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第3話 忍者が来たりて、ヤる!!!

「痛ぇ!」


 剛力腕太郎が何気なくサメ人間の襟元に伸ばした手が、突然消失! 鮫人間の手にはアーミーナイフ! そして続け様に剛力の喉を切り裂く!


「オゴーッ!!!」


  断末魔を上げる剛力の喉からスプリンクラーなみの勢いで鮮血が噴き出! 仰向けに倒れ伏す剛力! 天井にシュルレアリスム的デカルコマニー模様が描かれる! どんな模様だよ!?


「お前が最後の一人か、死ね」


 三人のサメ人間が一斉にサブマシンガンを甲賀忍之介に向ける。まさかこのまま、主役までもがサメの毒牙にかかってお陀仏してしまうのか!?


「はぁ……やれやれ」


 肩を竦め、ため息をつく甲賀忍之介。精一杯の強がりか!? 諦めか!? いや、そうではない。断じてそうではなかった。彼は、恐らく読者諸君の誰一人としてそれに気づいてはいないだろうが実は、忍者なのである。


 一子相伝の忍術を現代に継承する、真の忍者なのだ。だが普段はバレないように静かに暮らしているだけの、なろう小説の主人公らしい男子学生なのであった! サプライズ! これには読者も思わずスタンディングマスターベーションだ!


 一斉にサブマシンガンが火を……噴かない!? トリガーを引く直前、サメ人間達の指がまとめて切断されて宙を舞った!


 手裏剣! いつの間にか忍之介の両手が動き、音もなくその暗器を投げ終えていた!


「爺ちゃんがいつか言ってたっけ。忍術は誰にも見せてはいけないって。見せる時はそれ即ち、相手を殺める時だけだってね」


 その言葉を忍之介が言い終わった時、キン! という甲高い音が鳴り大気中を高速で何かが駆け抜けた! 知覚不能なほどの恐るべき早業で三人のサメ人間の頭部に深々と手裏剣が刺さっていた!


「バカ……な、俺達が……人間ごときに」


「忍者」


「ごふっ!」


 うめき声を発して、サメ人間達は仰向けに倒れた。


「ふぅ……危なかったな」


 周囲を見渡しても生きている者は誰一人としていない。

 そして悲鳴は未だに鳴り止まない。この学院全体がシャーク・テロリストに制圧されてしまっているのだ。果たして彼らの目的とは?


「この学院全体を制圧したシャーク・テロリスト達の目的とは、一体何なんだ?」


 読者諸君がわかりやすく状況整理できるよう独り言を呟いてから、忍之介は歩き出した。そんな彼の視界の端、折り重なる死体の下のほうから声が聞こえてくる。


「甲賀くん、たすけて……」


「君は……生きていたのか!? オタサーの姫!」


「ちゃんと名前で呼んで……姫野(ひめの)泡子(あわこ)よ私……」


「ごめんよ! いつまで経ってもクラスの仲間の名前が覚えられない病なんだ! そういやさっき僕をいじめてたゴリラ太郎が死んだよ」


「甲賀くん、ゴリラのことはいいから、助けて……」


「ごめんよ、すぐに出してあげるね」


 顔は普通だがおっぱいだけはなかなか迫力があるLカップの姫野泡子を助けた忍之介。


「ありがとう。あなたって意外と力強いんだね」


 モジモジしながら泡子が言う。上目使いに忍之介を媚びた瞳で見詰めている。これは! サークルの友情にヒビを入れる魔性の視線ではないのか!?


「ねぇ、他のみんなは死んじゃったみたい。お願い、私の事……守ってくれるよね?」


 ゆったりとした口調で言いながら泡子が忍之介に体を預けてきた。


「もしここから私を助け出してくれたら、この私を、忍之介くんの好きにしていいよ?」


「じゃあ、セックス」


 パンパンパーン!


 ご褒美として一発ヤラせてもらい、忍之介は次なる教室(戦場)へと勇み足で向かうのであった!


 次々と襲い来るシャーク・テロリストを蹴散らし、助けた女の子とイチャイチャしつつ学院を救うのだ、甲賀忍之介よ!


 彼のもっとも長い戦いの一日はまさに今、始まったばかりだ!

 次回へ続く!

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― 新着の感想 ―
[一言] ここでタイトル回収ですか……。 全く苦にしてなかった上に、なんだか共闘? かと思いきやですね。 逆に、先の展開が見えなくなりました。 さんざん語っているように思えるにも関わらず。
[一言] なんというシリアスかつ重厚な物語!素晴らしい!気づいたら私も電車内でスタンディングマスターベーションをしていた!
[良い点] >パンパンパーン! なんてテンポなんだwww
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