。


度々仙人フォーが異常な行動を取っているのは、もしかすると仙人フォーこそが王家の血統であり、我々の道先案内をしているとも思えるのです。


彼はかつて王家に行ったことがあるから我々を連れて行くと行っていたが、ただ我々を連れ回した挙げ句に「ワシャ知らん。」ととぼけていて、実際は仙人フォーに操られているだけなのかもしれない、と。」







するとウメ婆さんがナリミーに問う。






「でも、それはなんのため?」








ーーーー☆☆☆


するとナリミーの話によると、仙人フォーの真相はフランク伯爵と結託して我々を元の世界に戻らせずに魔石を回収させ、魔石の力を利用してこの世界を牛耳ろうとしているというものでしたーーーー







ウメ婆さんはナリミーの推測について、興味深そうな表情を浮かべながら言います。






「なるほどぅ、それはドラマチックな展開じゃね。フランク伯爵と結託して、我々を元の世界に戻らせずに魔石を回収させるという筋書きは、なかなか面白そうじゃよ。」






 ナリミーは微笑みながら続けます。





「そうです、この推測なら仙人フォーとフランク伯爵の関係や、彼らの真の目的がより深く掘り下げられると考えます。


 そして我々が彼らの計画を阻止するためにどのような行動をとるか、それが物語の核心になりますね。」







キャンは興奮気味に加わります。






「確かに、この展開なら私たちのミッションがさらに難解でエキサイティングになりそうねキャピッ。


 仙人フォーやフランク伯爵との対決が待ち遠しプピー!」






 キャンの側にいたハイジも同意します。



「そうだね、この展開なら我々もより深く物語に没入できるし、冒険もさらにスリリングになりそうだ。」





宗谷は静かに頷きながら






「よし、みんなの同意が得られたところで、では早速次の行き先へと進む準備をしましょう。


 仙人フォーとの対決が待っているかもしれませんからね」





 と言いました。彼らは次の目的地への旅立ちの準備を整えながら、新たな展開に期待を膨らませました。








☆☆☆ーーーー


その頃仙人フォーは未だイカダで航海の最中であった〜〜〜






 彼は8つの魔石をなくしてしまった事で目的を失っていた。






「ワシの人生、そもそも一人前の仙人となってから長い年月じゃったが、唯一悔やまれる事、それはフランク伯爵を召喚した事が我が人生の汚点となってしまったんだ。


 そもそもこの世界に、理想的な王家なんてものは存在しないし、新たに召喚したドアーフ達も、これといって役に立ちそうにもない。


 王家の正式な血筋のウメ婆さんや宗谷も、自分たちの血統など知る由もないだろうし、その能力を発揮することもなかろう……」






ーー☆☆ーー☆


 ドアーフ達を元のあちらの世界へと戻らせる計画を阻止しようと画策したフランク伯爵に対して、仙人フォーが嘆願しに行こうとするのでした。







仙人フォーはイカダの上で静かに嘆息しながら考え込んでいました。






 すると何故か突然に彼の心の中に一筋のひらめきが走ります。






「そうだっ!もしフランク伯爵が私の計画に協力してくれるのならば、私たちはこの混乱を解決する道を、見つけることができるかもしれないな!」






 急いで行動を起こすためにも、仙人フォーはイカダを必死で漕ぎながら次の目的地に向かうのでした〜〜〜〜






 やがて幾多の月日が経過し、ようやくフランク伯爵の居城に到着すると、仙人フォーは謙虚な態度でいつの間にか帰り着いていたフランク伯爵に接します。





「フランク伯爵、私はあなたにお願いがあります。」





フランク伯爵は驚きの表情を浮かべながら尋ねます。






「仙人フォー、何事でしょうか?」




仙人フォーは続けます。




「私たちの混乱はますます深刻になっています。私は王家の血筋も存在しないことを理解しました。


 しかし私たちの世界を救うために、あなたと協力して元の世界に戻るための計画を立てたいのです。」







フランク伯爵は考え込んだ表情でうなずきます。








「フォー、君の言葉には重みがあります。私もこの混乱から脱出するために協力します。」






二人は手を取り合い友情を確かめ合うと、新たな計画を練り始めるのでした。彼らの協力はきっと新たな展開をもたらすことになるのでしょうーーーー








ーーーー☆☆☆


フランク伯爵と仙人フォーの新たな計画が着実に進行する中、ドアーフ達は驚くべき光景を目にします。





 天空からドラゴンに乗ったフランク伯爵が舞い降り、ドアーフ一行を花の咲き誇るミリオネアアイランドに招待しました。






 フランク伯爵の姿はまるで王家の使いそのものとして現れたことで、ドアーフ達はフランクと気付かないばかりか、まんまと騙されて驚きと興奮に包まれます。






フランク伯爵は優雅な笑顔でドアーフ達に近づきます。






「私は王家の使者として、あなたたちに使命を授けるためにここに来ました。」






ドアーフ達は緊張と期待で胸が高鳴ります。





 そして彼らはフランク伯爵の言葉を聞き入れる準備が整いました。フランクが続けます。





「私はあなたたちに8つの魔石を使って特別な力を解放し、世界を救うという、とても重要なミッションを与えましょう。


 この力を用いる事で、近い未来世界はより良い未来を迎え、平和を取り戻すことができるのですからーーーー」






ドアーフ達は困難な任務を引き受ける覚悟を決めると、苦労して集めた魔石を遂にフランクに手渡すことになったのでした。







ーーー☆☆☆ー


フランク伯爵は優雅な笑顔でドアーフ達に近づくや、





