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第106章

「ところで宗谷、お前は何しに荒波の中船出していったんだ?


もしかしてお前、魔石の在り処でも知っているんじゃなかろうに?」





突然の仙人フォーからの質問が図星であった宗谷は焦りのせいで乗っているイカダから落ちそうになる。






ウメ婆さんもやはり暑いのに冷や汗が出る。





「おいおい、フォーじいさん、なんでそんなことを聞くんだよ!」





 宗谷が焦りながら叫ぶと、ウメ婆さんが静かに手を振りながら言った。






「落ち着きなさい、宗谷。フォーさんはただ、あなたが何をしていたのか知りたいだけよ。」





 宗谷は深呼吸をしてから、船を見つめながら答えた。





「その島には、伝説の魔石が眠っていると聞いたんだ。


 それが世界を救うかもしれないと思って、勇気を振り絞って向かったんだ。」






 仙人フォーが顔をしかめながら続けた。





「しかし、魔石を求めることは危険極まりない。お前はそのリスクを理解していたのか?」





宗谷は恐る恐るうなずきながら、





「ええ、分かっていました。でも、この世界を守るためには何でもする覚悟でした。」




ーーーー☆☆☆



 仙人フォーが宗谷をなだめるように言う。





「しかしだ、魔石が8つとも見つかったとしても、王家の血統の者のみがそれを操ることができるという言い伝えなのじゃが、この中にそんなもんおると思ってるのか?」





 すると宗谷が反論する。





「僕らドアーフ一行は王家の意向により召喚されたのですから、勿論我々にも可能性はあります。」





 すると仙人フォーは不敵な笑みを浮かべる。





「甘いな。お前さんたちが召喚された話は一体誰から聞いたのじゃ?


 まさか王様ではなかろう。きっとフランク伯爵からに違いないな。


 彼は君たちを利用して8つの魔石を集めたところで横取りするつもりなんだろう。」





 するとウメ婆さんが横から口を出す。





「おいジジイ、ウチの甥っ子に変なこと吹き込むんじゃないよ!


 大体お前さんが横取りして逃げたんじゃないのかい?みんなお見通しだよ!」






 すると仙人フォーは少しばかりビビったのか、振り向いて使っている島の方角を見渡す。






 するとドラゴンちゃんヒロトに乗ったナリミー一行がこちらに近づいてくると、仙人フォーが魔石No.8を奪った事をウメ婆さんに告げるのだった。






「そういうことか。フランク伯爵の奴め、許さぬ!」




 ウメ婆さんはそう言うとナリミーのドラゴンちゃんに乗ると、仙人フォーは黙ったまま、イカダで漕ぎ出してゆく。





 そのとき、遠くからドラゴンちゃんヒロトに乗ったナリミー一行がやってきた。





 ウメ婆さんは彼らに駆け寄る。






「おい、聞いたか?仙人フォーが魔石No.8を奪ったって!」





と告げる。ナリミーは顔を引き締め、





「そうか、さっそく彼を追いかけよう」と言うと、仲間たちと共に仙人フォーを追いかける旅が始まった。




ーーーー☆☆☆



 ドラゴンちゃんヒロトに乗った一行は島に到着すると、直ぐに魔石ハンティングのプランについて話し合う。





「私の分析によりますと、王家へのルートを見出すためのツールとして魔石が必要であり、8つあるという魔石が全て揃った上で、王家の血筋である人物が呪文を唱えることにより、魔法陣が現れてルートが開かれるのではと推測しています。


 それから我々が召喚された意味としては、フランク伯爵が王家に代わって支配する悪い気の充満した世の中を元の世界に戻すためのミッションでありましたよね。


 これにより選ばれし我々には、王家の血統が備わっているとも解釈できます。しかし、その話を我々に教えたのはフランク伯爵とあの仙人フォーでありました。


 ということは彼らのどちらかが、あるいは二人とも私達を王家に行かせないための罠ではないかと思うのですが。」






 するとウメ婆さんが話し始める。






「あくまでワシの勝手な想像じゃが、これまでの旅の中で仙人フォーは、我々にいくつもの邪魔をしてきた。


 だけどワシにはあいつが本当の悪党にはこれっぽっちも思えなくてな……


 皆んなはどうじゃ?」







 するとキャンがウメ婆さんの意見にうなづく。






「アタシィー、フォーよりもフランク伯爵のほうが悪人だと思うのよね。


 しかし彼も召喚された身だと言っていたからわからなくなってたけど、最初我々を自分の居城に招待したのも彼が我々を利用するためであって、我々ドアーフが作った門柱にフォーが命を吹き込んだり、今回の魔石ハンティングのミッションも含めて、何だか我々は二人に試されているような気がするんだ。


 もしかしてあの二人って、神キャピッ?」





 するとCAリンリンが乗り出す。





「ねぇねぇ、それよりも私は今回のVRツアーを計画した、ツアーガイドの宗谷さんの方が、よっぽど疑わしくってよ。


 だってこちらの世界からログアウトできないシステムに我々は閉じ込められたんだから。


 そしてログアウトする唯一の方法が「王家への冒険」アトラクションであり、王家の承認が得られた時点でログアウトできると言ったのよ。


 それって本当かしら?」







 その時、突然、空中に幻想的な光が輝き、全員の目の前に文字が浮かび上がった。それは王家からのメッセージであり、ミッションの内容を告げるものだった。







〜〜〜MISSION〜〜〜


"王家よりの使者が、あなた方に特別なミッションを委ねます。召喚された者たちは、王家の血統であり、世界を救う使命を果たす者たちです。



 しかし、今回の試練はこれまでとは異なります。王家の力が封印され、古代の魔法が解き放たれたとき、その力を再び束ね、世界を救うための鍵となる人物を見出す必要があります。






 王家の血筋であるあなた方にしかできないこの使命を果たし、世界の未来を守ってください。"







 表示が消えると、一同は驚きと緊張に包まれた。その場に立つ宗谷は、深く頭を下げて言った。






「これが私たちの使命なら、私たちは果たすしかありません。


 王家の力を再び世に取り戻し、世界を守るために、この旅を続けましょう。」







彼の言葉に、一同は固い決意を新たにするのだったーーーー










///to be continued!!!☆☆☆




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