「私は王家の使者として、あなたたちの使命を受け取るためにここにやって来ました。」






 ドアーフ達は驚きと興奮で胸が高鳴ります。彼らはフランク伯爵の言葉を聞き入れる準備が整いました。フランクは続けます。






「我々の持っている8つの魔石、これらの魔石が王家の手に渡れば、世界の安定と平和が保証されることになります。」






 ドアーフ達は疑問の表情を浮かべながらも、王家の名の下に行動することの重要性を理解しました。






 彼らは魔石をフランク伯爵に渡すことに同意しました。







フランク伯爵は魔石を受け取ると、感謝の言葉を述べながら次なる指示を与えます。






「あなたたちの行動は王家に高く評価されるでしょう。貴方がたのVRツアーのミッションがクリアされた暁には、王家より、あちらの世界へのログアウトが承認されます。どうぞその日を楽しみにお待ち下さい!」







そして魔石を手にしたフランク伯爵は舞い上がり、天空へと消えていきました。






 彼の姿はまるで光の粒子となって空へと帰るかのようでした。







ドアーフ達は使命を果たした喜びとともに、次なる冒険に向けて準備を始めました。彼らの行く先にはさらなる試練と未知の世界が待ち受けています。









ー☆☆ーー☆ー


まんまと魔石を手に入れたフランク伯爵は、仙人フォーに魔石に向かって呪文を唱えるように指示します。






 王家の血統ではない仙人フォーがそれを断り、ウメ婆さんなら王家の末裔なので使えるというと、早速王家の使いになりすましたフランク伯爵がウメ婆さんを騙して魔石を操ろうと画策します。






フランク伯爵は手に入れた魔石を仙人フォーに向かって呪文を唱えるように指示しますが、仙人フォーは驚いた表情でそれを断ります。






「私は王家の血統ではありません。この魔石を操る力を持ちません。」






フランク伯爵は不満そうな表情を浮かべながらも、次なる計画を立てるためにウメ婆さんに目をつけます。







「そうだ、王家の末裔であるウメ婆さんなら、この魔石を操ることができるかもしれないぞよ。」







王家に成り代わり中のフランク伯爵から頼まれた仙人フォーは、ウメ婆さんに近づくと優しい口調で語りかけます。







「ウメ婆さん、あなたは自分が王家の末裔であるという事実を知っていますか?


 もしそうなら、この魔石を操る力があるかもしれません。私と協力して、世界を救うためにこの力を使ってください。」






ウメ婆さんは驚きながらも、仙人フォーの言葉に惹かれます。






 彼女は王家の末裔としての自分の役割を受け入れ、魔石を受け取ります。






何故かウメ婆さんの心には微かな不安が残ります。







 彼女は仙人フォーの真意を見抜けないまま、魔石を手にする決断を下してしまったのです。







ーーーー☆ーーーー



ウメ婆さんはフランク伯爵の急かす姿に困惑しながらも、魔石を手に持って深呼吸をしました。






 しかし歳のせいか、適切な呪文が浮かばずに焦りまくる中、ウメ婆さんはとりあえず適当な言葉の羅列を唱えることにしました〜〜〜






「エビフリャワ、ゥンチャカポテチ、タベタリーニャッ!」






すると何とも奇妙な事に、この言葉の羅列が空中に響き渡るのでした〜〜〜〜〜








「キュワーァッ、なんなのぅ〜っ、おウメさ〜ん、キャピリッヒ!!」






 すると、突然の出来事にキャンは妙な声で叫ぶ。






 どうしたと言うのでしょう、不思議なことに、適当な呪文のせいで呪い魔法が発動されたのか、フランク伯爵はその場から忽然と消え去ってしまいましたーーーー







ウメ婆さんのみならず宗谷やハイジも驚きと戸惑いの表情を浮かべながらも、その出来事に一瞬目を疑いました。






 ウメ婆さんは自分の言葉が効果を発揮したことを理解し、何故か安堵の息をつくのでしたーーーー







ーーー☆ー☆☆



しかし彼女の心にはある疑問が残ります。





 フランク伯爵の消滅が本当に彼女の呪文のせいなのか、それとも何か他の要因の仕業なのか……





 彼女は深く考え込みながらも今後の方針をドアーフ達と話し合いますーーーー





そんな中、木陰からウメ婆さんの行動を一部始終見ていた仙人フォーは驚きと恐れを感じながらも、その場にとどまることができませんでした。






 フォーは急いでドラゴンちゃんパトラッシュに駆け寄り、その背にヨイショと飛び乗りました。






「アーアー、聞こえてるかな?


 きっとドラゴンちゃんなんだろうかな〜、いやはやパトラッシュ!私たちの家に帰りましょう、さらばじゃ!」






 仙人フォーは心の中で何度も祈りながら、ドラゴンちゃんを実家へと向かわせるのです。






ドラゴンちゃんパトラッシュも、まるで仙人フォーの心を垣間見るかのように、急いで空を舞いながら、フォーの実家、ノイシュバンシュタイン城の奥のログハウスへの道を進みますーーーー









ーー☆☆☆ーー



 春風が顔を撫でる中、仙人フォーはこれまでの心の中で様々な思いを巡らせます。







「嗚呼、あの魔石の力は果たして何だったのか…


 そして旧友、いやぁ筆頭悪友のフランク伯爵は、一体どこに消えたのやら…


 それから……そう、我々の未来はどうなるのだろう…」






 今やフォーの心は不安と疑問で満ち溢れているのでした。





一方、実は昔の友との再会をすることへの期待なんかも、胸に秘めている心境なのでしたーーーー







 



///to be continued!!!☆☆☆






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